2発の弾道ミサイル「技術の向上見られる」

3月26日、前日に行われた新型戦術誘導弾の発射実験が成功したと写真付きで報じた、北朝鮮の労働新聞。移動式の発射台から飛ぶミサイルや、成功を喜ぶ兵士たちなどの写真が3枚掲載された。

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岸防衛相:
発射された弾道ミサイルはこれまでに発射されたことのない新型の弾道ミサイルで、1月14日の軍事パレードに登場したものと同系統とみられる。


2021年1月の軍事パレードで公開された移動式発射台に乗った新型ミサイルと形状がよく似ており、同じような模様が入った今回のミサイル。

日本政府はこのミサイルについて、ロシアの短距離ミサイルと特徴が似た「KN-23」の改良型とみており、変則軌道を描くことなどにより探知や迎撃を難しくする技術の向上が見られるとしている。

北朝鮮の東部からミサイルが発射されたのは、3月25日の午前7時4分ごろと午前7時23分ごろ。2発は日本海に向けそれぞれ約450km飛び、日本の排他的経済水域の手前に落下したという。

菅首相:
北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に対して直ちに厳重に抗議しました。断じて許すことはできないというふうに思っています。

金総書記の"立ち合い"姿は見えず…

北朝鮮が弾道ミサイルを発射するのは、2020年3月以来となる約1年ぶり。
しかし、これまで毎回のように弾道ミサイルの発射に立ち会ってきた金総書記の写真は、労働新聞には掲載されていなかった。

実はミサイル発射を伝えたのは労働新聞の2面で、1面には金総書記が経済関連の視察を行う写真が掲載されていた。
金総書記とミサイル報道を切り離すことで、アメリカを過度に刺激しないよう配慮したのではないかとの見方も出ている。

バイデン大統領は25日に行った就任後初の記者会見で北朝鮮に言及し、短距離弾道ミサイルを容認するトランプ前大統領の方針を覆し、発射を問題視する姿勢を打ち出した。

バイデン大統領:
2発のミサイルは国連安保理決議に違反した。もし事態をエスカレートすることを選ぶなら、相応の措置をとる。

日本時間午後11時からは国連安保理で緊急協議が開かれる。

(「イット!」3月26日放送分より)