麻生財務大臣は、自民党総裁選に立候補している高市早苗前総務大臣が物価安定目標2%を達成するまでは基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標の凍結を考えていることについて、「細目についてお伺いしたことないんで、意見として差し控える」と述べた。

その上で、MMT(現代貨幣理論)に触れ、「放漫財政というのもやっても大丈夫なんだっていういうような」「そういうものの実験場に日本のマーケットをするつもりはありません」と否定的な考えを示した。

また、7日の会見で波紋を呼んだ、新型コロナの感染状況を「曲がりなりにも収束」と発言したことについて改めて問われると、「完全に収束したというんじゃなくて、そういう(感染者の減少)傾向を申し上げたんであって」「引き続き気を引き締めてやっていかなきゃいかんもんだと思っております」と話した。

※MMT(Modern Monetary Theory):
現代貨幣理論。アメリカを中心に話題となっている財政理論。通貨を発行する権限のある政府は財政再建を行う必要はない、というもの。

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