テレビアニメ「鬼滅の刃」無限列車編スタート
10月10日(日)に始まったテレビアニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」無限列車編。
第1話は完全新作の物語。これまで描かれていなかった、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)が無限列車に乗るまでの物語が明らかになる。
映画公開からまもなく1年、今なお熱を帯び続ける「鬼滅の刃」。
様々なコラボレーションも実現している。
さまざまなジャンルでコラボ展開

読売ジャイアンツの選手たちが目を輝かせていたのは、「鬼滅の刃」とコラボしたバットやグラブなど。
実はこれ、プロ野球だけでなく、サッカーのJリーグ、バスケットボールのBリーグ、3競技をまたいだ大型企画の一環。中でもジャイアンツは、選手たちが実際に使用しているのと同じモデルの道具に鬼滅のデザインを施したのだ。
読売巨人軍/読売新聞 本城直貴さん:
本当に(鬼滅の刃を)好きだって選手たちも多くて、少年のような気持ちで商品自体を『おお、すごい!』って言ってくれていましたし、そういう部分では作った我々としてもすごい『良かったな』と
野球とのコラボといえば、人気ゲームアプリ「実況パワフルプロ野球」とのコラボも実現。「鬼滅の刃」のキャラクターたちが選手に!

特にこだわったのが、アニメでも美しく表現されていた「呼吸」のシーン。バッターボックスに立つキャラクターは必見だ。
“鬼滅の刃コラボ”には、どっぷりとその世界に浸れるものも…
先月からユニバーサルスタジオジャパンで始まったのは、戦いのど真ん中にいる感覚を体験できるアトラクションだ。
さらに今 SNSでは、ノリノリで必殺技を繰り出す子供たちの姿が話題に。実はこれ、auが5Gの技術を使って展開するコラボ。スマホ1つあれば、「鬼滅の刃」の世界が体験できる。

KDDI 日向野貴大さん :
もっと通信の力で炭治郎になりきれる…そういった世界をお客様に提供できればなというふうに思ったっていうのがきっかけ
コラボ商品は、身近なコンビニでも…
ローソンでは、10月12日から無限列車型の「からあげクンBOX」など、独自商品を10種類以上も販売するという。

ローソンマーケティング戦略本部 部長 白井明子さん :
コラボ商品を今までに200種類以上発売させていただいています。ローソンの過去のタイアップの中では、1番多い数になっています
他にも、店内で目立っていたのが…
デイレクター・リポート:
あ、クランキーチョコ…いろいろ種類が出ていますね
「鬼滅の刃」が施された、ロッテの板チョコ「クランキー」。全部で24種類、すべてデザインが異なっている。

板チョコ人気復活させたパッケージの工夫
ロッテマーケティング本部ブランド戦略課チョコレート企画課 黒島三都さん:
クランキー史上一番多いパッケージ数です。担当としてはものすごく気合いが入っておりまして
担当者のみなぎる気合いも、チョコレート業界の今を知れば、納得だった…
ロッテマーケティング本部ブランド戦略課チョコレート企画課 黒島三都さん:
板チョコレートってなんとなく買わなくなったりとか、若い方を中心に離れてしまっているのが課題として感じておりました
今売れるチョコのキーワードは“大袋入り”で、“ひとくちタイプ”。“板チョコ不況”のあおりは、
発売47年目を迎えるロッテの主力商品にも。
そこで目をつけたのが、鬼滅の刃とのコラボだった。
しかし、思いついたは良いものの…
勢力を拡大し続ける“大袋入りの一口サイズ”のチョコに対抗するには、独自の工夫がほしい…
降りてきたのは、“板チョコだからできる”アイデアだった…
ロッテマーケティング本部ブランド戦略課チョコレート企画課 黒島三都さん:
すごく売れている商品はプラスチックのフィルムを使ったものが多いんですけど、紙のパッケージを最大限生かすしか、残された道はないかなと

