菅政権で初めて、2年ぶりとなる党首討論が行われ、東京オリンピック・パラリンピック開催の是非などをめぐり、論戦が繰り広げられた。

菅首相「10月~11月に希望者全員にワクチン」

午後4時、少し緊張した面持ちで菅首相は自身初となる党首討論に臨んだ。

この記事の画像(7枚)

相対したのは立憲民主党の枝野幸男代表。
緊急事態宣言の早すぎる解除はリバウンドを招くと迫った。

立憲民主党・枝野代表:
第5波は絶対に防がなければなりません。
3月の解除は早すぎたということの反省を明確にしたうえで、厳しい基準を明確にすべきだとは思いますがいかがでしょうか。

菅首相:
専門家の先生方の委員会にて決定をする訳であります。
まさにワクチン接種こそが切り札だというふうに思っております。昨日は100万回を超えてきました。
10月から11月にかけては、必要な国民、希望する方 すべてを終える。そうしたことも実現したいというふうに思います

菅総理は、希望するすべての国民へのワクチン接種を、10月から11月にかけて終える考えを初めて表明した。

57年前の東京五輪「鮮明に記憶」…開催意義を強調

さらに最大の注目ポイント、東京でのオリンピック・パラリンピックの開催についても問われた。

立憲民主党・枝野代表:
最大のリスクは、開催を契機として国内で感染拡大を招くことだと思っています

菅首相:
東京大会は感染対策・水際対策を徹底して、安全なものにしなきゃならないと思います。
57年前の東京オリンピック大会、高校生でしたけれども、いまだに鮮明に記憶しています。例えば「東洋の魔女」といわれたバレーの選手、食いつくようにボールを拾って得点を挙げておりました。そうしたことを、子供たちにもやはり見てほしい。

菅首相は自らの思い出に重ね、大会開催の意義を述べた。

菅首相:
世界が新型コロナという大きな困難に立ち向かい、世界が団結してこれを乗り越えることができた、そうしたこともやはり世界に日本から発信をしたい、そうした思いであります

立憲民主党・枝野代表:
でも今日の総理のお言葉を聞いたのでは、今のようなリスクも含めて本当に命と暮らしを守れるのか。命が失われたら取り返しがつかないんです。そのことについての認識が十分ではないのではないか。
危機を乗り切るために、機能する政府を取り戻すためには、政権を変えるしかないと改めて確信をいたします

菅首相はまた、1週間後に閉じる予定の国会の延長を求められたのに対し、「国会が決めることだ」と慎重な考えを示した。

(「イット!」6月9日放送)