今年の成人の日は1月11日。しかし、東京など1都3県を対象とした緊急事態宣言の発令もあり、コロナに振り回される成人式となりそうだ。

そんな2021年に成人式を迎える新成人に、結婚相手紹介サービスを提供する株式会社オーネットが「新成人の『恋愛・結婚』に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。

提供:株式会社オーネット
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調査は2020年11月27日〜30日の3日間、2000年4月2日~2001年4月1日に生まれた成人式を迎える618人 (男女各309人)を対象にインターネットを利⽤したクローズ調査で行われた。

この調査の結果、新成人の恋愛・結婚観にもコロナが大きく影響していることがわかったのだ。

コロナで女性の結婚願望に変化

まず、「これまでに交際した経験がありますか?」という質問に対し、男女全体で56.3%と、過去5年で最も低い数値となった。2020年比で、男性はほぼ横ばい、女性は8ポイント低下している。

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「現在交際している異性がいますか?」という質問では、全体は24.8%で、過去5年で最も低い結果に。特に、女性の「交際経験あり」の割合は、2020年比で10ポイント以上も低下した。

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また、交際相手がいると回答した男女153人に、「相手とどうやって知り合ったか」についても質問。

例年と同じく1位は「大学(専門学校、大学院含む)」で34.6%、2位「幼稚園~高校時代までの知り合い」(24.8%)、3位「アルバイト先」(13.1%)で、2020年は3位だった「ネット(SNS)」が4位(11.8%)と順位を下げた。

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一方で、「SNSで知り合った異性との恋愛はあり?」という質問では、全体は2020年の47.4%から47.7%とほぼ横ばいだが、女性は47.6%から48.9%とやや上昇している。

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新成人の結婚観について「あなたは将来結婚したいと思いますか?」という質問には、女性の結婚意思が前年に比べて10ポイント以上も下がる一方、男性の結婚意思はほぼ横ばいで変わらなかった。

なお「結婚したい」は全体で73.8%で、1996年の調査開始以来、最低の結果となった。

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交際相手との出会いのきっかけでネット(SNS)の割合が低下した理由は気になる。この1年は、コロナの感染予防の観点から直接集まる機会が減少し、オンラインで出会えるマッチングアプリやSNSを活用した人が多いようにも思うからだ。

また、なぜ結婚したいと思う女性が減少しているのだろうか。オーネットに調査結果と合わせて、疑問点を聞いた。

コロナによって出会いの機会が著しく減少

ーーなぜ、毎年「新成人の恋愛・結婚に関する意識調査」を実施している?

「結婚相談所」業界のリーディングカンパニーとして、将来的に結婚を考える新成人の恋愛や結婚に対する考えを経年で比較し、傾向を捉えることを目的としているため、毎年調査を行っております。


ーーやはり例年と比べるとコロナの影響は大きい?

 大きいと考えます。恋愛・結婚ともに、経年で比較して、大きく意欲が下がっている最大の要因と考えております。

「コロナ終息後に直接会いたいか」という質問に対して、「直接会いたい」割合が高くなっております。「対面で会う」ことは、恋愛において重視されており、制限される状況が意欲に影響を与えるのは、自然な結果だと考えます。

ーー「交際経験がある人」が過去5年で最も低い数値となった。要因は何?

20歳前後で初めて交際する人が多いものと思われます。その時期に、外出自粛により、出会いの機会が著しく減少したことで、「交際経験なし」の人が増加したことが原因と考えます。


ーー新成人は恋愛に消極的だと考える?

2021年の結果を見る限り、一時的なものと思われますが、恋愛に前向きな人の割合は少なくなったものと思われます。


ーーでは、コロナで「出会いの場」に変化はあった?

大きな変動はございませんが、SNSがやや下がった一因として、外出自粛の中、信頼のおける元々の知り合いとしか会わない人が多かったものと考えます。

アプリ利用数自体は伸びましたが、このような社会情勢で、よく知らない相手と実際に会うことを控えた人が多かったのではないかと推測します。

また、アルバイト先の割合が微増しましたが、新たに出会ったのではなく、元々知っているアルバイト先の仲間と連絡をとる機会が増え、交際に繋がったのではないかと考えます。

ーーSNSでの出会いは減少したが「SNSで知り合った人との恋愛はあり」という結果に。この理由は?

SNSでの出会いの減少→実際の行動
SNSでの出会いはあり→世間一般的に、抵抗感はない

2つの結果は、上記のような違いがあると考えます。
「実際に行動に移すまでのモチベーションはないが、抵抗感はない」という気持ちで、「SNSの出会いはあり」と回答。抵抗感はないものの、「実際に行動するほどのモチベーションはない」人が多いと考えます。

また、アプリの利用数自体は伸びているので、利用はするものの、「対面で会わなかった」人が多いものと考えます。

コロナで恋愛へのモチベーションが低下

ーー全体で「結婚したいと思う」が減少したのは?

調査対象の20歳は、「恋愛→結婚」と考えている人が多いものと考えられます。結婚したい理由1位が「好きな人と一緒にいたい」です。恋愛へのモチベーションが下がっている中、連動して結婚したい人も減少しているものと考えます。

ーー交際経験や結婚願望など、全体的に女性の意識が低下しているけどその理由は?

女性の方がオンラインでの恋愛に対してモチベーションが低いことが、一因と考えられます。また、「恋愛→結婚→子供が欲しい」と考えていることから、女性の恋愛意欲が下がったことで、他の設問も意欲が低下している結果が出たものと思われます。

また私見ですが、20歳前後の若者は、女性の方が「会えないことでモチベーションが下がってしまう」人が多いのではないかと考えます。


ーー新成人の恋愛・結婚観は変化している?

コロナ終息後に対面のコミュニケーションを重視したいか、オンラインを重視したいか」という設問に対して、「両方取り入れたい」が最も多い結果となりました。「オンライン慣れ」したことにより、オンラインツールも活用したコミュニケーションの仕方にシフトしていくのではないかと考えます。

アフターコロナ時代、withコロナでも、オンラインツールを上手く使用することが重要だと考えます。対面とオンラインのバランスを上手くとることが求められると考えます。

ーー今回調査してみてどう思った?

コロナによって、新成人の恋愛・結婚意識が大きく変化していることを感じました。また、「相手の収入が十分であれば、専業主婦(主夫)でもよいか」という設問において、男女の回答差が縮まった結果が印象的でした。

「性別ごとの役割」 の固定観念は弱まり、個人の特性を重視するようにシフトしていくのではないかと考えました。外出が制限される状況が長期化した場合に、恋愛・結婚意欲がどう変化するのか、引き続き調査したいと思います。


新型コロナ感染拡大による外出自粛によって、新たな出会いが減少、また新しい出会いよりも信頼できるもともと知り合いだった人との恋愛に発展する傾向があることがわかった。感染拡大が続いているコロナは、さまざまなことに影響を及ぼしているようだ。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。