「政策や国家経営の理念を共通にする人たちが派閥を問わず集まってくれた。私がこけてしまったら、その後、冷や飯が待っているかもしれない。そういう中で政策に賛同して集まってくれた最も強い同志だ」

高市陣営の出陣式
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スローガンは「第100代女性初総理誕生へ」。
9月17日午前11時から国会内で開催された高市早苗候補の出陣式で、車座の中心に立った高市前総務相はこう語りかけた。最大派閥・細田派(96人)の議員を中心に、西村経済再生相、古屋元国家公安委員長ら62人の議員が出席、代理を含めると95人が出陣式に参加した。

告示前日の16日夜には高市氏を全面支援する安倍前首相がツイッターに「コロナ禍の中、国民の命と生活を守り、経済を活性化する為の具体的な政策を示し、日本の主権は守り抜くとの確固たる決意と、国家観を力強く示した高市早苗候補を支持いたします。世界が注目しています。」と投稿し支持を正式表明。19日の朝の時点で「いいね」は9万を超えた。また、安倍前首相に呼応するように実弟の岸防衛相も閣議後の記者会見で高市支持を表明した。

「逆転勝利」目指し決選投票に期待

高市陣営からは「2012年総裁選で安倍氏が石破氏を逆転勝利した時と似た雰囲気を感じる」との声があがる。

陣営が盛り上がる理由は、決選投票に進出できる可能性が出てきたことにある。
告示直前に野田聖子幹事長代行が推薦人20人を確保し出馬を表明。これにより、総裁選は三つ巴の構図から、河野氏・岸田氏・高市氏・野田氏の4者で争う構図になった。
この結果、票が分散することでどの候補も一回目で過半数に達さず、決選投票となる可能性が高まったと言える。

高市陣営は一回目の投票で2位以内に入れば安倍前首相と盟友関係にある麻生副総理など、河野氏を支援する石破元幹事長に拒否反応のある国会議員票を取りこめるのではと息巻く。
また小泉環境相が最大派閥・細田派の“高市・岸田支持の方針”に対し「河野氏は絶対に駄目だということで、その一点を持ってしても、誰が自民党、日本を変えられる新しいタイプのリーダーか明らか」と対抗心を示したことも「かえって“反河野”で結束する理由ができた」と指摘する。決選投票まで残れれば、「河野・小泉・石破」連合の反発票の受け皿になることを狙う。

「彼女は勉強少女」高市氏の人物像は

 “女性初の総理”を目指す高市氏はどんな人物なのか。
近い議員は「彼女は勉強少女。政策パンフレットに至るまで全て一人で資料を読み込み書いている。真面目なところが伝わればいい」と語る。総裁選が告示された17日、高市氏は「多少睡眠不足だ。演説原稿の作成で朝5時頃になっていた」と徹夜で原稿を書いていたことを明らかにした。

また、ツイッターのフォロワー数でトップを走る河野氏と同様に、高市氏はネットでの人気が高い。出陣式で陣営が掲げた「サナエタオル」は、2000円という値段にもかかわらず18日にネットで発売されると35分で500枚が完売、その後追加で増産した1000枚もすぐに売り切れた。

完売した「サナエタオル」(公式販売サイトより)

一方で、党内からは野田氏が出馬したことで女性候補が複数になり「女性の党員票を取り合うことになるのでは」との声もある。

取材を受ける高市前総務相

高市氏は18日午後に行われた日本記者クラブ主催の討論会で、新型コロナ対策を巡り、改めて「都市封鎖=ロックダウン」を可能にする法制の必要性に言及したほか、緊急時に国などが病床確保を命令できるようにする法案を提出したい考えを示した。
また、外交政策では「台湾有事」の可能性を指摘し、抑止力などの観点から日米同盟の深化を訴えた。

「発信力」に定評がある河野氏、堅実に政策を訴える岸田氏、同じく初の女性首相候補を目指す野田氏。「勉強少女」の高市氏が自身の政策をどのようにアピールできるかが支持拡大に向けた今後のカギになりそうだ。

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