トヨタ、ホンダもEVを発表

19日から始まった「上海モーターショー」。

トヨタ自動車は、SUVタイプの新型EVをお披露目。

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ホンダも中国で開発製造し、2022年春に発売するEVを発表した。

中でも、ひときわ注目を集めていたのが、“中国のテスラ”と言われる「NIO」。

セダンタイプの新型車も注目を集めている。

2014年創業の電気自動車メーカー「NIO」は、“中国のテスラ”とも呼ばれ、アメリカで上場しているが、2020年はゼネラルモーターズの時価総額を一時上回ったことでも話題になった。

一番の売れ筋が、5人乗りのSUV「es6」。

車内には、テスラにも似た大型のタッチ画面が。

ただ、注目ポイントはこうしたスマートなデザインだけではない。

わずか3分でバッテリー交換 

現在、一般的なEVのバッテリーは充電式。ガソリン車と比べての充電時間や航続距離、家庭などへの充電設備の設置が課題とされているが、「NIO」のEVは全て「バッテリー交換式」

通常の充電もできるが、すでに中国国内に200カ所ある専用のバッテリー交換ステーションでは、わずか3分でバッテリー交換が可能だという。

車を持ち上げてバッテリー交換

NIO・辜向利氏:
バッテリーはEVの中でも価格が高い部分なので、レンタル方式で利用のハードルを下げられる。バッテリーは常に理想的な状態であることを保証できる。

さらにユニークな点が、「サブスクサービス」の導入。

バッテリーをレンタルにすれば、車の価格はおよそ120万円安くなり、1万6,000円で月6回までバッテリー交換ができるとしている。

NIO・辜向利氏:
テスラと比べられるのはとても自然なことだが、われわれは自分で“中国のテスラ”とは言いたくない。
われわれの車の販売価格は、(テスラより)平均して250万円高く、市場が違う。ともにEV市場を発展させ、育てていく。

日本は技術開発後の"収益戦略"が大切

三田友梨佳キャスター:
このニュースについて事業戦略に詳しい早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに聞きます。
上海モーターショーの主役はやはりEV・電気自動車でしたね?

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏:
EV開発の大きな課題は、1回の充電で走れる距離をどれだけ伸ばせるか、あるいは、充電時間をどれだけ短く出来るか、バッテリーの技術がポイントになっています。

バッテリー交換方式のサブスクモデルもその答えの一つになっているわけですが、次世代電池の開発というのも大きなカギになると言われています。

ただ、一つ気をつけなくてはならないのは、要素技術の一つである電池の技術開発さえすれば日本の産業の未来はバラ色というわけではない、ということです。

三田キャスター:
技術の優位性がそのままビジネスでの優位性に繋がらないということですか?

長内厚氏:
かつてはそれで成功していた体験はあるのですが、日本で画期的な技術開発が行われても、それで大きなビジネスをしているのは海外の企業というケースが最近多いんです。

新たな価値を作る「価値創造」、そこから収益を得る「価値獲得」。この「価値創造」と「価値獲得」がないとイノベーションは起こせないのですが、日本は価値創造はできても、価値獲得が苦手だという問題があるんです。

三田キャスター:
日本は世界に先駆けて価値創造を行ったのに、価値獲得で海外勢に遅れたケースはどんなものがありますか?

長内厚氏:
例えば今EVで使われているリチウムイオン電池、これを開発したのはノーベル賞を受賞された吉野彰先生、日本の企業エンジニアです。
でも価値獲得をしている、世界でバッテリービジネスをしているのは日本よりも中国の方が大きかったりする。そういうところが問題なんです。

新しい技術を開発するだけではなくて、大切なのは作った後。この技術を使ってどのように収益を上げるのか。そのストーリー、戦略が大切になってきます。

三田キャスター:
その先の事業展開を見据えた価値創造が大切だということですね。

(「Live News α」4月20日放送分)