「もう誰も信用しない」年金事務所に説明求めて…

10月7日、名古屋市内の年金事務所を訪れていたのは、誤った内容の年金振込通知書を受け取った人々だった。

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誤記載の通知書受け取った人(70代):
全然違う内容のどっかのなんとか銀行とか書いてあったのでちょっと今聞きに来た…

誤記載の通知書受け取った人(70代):
ひょっとしたら詐欺じゃないかしらと思って。もう誰一人、誰も信用しない

誤記載の通知書受け取った人(80代):
(説明では)「間違いだから」と言われて。「間違えたから」で済むような簡単なことではないしょう

昨日6日、明らかになった年金振込通知書の誤送付。

問題となっているのは、10月4日・5日に、愛知県・三重県・福岡県の受給者に発送された、約97万2千件の通知書だ。

中には、宛名の受給者とは別の人の「基礎年金番号」や「受給額」などが書かれていた。

本来もらえる金額より少なかったため、慌てたという男性もいた。

誤記載の通知書受け取った人(70代):
きのう(誤った通知書が来て)え!こんなに引かれるの!って、びっくりびっくり。これどうしよう!ってひっくり返ってもう笑えちゃったから…

厚労相が謝罪…原因は?

この問題について今日7日、後藤厚生労働大臣が謝罪し、説明した。

後藤茂之厚労相:
具体的に誰かわからない方の情報が国民に知られるということではない、ということは申し上げられると思います

問題の通知書を作成・発送したのは岐阜県の印刷業者印刷時の設定を間違えたことによる、人為的なミスとしている。

日本年金機構は正しい通知書を10月11日に発送し直し、15日には本来の額が支払われるという。

過去にも“ずさん“な年金問題相次ぐ…

これまでもさまざまな問題が起きてきた年金。

2007年には当時年金を管理していた社会保険庁のずさんな管理や人為的なミスにより、誰のものかわからない年金記録が5000万件以上あることが判明。

政府にも批判が集まり、その後の選挙で自民党は野党に転落した。

2010年には現在の日本年金機構が誕生したが、その後も個人情報流出や支給ミスなどが続いている。

年金機構は再発防止に取り組むとする一方、誤った通知書は破棄するか返却するよう呼びかけている。

「年金不安」につけ込む詐欺に注意を

加藤綾子キャスター:
年金が今後どうなるのか不安が大きい中でさらに心配になりますよね。これまでにも何度かミスやトラブルもありましたけれども、原因などをきちんと検証しないと、また何か起きるんじゃないかと思ってしまいますよね

ジャーナリスト・柳澤秀夫氏:
はっきり言って「お粗末」の一言ですね。これまでも「消えた年金問題」とか年金にまつわるいろんな問題があったわけで「またか」というイメージになってくると国民の間でやっぱり日本の年金制度そのものに対する不信感につながりかねないですよね。もう一つ指摘しておきたいのは、みんなこれで不安になりますよね、この不安につけ込んで新手の詐欺が出てこないかどうか。「お宅の年金が減ってるかもしれない」というような。こういう時期は特に新手の詐欺には注意した方がいいかなと思います

(「イット!」10月7日放送より)