LINE情報が中国で閲覧可能状態に
多くの人の生活に欠かすことのできないLINEの個人情報が、中国で閲覧できる状態だったことが分かった。

今や私たちの暮らしにすっかり定着した無料通信アプリLINE。
このLINEの個人情報が、中国で見られていたかもしれないという。
20代:
本当に怖い
20代:
常識として、あり得ないと思います
中国人技術者4人が個人情報に最低32回アクセス
一体、何が起きたのか。
LINEはアプリのシステムの管理を、中国・上海の会社に委託している。

その会社の中国人技術者4人が、利用者の名前・電話番号・メールアドレスなどの個人情報を閲覧できる状態だったことが明らかになった。
閲覧できたものの中には、利用者の間でやり取りされたメッセージ、さらに写真までも見られる状態だったという。

4人の中国人技術者は2018年8月から、少なくとも32回にわたり個人情報にアクセスしていたという。

LINEをよく使う若者たちからはこんな声が。
20代利用者:
しょうもないやりとりをすることもあるので恥ずかしい
20代利用者:
中国に(個人情報が)出ちゃったりして、電話番号とか何か変なメッセージ来たりするなら、ちょっと困るな
国内で利用者が8600万人に上り、職場や学校、家庭などさまざまな場面で連絡手段として使われるLINE。
新型コロナウイルスのワクチン接種でも、職員不足などを解決するため全国の自治体向けに予約システムを提供するほか、グルメや旅行、ゲームなどの幅広い企業とも提携している。

閣僚がLINEで重要情報をやり取りすることは?
では首相や閣僚たちは、LINEで大切な連絡をやりとりすることはあるのだろうか。あるとすれば重要な情報が漏えいする危険があるが、
(午前の官房長官記者会見)
--政府が持っている情報を、LINEでやりとりするようなことはあるのでしょうか。
加藤官房長官:
こうしたサービスを使うにあたってのルールがどうなっているのか、ちょっと私 承知しておりませんので。個人的に私は、家の中でLINEを使ってます

個人情報保護法は、外国への個人情報の移転が必要な場合は、利用者の同意を得るよう定めている。

しかしLINEは、ユーザーが登録する際の利用にあたっての規約の中で十分な説明をしていなかった。
LINEは、「不正アクセスや情報漏えいが発生したということはございません。各拠点でのアクセス権限については責任者による承認を経た上で適切な権限付与を行い、厳格に管理を行っております」としている。

インターネットには"落とし穴”が…利用者は自覚を、政府は法整備を
加藤綾子キャスター:
これだけ生活に根付いているもので、個人情報の扱いに不備があるということ自体驚きですし、ちょっと不安ですよね
住田裕子 弁護士:
実を言うと、私はこういうことがあると想定していました。あり得ることだと。
要するにインターネットって便利ですから、法整備ができる前にどんどん広がってしまったんですよね。
そういう意味でいうと、まだ法整備が足りないところや、落とし穴がたくさんあるわけです。ですから、その点については、やっぱり私たちは自覚していなきゃいけない。
そしてインターネット空間に一旦情報を出してしまうと、それは半永久的に残るんですよね。だからそういう意味での覚悟もしておかなくてはいけない。
だからどういう形で使われているのか、どういう形で広がっているのかという、今回のような情報も含めてしっかり、ある意味では最終的に安心できる法制度、プラットフォームをきちっと整備してほしいなと思います

加藤綾子キャスター:
利用者側も利用規約をしっかりと読まなきゃいけないなと思うんですけど、利用規約も長くて難しい
住田裕子 弁護士:
つい読み飛ばしちゃいますけど、どこが問題なのかも皆さんで広く情報共有したいですね
(「イット!」3月17日放送)