まるでアニメのキャラクターのような生き物がTwitterに投稿され、話題になっている。
それがこちらだ。
ぬーん pic.twitter.com/VNpUJsFHBS
— ちゃんつる (@chantsuru_aqua) August 6, 2021
「ぬーん」というコメントと共に投稿されたのは、水槽の中で独特な雰囲気を醸し出している魚の動画。何か食べているのか「もぐもぐ」しているのだ。また体表は、普通の鱗ではなく、トゲがあるようにも見える。
飼育している投稿者のちゃんつるさん(@chantsuru_aqua)によると、この魚は「スーパーオレンジフィンレオパードトリムプレコ」で、大きさは約40センチ。

ちゃんつるさんが初めて出会った時、「独特な雰囲気を持つ子で、水槽が一気にこの子の世界に呑まれた」のだとか。正式な名前は付けていないが、「レオパさん」と呼んでいるという。
日本では見かけないこの魚に、Twitterでは、「カピパラかと思いました笑」「ムーミン?」「ジブリに出てきそう!」などの声があり、2万6000いいねが付き話題となっている。(8月30日時点)
いつまでも見ていられそうな、癒やしキャラの“レオパさん”。一体どんな生き物なのか、世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」(岐阜県)の担当者に話を伺った。
中~南米に生息するナマズの仲間
ーーこの魚の特徴を教えて
オレンジフィンレオパードトリムプレコ(Pseudacanthicus leopardus)という種がいます。スーパーオレンジフィンレオパードトリムプレコというのは、種としてはこちらとほぼ同一になるのではないでしょうか? トリムプレコと呼ばれるグループは全身が発達したとげで体表が覆われているのが特徴です。

ーー生態は?
生息地域はアマゾン川水系です。プレコは中~南米に生息するナマズの仲間です。体は硬い骨板という組織で覆われており、下向きについた吸盤状に発達した口が特徴です。藻類や木部などを削り取るように摂餌します。植物質食傾向が強いです。
(※以上、プレコの仲間全般にいえる生態でもあります)

ーーこの魚は珍しいの?
オレンジフィンレオパードトリムプレコは以前から知られ、見かける機会は多いです。スーパーオレンジフィンレオパードトリムプレコという、この個体は珍しいかもしれません。
体表は強固なイメージとは違い弾力
ーー40センチは大きいの?
大きな個体で40~50センチ位だと思います。オレンジフィンレオパードトリムプレコとしては大きいほうです。

ーー同じ種類のプレコと見た目は違うの?
同じ大きさの他のプレコと変わらないと思いますが、トリムプレコのグループは頭部や吻先(口先)までとげに覆われていること、また体表は硬くて強固なイメージがありますが、この種は頭部から吻先にかけては体表に弾力があり柔らかくなっています。

ーー投稿を見てどう思った?
撮影の仕方が上手なのだと思います。撮影個体が最大サイズに近い40センチと大きいのも、この魚の特徴をよく表しているのではないでしょうか。
水族館の担当者も「珍しいかもしれない」と話すこのプレコ。全身を見るとナマズの仲間と言われれば納得だが、今回は撮影のサイズも絶妙だった。
ずっと見てしまう独特な雰囲気を持っているこの魚など、まだまだ世界には私たちの知らない生物がたくさんいる。
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