ある植物が予想もしない家の中から生え、住人が言葉を失った投稿が話題になっている。

それがこちら。

壁と天井の境目からひょっこり鮮やかな緑の姿が…
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漫画家のアシガル丸さん(@asssssssssssya)がTwitterに投稿した画像は、家の中の天井隅から植物が出てきている様子。天井と白い壁の境目から、壁紙を押しのけて1本のツルが出てきて、緑の葉が何枚も確認できる。

アシガル丸さんも、決してここに植えているわけではない。投稿には「は?」と驚き、言葉を失ったかのようなコメントをしているのだ。

この状況には、Twitterでも「土根性雑草すぎる!」「生命力の尊さ…」「これは草w」といったコメントがされ、27万6000のいいねが付く話題となっている(8月18日時点)。

たしかにこれは、植物の生命力の強さを感じると共に、まさかこんな所から生えてくるとは…と驚くことしかできない。

この植物を家で見つけた時はどう思ったのか? まずは投稿者のアシガル丸さんに聞いてみた。

我が家はてんやわんやだが、なにかの参考になれば

ーーどのような経緯でこの植物の存在に気付いたの?

8月8日の朝、家族が洗面所を使っているときに気づいたようで、私も呼ばれて見てみたら植物が生えていることに気づきました。


ーー気付いた時どう思った?

パッと見たときカマキリかなにかの虫だと思いました。植物だとわかって、あまりのできごとに家族と笑っていましたが、テレビ番組で「植物で家が倒壊の危機」という話を昔見たので早く何とかしないと、となりました。


ーー植物が生えてきたことに心当たりはある?

庭のこの方角に昔、ノウゼンカズラが生えていたらしく、数年前に業者の方に抜いてもらったのですが、おそらくそれの残りがまた成長して壁紙を突き破ったのかなと思っています。


ーー今後この植物はどうする予定?

業者の方に頼んで、処理してもらう予定です。


ーー投稿が話題になっていることに対してはどう思っている?

たった二文字の投稿でここまでの拡散になるとは思っていませんでしたが、リプライなどで同じような状況の方や、これから植えようと思っていた方の目にもとまったようですから、我が家はてんやわんやですが、せめてこれがなにかの参考になれば幸いです(笑)

8月8日発見当初の様子

今後、業者に処理してもらう予定とのことだが、この出てきた植物についてアシガル丸さんは、Twitterのコメントなどから「ノウゼンカズラではないか」と思っているそう。家族にも確認した所、昔庭にノウゼンカズラが生えていた話を聞いて判明したのだとか。

では、本当にその“ノウゼンカズラ”という植物で合っているのか?また、それはどういった植物で、駆除するのは難しいのだろうか?

国立科学博物館・筑波実験植物園の遊川知久さんに教えてもらった。

どこにでもある植物で、庭で育てると10メートルほどの大きさに…

ーーこの植物の正体は何?

ノウゼンカズラ科のノウゼンカズラという植物です。元々中国の東から南の方の温かい所に広く生えている植物で、日本に元々野生で生えている植物ではなく、外来種になります。


ーーどういった植物なの?

ツルを伸ばして、木などに巻き付いたりして、明るい所明るい所へと成長していく植物です。特に珍しいということはなく、どこにでも植わっている植物です。オレンジ色のトランペットのような形をした花も夏の時期に咲かせます。匂いとかもしないので、観賞用として普通にお庭とかにも植えられています。

ツルが枝分かれしながら伸びていくので、普通に庭で育てていても10メートルとか、それくらいの大きさにはなります。ある意味永遠に成長し続けていきます。夏の暑い時に成長し、花を咲かせ、冬になると葉を落とし大人しくしており、何も悪い事をしないような顔をしています。

発見から4日目(8月11日)発見当初より葉が大きく、ツルも太くなっている

ーー今回は壁から出てきているが、どのような理由が考えられる?

抜いても抜いても地下に茎や根が残っていて、それが少しでも残っていれば死なずに、そこからまた何年かすると出てきてしまう。完全にキレイには抜きとるのが難しいので、ゾンビのように、殺しても殺してもまた出てくるんです。ここの植物園(筑波実験植物園)でも30年くらい前に抜いたノウゼンカズラが、いまだにひょこっと出てきますから。

今回の場合も、前回の駆除の際に残ってしまっていたものが出てきたんだと思います。この植物を育てていたら、どんな場所でもこのように突然出てくる可能性があるので、こういったことも全然珍しいことではないと思います。


ーーこのまま成長していくとどうなるの?

壁の中外関係なく、ほんの少しでも隙間があればそこを通って、明るい所へツルは伸びていきます。明るい場所を求めて壁を伝い、別の隙間から外に出てくる可能性もあります。

何もせずに放置していると、家全体がノウゼンカズラに最後は覆われて乗っ取られますね。家が朽ち果てるまで覆いつくしていきます。

発見から5日目(8月12日)1日でツルが伸びている

ノウゼンカズラの生命力は、壁を完全に突き破って出てくるという事はできないそうなので、新たな場所から出てくるとしたら、ほんのわずかな隙間やほころびからだという。

完全に駆除するのは難しい

ーー周囲の壁への影響は大丈夫?

長期的には壁がだんだんと崩壊していきます。壁にツルからの根がくっついて、根が少しずつ壁の中に入り込み、壁を壊していきますから。数カ月でどうこうといった話ではなく、数十年、数百年といった気が長い話ではあります。今日明日で家が壊れるということではないですので、そういう心配はないです。


ーー駆除するのは難しいの?

完全に駆除するのは難しいですね。“出てきたものを抜いていく”ということを辛抱強く、根比べ、我慢比べするしかないです。でも、この我慢比べを繰り返しても完全に駆除できるわけではないです。

発生源含め、伸びてきているツルなどの通り道全ての根やツルを完全に取り除かないと、完全な駆除はできないです。根っこなどが一つでも残っていると、発生源からだけでなく、その残った部分からまた何年後かに伸びてきます。駆除するのはなかなか手ごわいと思います。ゾンビですね。

発見から1週間(8月15日)30センチに成長

ーーでは、もし育てるとしたら注意点は?

根が広がらないように鉢に植えて栽培する。または、植えている所から根が広がらないように、周りをコンクリートなどで完全に囲う。あるいは、どこに出ても構わない場所に植えるかです。あとはもう「出てきたら取る」を繰り返すですね。根性がある人ならば大丈夫ですが…長年付き合う覚悟が必要です。

あと周囲の植物の影響としましては、例えばノウゼンカズラの近くに木があって、そこにノウゼンカズラが這い上っていってしまうと、その木が太陽光を浴びれなくなってしまい、弱らせてしまいます。


ーー最後にノウゼンカズラの魅力を教えて。

1つは丈夫さです。誰がどこの場所に植えてもちゃんと育って、毎年花を咲かせます。丈夫なのは欠点でもあり長所でもありますね。

2つ目は花が圧倒的に美しいです。花だけ見たら誰もが植えてみようかなという気持ちになりますね。暑い時に暑苦しい色の花なのですが、それでも夏の暑い時にお日様を浴びて輝いている様子は、インパクトあって生命力が溢れて出ていてキレイです。

ノウゼンカズラの花(PIXTA)

確かに花は美しいが、専門家が“ゾンビ”と表現する生命力を持つノウゼンカズラ。すぐに大きな被害が家に出るというわけではないが、根気強く対処していかなければならない植物のようだ。

ノウゼンカズラを育てていたら、どの家庭でもこのように思わぬ所に成長した姿を見せることがあるそう。育てている人、そして、これから育てることを検討している人は覚えておいた方がよさそうだ。
 

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