“二刀流”というベーブ・ルース以来、約1世紀ぶりの衝撃を与え、日本のみならずアメリカをも魅了しているエンゼルス・大谷翔平。
現地のメジャー中継では、大谷だけを特集したVTRが流れるなど、数多のモンスターたちが在籍するMLBで“特別扱い”を受けるなど、注目度は計り知れない。
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唯一無二のパフォーマンスを披露しながら、今シーズン全32試合に出場。
現地時間5月2日(日本時間3日)ではマリナーズ戦でデッドボールを受け、翌3日レイズ戦の先発登板を回避するも、9号ホームランを繰り出す。5日(日本時間6日)には、伝家の宝刀“スプリット”を武器に、5回を7奪三振と堂々たるピッチングを披露。
6日(日本時間7日)には、リーグトップに並ぶ10号ホームラン。
大谷は先月も登板翌日にホームランを放ち、今シーズン2度目。これは現代野球において、史上初の記録となった。
そんな鉄人ぶりで全試合出場を続ける大谷は「こんなに続けて出たことはもちろんないですけど、思っていたよりもそんなに疲れていない」と話している。
コンディションの見える化でケガを防ぐ
そんな大谷を手助けしている秘密兵器は、大谷が毎日肘に着けている黒いバンドだ。
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その正体は、ウェアラブルデバイス「motus BASEBALL(モータス・ベースボール)」。
投球動作を分析するためのデバイスで、肘のコンディションを見える化。2018年に右肘のトミージョン手術を受けた大谷の右腕をサポートしているものだという。
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実際に宮司愛海アナが装着し、腕を動かしてみても「違和感がない」というこのバンド。使い方は簡単で、センサーをバンドの内側に入れた状態でボールを投げると、アプリ上に瞬時に数値が表示される。
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腕の角度や腕の振りのスピードなども分かる中で、注目するべきポイントはアームストレス。
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1球投げるごとに肘にかかる負荷を数値化したもので、宮司アナが1球投げると、アームストレスが「4」や「5」。
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メジャーリーガーは平均「75」。こうした数字を見てどれくらいの力を入れていいか、その基準を確認できるという。
大谷も練習中に計測し、これらのデータを毎日蓄積して肘の疲労状態を数値化し、オーバーワークになれば警鐘を鳴らしている。ケガを未然に防ぎ、コンディションをキープしているという。
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日本で取り扱うオンサイドワールドの八木一成さんは「感覚値ではなく、客観的なデータをもとに安全にプレーしています。この数値を見ながら、ケガをしないギリギリのラインと、調子を落とさないギリギリのラインでコントロールしながら取り組まれていると思います」と明かす。
今シーズンはこうした数値化されたデータを参考にしながら、練習量を自身でコントロールしているという大谷。
「1日トータルどれくらい動いたかというところを計算しながら、今日は練習量を落とした方がいいとか、そのバランスを1日1日考えるところかと思います」と話している。
大谷をケガから守る黒いバンドは、鉄人・大谷のフル回転を支えていた。