上品な甘さが特徴のプリン7種類を販売
三重県いなべ市に、自宅の一角で子育てをしながらプリンを販売している女性がいる。
地元の牛乳や卵で作ったプリンは、素材本来の味がすると評判だ。また、地元名産のお茶でプリンを作るなど、地域活性化にも取り組んでいる。
この記事の画像(18枚)三重県いなべ市にある「いなべプリン店」の店主、日置愛彩さん。夫と保育園に通う2人の子供を持つお母さんだ。6年前に自宅の一角で店をオープンし、子育てをしながら自慢のプリンを販売している。
女性客A:
おいしくて大ファンです。手作りで愛情たっぷりなので、どれを食べても美味しいです
女性客B:
卵とかの素材の味がすごくよくて、(子供に)食べさせるなら素材を大事にしたいなって
愛彩さんが作るプリンは全部で7種類。定番の「カリカのプリン」(300円)は、かためのプレーン味。プリン本来の味が楽しめると評判。
「よそいきプリン」(380円)は、素材の上品な甘さが特徴的なプリンだ。
他にも、「コーヒープリン」(450円)や「抹茶のプリン」(550円)に「チャイプリン」(450円)など、豊富なバリエーション。
愛彩さんは「とろとろとした“なめらかプリン”ではなく、食べてスッと広がる感じを意識して作っている」と話す。
使うのは地元の牛乳や卵などこだわりの食材…1日300個以上作る日も
愛彩さんのプリン作りは店の営業中、接客の合間に行っている。子供の面倒も見ながらで大変だが、決して手は抜かない。この日の仕込みは「カリカのプリン」。
材料となる牛乳は、三重県産の「大内山牛乳」。地元のものを使うのが愛彩さんのこだわりだ。
味の決め手となる卵は、車で5分ほどの所にある地元の養鶏場「いっちゃんたまご」へ週に一度は足を運び仕入れている。
こだわりの卵に温めた牛乳を加え、卵液を作る。さらに生地の中に卵白でダマができないよう、目の細かい濾し器で濾していく。カラメルソースも愛彩さんの手作りだ。
店の営業は週に5日。多い日には、1日に300個以上のプリンを作っている。
カフェで出したプリンが評判に 夫の地元へ移住し専門店をオープン
愛彩さんは名古屋の製菓専門学校を卒業後、26歳で実家のある鈴鹿市でカフェをオープン。店で出していた手作りプリンがお客さんの間で評判となり、いつかはプリンの専門店を持ちたいと考えるようになった。
そして、29歳で美容師の夫と結婚。夫の地元・いなべ市へ移住し「いなべプリン店」を開業した。
子育てをしながらの開店。苦労はしたが、お客さんからの「おいしかったよ」の声に支えられたという。
長女をおんぶしながらの開店準備 店主と母親の二足のわらじ
今も忙しい毎日を送る愛彩さんの1日は、長男を保育園へ送ることから始まる。
その後、車を走らせ向かったのは、愛彩さんのプリンを委託販売している地元の雑貨店。この店の客からの評判も上々だ。
店に戻ると、長女をおんぶして開店の準備。グズる娘をあやすこともしばしば。
そして、午前10時に開店。この日は、愛彩さんのプリンの大ファンだという中学時代の同級生が来店した。
中学時代の同級生:
温かいというか、愛彩ちゃんっていう感じの愛を感じますね。魅力あふれる人なので
手の空いたタイミングを見計らって、長女とお昼ごはん。
店主と母親の二足のわらじ。そのすべてを一人でこなしているため、休む時間はない。
「いなべをもっと知って欲しい」地元のお茶で作ったオリジナルプリン
愛彩さんは、地域の活性化にも取り組んでいる。2015年に始まった町おこしの企画「いなべの茶っぷりん」に参加。
市内の菓子店やレストランが、いなべのお茶でオリジナルのプリンを考案し、同じ名前で売り出している。
愛彩さんが作る「茶っぷりん」(450円)は、煎ったほうじ茶を牛乳で煮込み、味をまろやかにするため生クリームも使っている。
「いなべプリン店」店主 日置愛彩さん:
企画した当初はここに来てすぐだったので、いなべ市の人と喋れたりとか、きっかけをもらったプリンでもあります
愛彩さんは、いなべプリンのキャラクター「プリオくん」のグッズも作っている。将来の夢は、いなべをもっと知ってもらうために、アンテナショップを作ることだという。
(東海テレビ)