アート作品などは実際に足を運んで、実物を目にすることで感動できる。しかし、コロナ禍の今なかなか足を運びにくい場所での展覧会などは、バーチャルで体験することも一つの手かもしれない。

現在開催中の「kotoハートフルアート展」は、江東区が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の大会趣旨「スポーツと文化の祭典」を踏まえ、区内在住・在勤・在学の障害のある方が制作した個人・団体のアート作品を展示している。

「kotoハートフルアート展」バーチャル展覧会(C)XANA/NOBORDERZ
「kotoハートフルアート展」バーチャル展覧会(C)XANA/NOBORDERZ
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2020年1月から今年3月にかけて3会場で地域展覧会として約220点を展示してきた本展。5月15日からは東京都現代美術館で行われる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が延長されるため「バーチャル展覧会」を実施することに決めた。

(C)XANA/NOBORDERZ
(C)XANA/NOBORDERZ

仮想(バーチャル)空間内でアート作品を自由に鑑賞できる次世代型VRシステムを導入し、全50作品を自宅にいながら鑑賞することができる。

地域展覧会で入選した作品や地域展覧会来場者が投票した「みんなのいいね!賞」で投票数の多かった作品などを見ることができるという。

自分のペースで鑑賞ができる!

特定のアプリをダウンロードするだけで、好きな時間、好きな場所で展示作品の鑑賞も可能。ユーザーは全33種類から好みのアバター(分身)をチョイスし、仮想空間内を自由に歩き回り、自分のペースで作品の鑑賞ができる。

(C)XANA/NOBORDERZ
(C)XANA/NOBORDERZ

仮想空間の展覧会内では、山崎孝明・江東区長からのあいさつや今回審査を行った先生方からの講評も音声で聞ける。また、アバターがそれぞれの作品の前に立つと、江東区長自らが各作品の解説をしてくれる。

展示作品は、色彩豊かな作品が多く、ダイナミックスな作品もあれば、シンプルな作品もあり、それぞれの個性があふれ出ている。また独特な描き方がされている作品もあり、新たな気づきも得られるだろう。

展覧会の作品は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会をテーマとするものや、日常の気づき、まるでアートのような書道の作品もある。

このバーチャル展覧会では、表示されているカメラマークを押すと、作品の写真を撮ることも可能だ。

「ガッツポーズ」(C)XANA/NOBORDERZ
「ガッツポーズ」(C)XANA/NOBORDERZ

「ガッツポーズ」はシンプルながらも、描かれている人物の口が大きく開き、タイトル通り元気さが伝わってくる作品。

「パラカヌーの女王」モニカ選手(C)XANA/NOBORDERZ
「パラカヌーの女王」モニカ選手(C)XANA/NOBORDERZ

「パラカヌーの女王 モニカ選手」は、躍動感のある作品で、江東区出身でパラカヌーの瀬立モニカ選手の特徴をしっかりと捉えている。「JUDO」は、赤色の背景に一本の線だけで柔道の取り組みを表現したもので、今にも動き出しそうだ。

「JUDO」(C)XANA/NOBORDERZ
「JUDO」(C)XANA/NOBORDERZ

また、「無題」の作品もあり、解説を読み、じっくりと作者が何を思って描いたのか、イメージする時間を存分に持てるのは「バーチャル展覧会」の醍醐味かもしれない。

もちろん、動き回るアバターは作品に近づきすぎても、人に当たったとしても問題ない。現実の展覧会と違い、気に入った作品があればずっとそこにいることができ、見返したい作品があれば、その作品の場所に戻ることもできるのだ。

さらに後半には江東区のオリンピック・パラリンピック会場の解説コーナーもあり、そこでは館内のスタッフに話しかけると、プチ情報を教えてくれる。

(C)XANA/NOBORDERZ
(C)XANA/NOBORDERZ

この「バーチャル展示会」は若い世代をはじめとした幅広い層にもアート作品を見てほしいとの考えで、スマートフォンやPC、タブレット等の身近な機器で体験可能だ。

自粛期間も長引き、自宅にいる時間も増え、何をやろうかと悩んでいる人も多いだろう。そんな時に、「バーチャル展覧会」でお家にいながらもアートに触れてみることで、充実したお家時間を過ごせるかもしれない。

kotoハートフルアート展
5月15日~9月30日まで開催
QRコードから江東区HPにアクセスし、アプリ(無料)をダウンロード
https://www.city.koto.lg.jp/221010/kotoheatfulart.html
(iPhone、mac版は近日公開予定)