東京五輪・パラリンピックが約60日後に迫る中、IOC(国際オリンピック委員会)調整委員会のコーツ委員長は21日の記者会見で、緊急事態宣言下での五輪開催の是非を問われ、「もちろんイエスだ。5競技のテスト大会が成功裏に行われた」などと発言、波紋が広がっている。

5月23日放送のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」で、ゲスト出演した東京都医師会の尾崎治夫会長は、「5つのテスト大会でうまくいったからといって、オリンピックは30位の会場で同時進行していく」、「国内のボランティアとか、国外からくる9万人とか入れると、20万に近い人が動く。そういう中で、真夏の暑い時期に、本当にうまくいくのか。5つのテスト大会でうまくいったから、絶対できる、という話は、私は別だと思う」と述べ、コーツ氏の発言を批判した。

一方、ゲスト出演した平井卓也デジタル改革担当相は、「まず国民の命と健康を守るのが、政府にとって1番大きい責務です。その中で、オリンピックを開催することは(現段階では)決まっているわけですから、どのような状況下であったとしても、国民の命と健康を守ることができるのであれば、そこを乗り越えて、新しいパンデミック下でのオリンピックの開催というモデルを、日本が初めて作ることになるのではないかと思う」と述べ、感染抑止と五輪開催の両立は可能、との見解を示した。

これに対して、番組のレギュラーコメンテーターの橋下徹氏は、「飲食店とか映画館とかは、パッと簡単に営業を止めて、オリンピックだけは一生懸命、対策を講じながらやっている、ここの不公平感を払拭(ふっしょく)しない限り、国民がなかなかついていかないと思う」、「医療現場も、感染状況とか医療のひっ迫を考えたときに、IOCのメンバーがコロナにかかったとしても、『それは治療しないよ』、『一番優先順位低いよ』と一番劣後にして、絶対診ないよ、位な宣言すれば国民のモヤモヤ感が払拭するのですが、バッハさんとかコーツさんとか、いざという時には特別扱いされて、すぐコロナ対応してもらえるのではないか、と。この公平性も、もっと考えてもらいたいですけどね」と述べ、五輪をめぐり国民に「不公平感」が広がっている、との見方を示した。

また、コーツ氏の“開催発言”に橋下氏は「なんなんですかね、この人はね。日本人の国民性を全くわかっていない」と厳しく批判した。

以下、番組内での発言。

梅津弥英子キャスター:
東京オリンピックをめぐり、21日にこんな発言が。緊急事態宣言下で開催するかを問われたIOC調整委員長コーツ氏が「もちろんイエスだ。5競技のテスト大会が成功裏に行われた」との発言。橋下さんはいかがですか?

橋下徹氏:
全く納得できませんね。(そもそも)民間事業との公平性から、オリンピックだけやってですよ、民間事業の方は全部営業止めるのは納得できませんし、医療状況のひっ迫性を度外視した形でやるっていうのは、僕もこれは納得できませんが、いろんな諸条件を全部整備したうえで、何とかオリンピックをやっていくことは、僕は模索してもらいたいと思う。しかし、もう1つ重要なのは国民感情です。オリンピックは国家、国民挙げての祝典。みんなが気分よくオリンピックやらないと成り立たないと思うのに、コーツさんもバッハさんも、なんなんですかね、この人はね。日本人の国民性を全くわかっていない。

~中略~

尾崎治夫氏:
橋下さんと同じふうに考えています。やはり国民感情としても、緊急事態宣言が出ている中でオリンピックをやると、それも「もうできる」と。5つのテスト大会でうまくいったからといって、オリンピックは30位の会場で同時進行していく。全国のいろいろなところで。国内のボランティアとか、国外からくる方9万人とか入れると、20万に近い人が動くわけですよ。そういう中で、真夏の暑い時期に、本当にうまくいくのか。5つのテスト大会でうまくいったから「絶対できる」という話は、私は別だと思う。もう少しリアルなところで、判断はできるかどうかということを、綿密に、みなさんで考えていただきたいと思う。

平井卓也氏:
まず国民の命と健康を守るのが、政府にとって1番大きい責務です。その中で、オリンピックを開催することは(現段階では)決まっているわけですから、どのような状況下であったとしても、国民の命と健康を守ることができるのであれば、そこを乗り越えて、新しいパンデミック下でのオリンピックの開催というモデルを、日本が初めて作ることになるのではないかと思う。

橋下徹氏:
命というふうに言われましたけど、もう1つは、民間の生活というか、(店舗等の)営業のところですよ。1番モヤモヤしているのは、オリンピックはいろんな実証実験でこれは開くと、強引に進めているのに、かたや映画館や飲食店などは実証実験をやって、「こういうやり方であったら営業を認めてもいい」というところに、政府が全然力が入ってない。飲食店とか映画館とかは、パッと簡単に営業を止めてですね、オリンピックだけは一生懸命、対策を講じながらやっている、ここの不公平感を払拭しない限り、国民がなかなかついていかないと思う。
さらに医療現場も、感染状況とか医療のひっ迫を考えたときに、IOCのメンバーがコロナにかかったとしても、「それは治療しないよ」と「一番優先順位低いよ」と、バッハさんとかコーツさんとか一番劣後にしてね、「絶対診ないよ」位な宣言すれば、国民のモヤモヤ感が払拭するのですが、バッハさんとかコーツさんとか、いざという時には特別扱いされて、すぐコロナ対応してもらえるんじゃないかな、と。なんとかこの公平性も、もっと考えてもらいたいですけどね。

平井卓也氏:
日本国の国民の生命。そして、経済も当然含んで、それが最優先だと思いますよ。われわれはそのために、その国会で仕事をさせていただいている。橋下さんが言うように、新しいチャレンジ、こういう状況の中でも何とか新しいスタイルで実施できるようなものに取り組んでいるかどうかって言われると、いくらばかりの補助金はあるものの、国としてもっと力を入れるべきだと思う。