FNN記者のイチオシのネタを集めた「取材部 ネタプレ」。
今回取り上げるのは、経済部・土門健太郎記者が伝える「コロナ保険」。

コロナに対応した”コロナ保険”が発売

経済部・土門健太郎記者:
コロナ禍を受けて、今いろいろなコロナ保険が登場しています。
まず2020年9月、太陽生命で業界初となる「コロナ保険」が発売されました。
これまであった入院保険に上乗せする形で、月500円程度の保険料を追加すると20万円の保険金が支払われるというものですが…

この記事の画像(14枚)

これは「どういった場合に支払われるのか」というと、コロナなどに感染し入院が必要と診断された場合ということなんです。
入院保険に上乗せする契約なので、やはり入院が基準になります。
ただし、医療機関の事情でホテルや自宅で療養する場合も、”みなし入院”として保険金が支払われるそうです。

こちらは契約数が2021年4月に10万件を突破しました。過去10年で最速ペースということです。

加藤綾子キャスター:
コロナで入院する確率が高いんじゃないかなと、不安を持っている方が多くいるということですよね

経済部・土門健太郎記者:
需要が高いということですね。
そして第一生命の子会社では、感染状況によって保険料が変わるコロナ保険も2021年4月に登場しました。
これは、”感染”と診断された場合に一律で10万円が支払われるものですが、保険料の3か月分は2021年4月時点で980円だったところが、感染者数が増加したことで5月・6月ともに1270円と上がりました。
さらに、感染者が急増した場合には2000円程度に引き上げることも想定されているということです。
こちらも、契約数は1か月間で約6000件に上っています。

また、契約者が多い地域には、ある特徴があります。
太陽生命の4月のスマートフォンでの加入者データを見てみると、緊急事態宣言が発令された東京都・大阪府・兵庫県、そしてまん延防止等重点措置地域だった宮城県などで加入している人の割合が大きく上回っています。
やはり、感染者が多いエリアで契約者も多いということです。

保険会社に需要が高い背景を聞いてみたところ、やはり「感染した場合の収入減・出費など家計に対する不安」があるといいます。
お客さんの声として「コロナに感染すると入院や自宅療養となり、一時的に収入が急減したり、家から出られなくなるため、食品宅配などで出費がかさむのではないか」という不安の声があったそうです。

と言うのも、明治安田生命が20代から70代の既婚男女に実施した「家計に関するアンケート調査」によると、コロナ禍で約4割の人が年収ダウンを実感していることがわかっています。
さらに、年々増加傾向にあった貯蓄額も3年ぶりに減少し、2021年の貯蓄額は1339万円。2020年の1512万円から173万円も減少しました。
コロナで先が見通せない状況ということで、非常に深刻です。

住田裕子弁護士:
コロナの家計に対するダメージは大きいと思います。
ただ、ここで考えたいのは外出ができなくなったので、モノの断捨離を結構やりましたよね。一応、今回の件に対しても、見直しをするという一つのチャンスではないかと思います
必ずや元に戻りますから、戻ったときに、新たに切り替えたところでの経費に対して、新しい行動様式・生活様式を探るという勉強をするチャンスと思った方がいいと思います

加藤綾子キャスター:
いいきっかけだと捉えた方がいいですね

”移動型保険ショップ”も登場

経済部・土門健太郎記者:
そして、今新たに”キッチンカー”で案内する保険ショップという動きも出てきました。

これは2021年4月、東京・北区赤羽の団地に"キッチンカー”が来たときです。住友生命では、業界で初めて”移動型保険ショップ”を展開しました。

平日の午前中に取材に行きましたが、相談に来る人の姿が結構ありました。
やはり、オンライン相談も増えていますが、保険に関しては対面相談を希望する人も多いと言うことで、身近な場所を巡る取り組みを始めたということです。
外での保険相談というのは、非常に換気が良いこともポイントです。

現在は緊急事態宣言を受けて休止していますが、住友生命では時期を見て再開する予定ということです

加藤綾子キャスター:
こういう新たな形も出てきているんですね

経済部・土門健太郎記者:
コロナ禍を受けた取り組みということです。
さらに、ワクチン接種に携わる医療関係者を対象にした保険も4月から登場しました。非常にワクチンの接種が進んでいる中、あいおいニッセイ同和損保が始めた保険です。
これは、契約者は自治体です。コロナに感染した場合、この医療従事者の方々に保険金が支払われるという形です。

終わりが見通せない状況ですが、今後もいろいろな保険が登場しそうです

加藤綾子キャスター:
コロナ保険といっても、たくさんいろいろな種類があるので、ちゃんと確認してみるとはいいかもしれないですね

(「イット!」6月16日放送より)

土門 健太郎
土門 健太郎

フジテレビ報道局経済部 記者