有名人と話がしたい…そんな夢を実現できそうな新技術を気軽に試せるスマホアプリが登場した。
 

全ての画像出典:ラフ&ピース マザー
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吉本興業や日本電信電話株式会社などが出資した株式会社ラフ&ピース マザーは、実在の人物や架空のキャラクターとの会話のような受け答えを再現する「キャラクタ雑談技術」を活用したiPhone・Androidアプリを20日から提供している。
その名は「携帯人間AIジミー(以下、AIジミー)と言い、タレントのジミー大西さんとの対話をAIで再現し、スマホやタブレットで音声の会話ができるという。

これまでの対話型AIは、一般的に対話のルールを作る方法がよく採られていたが、「キャラクタ雑談技術」では人物やキャラクターとの対話データを用意するだけで、会話にあった応答ができるようになるという。
さらにNTTドコモが提供する「対話型AIサービス」と組み合わせ、音声認識と音声合成を駆使した声による会話を実現している。

AIジミーはこの技術を世界で初めて活用した商用サービスで、2万パターンの質問と回答を学習し、よりジミー大西さんらしい対話を実現。
しかもジミー大西さん本人の音声を分析し、話す内容も声も、より再現性を高めているという。

このAIジミーは、3~12歳の子どもを対象にした遊びや学びがテーマの「ラフ&ピース マザー サービス」で楽しめるコンテンツのひとつになっており、使用するには申込日から30日間無料の会員登録が必要になる。

アプリを起動するとスマホ・タブレットの画面いっぱいに顔が映し出され、会話だけでなくいろんなタッチに対しても反応してくれる。

それにしても、なぜAI化する対象にジミー大西さんが選ばれたのだろうか?ラフ&ピース マザーが公開している動画では、本人もなぜ選ばれたのか疑問に感じているようだった。
また、この技術があれば他のキャラクターのAIも簡単に作ることができるのか?
担当者に聞いてみた。
 

ジミー大西さんならAIの返答がズレていても許せちゃうので

――なぜAI化する人にジミー大西さんを選んだ?

現状の技術を駆使しても、流暢に話す著名人をAI化するにはハードルが高すぎます。
また、どうしても現状のAIでは的外れな返答をしてしまう場面があります。
子供たちをはじめとする幅広いユーザーに、ちょっと返答がズレていても許せちゃうような、面白いキャラクター候補の中からジミー大西さんが選ばれました。子供たちがジミー大西さんを知らなくても、その顔とワードセンスで子供たちにも楽しんでもらえるのではないかと考えました。
さらに、ギャグを多く持っており、2万にも上る対話に付き合っていただける時間があったことも選定の理由です。
 

――例えば、どんな質問にどんな答えをするの?

NTTドコモ社の「キャラクタ雑談技術」により、どんなに的外れな質問に対しても基本的にはすべて返答します。
質問の意図を理解することが困難な際は「は?」などといった疑問形の返答をします。
例えば「好きな食べ物は?」と訊けば、「え〜、トロたく。」といった具合です。
この「え〜」などといった実際のジミー大西さんの話し方の細かい特徴も忠実に再現しています。
 

――「AIジミー」はどんな用途に使われる?

このアプリは子供たちにとって難解でとっつきにくいイメージのAI(人工知能)を、わかりやすく、実体験を通じて学んでもらうことが目的です。映像を見てAIの仕組みやアプリが作られていく様を学び、実際のアプリでその成果を体験できます。

アプリ単独でも、ちょっとした日常会話はもちろん、しりとりやクイズ、計算問題といった対話型ゲームを楽しむことができます。
なお、対象ユーザーは主に3歳から12歳までのお子さまです。
 

AIジミー

他の有名人のキャラクターも作れる?

――開発で苦労した点は?

とにかく大量の対話データを収集することが大変でした。
4か月かけて2万パターンの質疑応答を収集しました。
2020年3月に完成したベータ版は、ジミー大西さんと担当ディレクターのなにげない質疑応答の対話データのみで作られたもので、この時点ではAIジミーとの会話が全くといっていいほど成り立ちませんでした。

その後、ベータ版におけるユーザーとの会話ログを基に、質問頻度が高かった内容に対する返答を大量に追加投入するアップデートを施したところ、返答精度が格段に向上しました。
 

――他の人やキャラクターのAIも作れるの?

作れます。
ただし今回の「AIジミー」ベータ版の経験から、対話にその人らしさを感じること、また多くのユーザーがその人に質問するであろうと想定される上質な対話データを大量に用意する必要があるといえます。
 

AIジミーの計画は、2019年夏頃に立ち上がり、ついに実現に至ったそうだ。
その人らしさを感じられるようなAIにするのはなかなか大変なようだが、あなたなら誰のAIを作ってほしいだろうか。