「会場に行くよりも大きな画面で」

東京オリンピックの無観客開催に伴い、テレビなどの家電製品が売れているという。7月9日、都内の家電量販店を訪ねてみると…

テレビ購入を検討している30代男性:
閉会式のチケットが当たっていて、妻と僕の分で結構いい席だったので、1人16万円くらい。それが今回返金になると思うので、そのチケット代でテレビでも買えればと思って見に来ました。

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東京オリンピックの1枚16万円する閉会式のチケットを夫婦で2枚購入したという男性。しかし、無観客となったため、合計30万円以上のチケット代がよくも悪くも浮いた形になったという。

テレビ購入を検討している30代男性:
ちょっとしたボーナス。(テレビは)できるだけ大きいやつがいい。体操とテニスは見たいなと思ってます。

会場に見に行けないのならば、家のテレビを買い替えたいというこの男性のように、家電量販店にはテレビを買いに来る人が増えているという。

ビックカメラ有楽町店 三浦有輝也さん:
今持っているテレビよりも大きなテレビに買い替えて、実際に会場に行くよりも大きな画面でご覧になれるので、そこで需要は高まっているのかなと感じています。

ビックカメラ有楽町店で人気なのは、55インチ以上で20万円前後の大型モデルのテレビ。

6月下旬以降、売り上げは前年と比べて1割増え、大型テレビの売り場を拡大したという。

さらに、録画レコーダーの売り上げも平年の1割アップ。同じ時間帯に放送される競技を見逃さない、全番組録画タイプが人気だという。

"巣ごもり応援"で経済効果は300億円以上か

歴史をたどると、1964年の東京オリンピックは"テレビ五輪"とも言われ、テレビという新たな家電が普及するきっかけに。

また、2004年のアテネオリンピックでは、一斉に地上波放送のデジタル化が進むなど、オリンピックとテレビは切っても切れない関係なのだ。

大和総研のシニアエコノミスト・神田慶司氏によると、観客が入る通常開催だった場合の経済効果は約1300億円(※海外客入らないケース)とした上で、次のように述べた。

大和総研シニアエコノミスト 神田慶司氏:
(チケットが)払い戻しになって、それを何にあてるかとなった時に、具体的にはテレビを買うとか、家でオリンピックを見ながら食べるものを豪華にするとか、そういった形で一部は出てくると思いますから、経済効果は300億円~400億円ほどになる可能性はあると思います。

実際に、ビックカメラ有楽町店でもホットプレートや炭酸水メーカーなど、"巣ごもり応援"をしながら楽しめそうな家電の売れ行きも伸びているという。

(「イット!」7月9日放送分より)