脈拍からストレス状態を分析

新型コロナの感染拡大を受け、テレワークを利用する人も増えた現在。

“ステイホーム”で仕事に臨める勤務スタイルは普及しつつあるが、長引く自粛生活に心身のストレスを感じている人も多いかもしれない。

そんなテレワーク時の心的ストレスを“見える化”するサービスを、株式会社NTTPCコミュニケーションズが発表した。

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同社は2017年から、リストバンド型デバイスで利用者の脈拍や位置情報を取得して体調の変化を管理する「みまもりがじゅ丸®」というサービスを展開している。

もともとはフィールドワーカーの熱中症対策を目的に開始したサービスだったものの、今回「オフィスタイプ」として「脈拍の揺らぎ」などから自律神経の状態を推測し、心的ストレスの強さを評価する新メニューが3月から追加されるのだ。

このサービスでは、収集した脈拍データと、過去に計測した個人の平常時の脈拍データを組み合わせることで、心的ストレスの強さを「通常(ストレスがかかっていない)」「軽いストレス状態(少しかかっている)」「ストレス状態(かかっている)3段階で評価する。

自身のデータを見てストレス状況を「セルフチェック」することや、管理者はブラウザの管理画面から、登録者全員の月・週・日別の情報を確認することもできる。

他にも、脈拍から体温を予測変換することで、本人からの申告や計測なしに、社員の発熱状態などの健康状態をオンラインでチェックすることができるという。

密かにため込んでいるかもしれないテレワークでのストレスに気付けるのは良いことだが、一方で、常時脈拍数をチェックされているというのは、どうにも窮屈に感じる人もいるだろう。

詳細をNTTPCコミュニケーションズの担当者にお聞きした。

「いつもとの違いに気付く」ためのサービス

――今回の「心的ストレスを見える化する」機能を開発した背景は?

新型コロナウイルス感染症拡大に伴いリモートワークが急速に拡大しています。これにより、出社する場合と比べて上司と部下とのコミュニケーションが不足するなどさまざまな課題が顕在化し、社員の健康状態への影響が懸念されています。

特にメンタル面への影響が大きく取り沙汰されている中、身体的ストレスの把握へのアプローチとは別に、心的ストレスへのアプローチを行うことで、企業における健康経営の一助となるサービスの提供を検討・実現いたしました。

「みまもりがじゅ丸」としては、これまでも社会問題となっている熱中症対策への解決策の一つとしてご利用いただいておりますが、今後も、このような社会問題に対する解決策の一つとして、ご利用いただけるようなサービス展開を継続していきたいと考えております。


――「脈拍の揺らぎ」とはどんな状態?

例えば、1分あたりの脈拍が60回の場合でも、1秒に1回脈拍を打っているわけではなく、1分の間でも脈拍の間隔は一定しているわけではありません。これを脈拍のゆらぎとしてとらえております。

「心的ストレス見える化機能画面」イメージ

――「心的ストレス見える化機能画面イメージ」には「普通」「高め」などの項目が。これは何を指している?

ストレスのかかり具合を表現しております。3月の提供開始時は、「ストレスがかかっていない」「少しかかっている」「かかっている」の3段階での表現を予定しております。


――常時デバイスをつけていることで「監視されている」ような状態に…このプレッシャーについてはどう考える?

おっしゃる通り、監視されているとお考えになる計測者の方もいらっしゃることは、多分に考えられるかと思っております。この感覚を100%払拭することは難しいとは考えておりますが、機能面においては、下記の考慮をしております。

・本機能においては、リアルタイムでのストレス状態を把握するのではなく、過去の情報を振り返りとして利用いただき、いつもとの違いに気づいていただく機能としてご利用いただくことを想定しております。そのため、常時カメラ等で監視をしているものではなく、いつもとの違いに気づくために活用をしていただくことをご理解いただければと考えております。

・管理者の方が確認できる情報は、計測者の方も自身の情報として確認を行うことができ、一方的に監視されているという感覚を低減するようにしております。


――ストレスを感じている社員へ、どんなケアを想定している?

ひとつは、積極的なコミュニケーションが考えられます。これは、上司の方からのアクションもあるかとは思いますが、計測者の方が自分の状態を客観的に知ることで、計測者の方からのアクションをすることも可能になると考えています。

また、客観的な情報を共通認識として活用することで、より効果的なコミュニケーションのきっかけとして活用いただけるのではないかと考えております。

このサービスは、リアルタイムで「今、誰々がストレスを感じた」という監視をする目的ではなく、日々の心身の健康具合を記録することで「実は最近ストレスを感じているかも…」ということに「気付く」ことに焦点を当てていることがポイントだろう。

「常時オンラインカメラをオンにしておく」というような監視とは異なるのに加え、自分自身のデータもセルフチェックできるという点で、計測者が感じる抵抗感を軽減しているという。


――現在、問い合わせは寄せられている?

多数のお客さまより、お問い合わせをいただいております。


――今後どのようなサービスを展開していく?

今回は、オフィスワーク向けとしてリリースをしておりますが、心的ストレスは、あらゆる業種・業態での課題と考えております。そのため、フィールドワークをはじめとするオフィスワーク以外の適用の可能性について、検討・検証を進め、実現することを考えております。


互いの顔が見えないテレワークの環境で、上司の立場にある人はよりきめ細やかな管理ができ、部下の立場にある人は日々気付かないうちに溜まっているかもしれないストレスをセルフチェックできる新サービス。

今後も続くであろうテレワークの環境で、さらに大切になってくるストレス管理のため、このようなデバイスの導入を検討してみるのはいかがだろうか。
 

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