高知県は6月25日、ワクチンを接種したにもかかわらず、5月上旬以降、21人が新型コロナに感染していたと発表した。
ワクチン接種で感染リスクは下がるのか、専門医に聞いた。

感染者のうち21人が“接種”受けていた

高知県健康政策部・川内敦文医監:
ワクチン2回接種をしたからといって、全く感染しないというわけではない

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高知県は6月25日、5月上旬以降の感染者のうち、21人がワクチン接種を受けていたと発表した。
内訳は、1回接種を受けていた人は17人、2回接種を受けていた人は4人と、1回のみの方が感染者数が多くなっている。
そこで、高知県感染症対策協議会の会長・吉川清志医師に聞いた。

野村舞アナウンサー:
ワクチンの接種を受けたら、感染リスクは下がるのでしょうか?

県感染症対策協議会会長・吉川清志医師:
それは絶対下がります。1回だけ接種しても、感染リスクの下がり方は低いんですよ。
2回接種すると、これまでの治験のデータでは95%の発症予防効果があると言われています。1回だけでは30%~50%台と言われていますので、まだ不十分ですね

ワクチン接種を受けたら感染リスクは下がる?
ワクチン接種を受けたら感染リスクは下がる?

では、接種して免疫ができるまで、どのぐらいかかるのか?

県感染症対策協議会会長・吉川清志医師:
接種して2週間は必要と考えていただいた方がいいと思います。1回の接種である程度(免疫は)上がるんだけど、それも2週間必要である。
21日間隔を開けて、2回目の接種をすると、それから2週間たつと95%くらい発症を予防する効果があるくらい免疫が上がる

2回目の接種から2週間後に95%
2回目の接種から2週間後に95%

ワクチン接種の利点 重症化の予防効果も…

実は、今回発表された21人の接種から発症までの日数の平均は、1回接種が5.1日、2回接種が8.3日。体内に「十分免疫ができていない時に感染した」可能性がある。

また、吉川医師はワクチンの利点についても説明している。

県感染症対策協議会会長・吉川清志医師:
発症を予防するだけでなく、重症化を予防する効果もインフルエンザのワクチンよりも高いと思われます

吉川医師はこのように話し、積極的に接種を受けてほしいとしている。
ただ、接種後も油断はできないようだ。

県感染症対策協議会会長・吉川清志医師:
自分だけが(感染リスク)が下がっていても、周りの方はまだ接種していない方が多いので、その方たちが感染している可能性があるわけですね。
そういう人たちと長時間マスクなしで話をすれば、ウイルスの暴露、たくさんのウイルスが入ってくるので、完全には予防できない。
多くの人がワクチンを接種した状態になるまでは、感染防止活動をこのまま続けていただきたいと思います

また、吉川医師は接種後の副反応について、「出ても一時的なもの。若い人は特に味覚障害など後遺症が続く傾向があるので、ためらわずに接種してほしい」と話していた。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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