試行錯誤の末に誕生したのが、このパッケージ。裏面を切り取れば、飾れるミニチュアのキャラクターが完成。箱の側面をそろえれば、数々の名言が蘇る…
板状で厚手の紙パッケージだからこそできたコラボだった。

ロッテマーケティング本部ブランド戦略課チョコレート企画課 黒島三都さん:
売り上げに関しては、本当にすごくてですね…直近10年間の板チョコの形態で、単月の売り上げで1位
"鬼好き”若手社員の熱意で「売り上げ13倍」
不思議な縁が結んだ異例のコラボもある…
江戸時代に創業し、2021年で216年になる老舗の和菓子店「船橋屋(ふなばしや)」。
発端は、入社1年目の小幡星奈(おばたせいな)さん。店で取り扱っていたのは、「くず餅」や
「あんみつ」なのだが…
船橋屋 入社1年目 小幡星奈さん:
お土産ものとして買われる方も多いんですけど、やっぱりコロナ禍で働いていてすごく実感するのは、(お客が)足を運びづらいような状況にはなってるなっていう
老舗の和菓子ということで、“気の利いたお土産”として購入する客が大半。だが、コロナ禍で人に会う機会が減り、需要が激減…
船橋屋 入社1年目 小幡星奈さん:
(コロナ)前からすると、(売り上げ)35%くらいまで落ちてしまいましたね。もっと活気がある時代に働いてたかったなという思いはありますね
このままでは200年を超える歴史に幕を降ろす日が、遠くはないのかもしれない。
そんな思いがよぎっていたある日…
同僚と「鬼滅の刃」の話をしていると、中で描かれている藤の花のことが話題になったのだ。
船橋屋 入社1年目 小幡星奈さん:
“船橋屋って、藤と関係してるよね”っていうので、すごく話が盛り上がって…
船橋屋 企画本部 月岡紋萌さん:
“亀戸天神発祥の船橋屋”とは、かなり親和性が高いねっていう話をしていて…
そう、老舗の歴史を紐とけば…創業の地・亀戸天神は藤の名所。 船橋屋は藤の花を、店を象徴する花として代々受け継いできた。
そんな藤の花が、鬼滅の刃でも、鬼を退けるシンボルとして描かれている。
何かできないか…そんな思いが膨らんだが、過去に一度もないアニメとのコラボ。果たして上司が認めてくれるのか…
それでも、小幡さんは新しい商品を作ることを必死で提案した。ここまで「鬼滅の刃」に熱いのには、ある理由があった。
船橋屋 入社1年目 小幡星奈さん:
大学で“鬼”の研究をしていました。
どういった人間の恐怖だったりとか信仰だったりとか、鬼がどういう存在として人間に考えられてきたのかっていう面を研究していました
そう、鬼好きゆえの止まらない熱意。
船橋屋 執行役員 企画本部 佐藤恭子さん:
多分もうなんか好きな子たちが考えた方が絶対楽しいし、いい物ができるって思ったので、彼ら彼女らの意見を相当取り入れましたね
小幡さんたちの熱意を認めてくれた上司。
そして完成したのが…

あんみつやところてんのセット。桃あんや紫芋あんで、キャラクターの色を表現し…
船橋屋の代名詞のくず餅も、さりげなく鬼滅の刃デザインの包みに。
すると…

船橋屋 執行役員 企画本部 佐藤恭子さん:
前年の通販の数字に比べると、13.7倍、伸びてます
番組ディレクター:
13.7倍…倍?
船橋屋 執行役員 企画本部 佐藤恭子さん:
倍。最終的に数字見たときにはびっくりしました
それは“鬼博士”社員の、炭治郎”に負けない熱意がもたらしたコラボだった。
船橋屋 入社1年目 小幡星奈さん:
すごく熱意を感じていただけていたということで、ちょっと頑張って良かったなって思います
(「Mr.サンデー」 10月10日放送分より)