次世代の移動手段 電動キックスケーター

3密を避けられる移動手段として2021年大注目の乗り物が電動キックスケーター。

SNSでも「快適チョイ乗りにはとても良い」「楽しすぎる」など、実際に公道を走っている人の投稿を見かけるようになった。

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さらに大阪の近畿大学では、広大なキャンパスの移動手段として学生にも大好評だという。

近畿大学企画室・上原隆明さん:
学内で電動キックスケーターを利用できるような実証実験をやっております

様々な場所で活用され始めている2021年は、“電動キックスケーター元年”になりそう。

ということで、めざましテレビでは、次世代の移動手段として大注目の“電動キックスケーター”を徹底調査した。

取材班が東京のJR田町駅周辺を訪ねると…

ココ調スタッフ:
電動キックスケーターが公道をスイスイ走っています。けっこう速いですね

電動キックスケーターのシェアサービス「movicle」

これは、電動キックスケーターのシェアサービス「movicle(モビクル)」。

事前に登録した専用のアプリを使って、車体のQRコードを読み込むだけで簡単に借りることができる。

Curious Vehicle・牧野勝代表取締役:
駅からちょっと遠いところであったりとか、すごく利便性がありますので密にならないっていうところで、皆さんから声をいただいておりまして利用は増えてくるんではないかと思っています

現在、田町駅周辺などに貸し出し・返却のためのポートを5カ所設置、1月8日には、東京タワーの下にも新しくオープンした。

電動キックスケーターの試乗会

そのオープンを前に1月4日行われたのは、ひと足早く乗り心地を体験してもらおうと行われた試乗会。

ココ調スタッフ:
電動キックスケーター乗ってる方がいらっしゃいますね

実際に体験した人は…

男性A:
楽しいです。すごく。またやりたい

男性B:
バイクとは違う疾走感というか、何か独特の乗り味がおもしろいですね

女性A:
ドカッと座っている感じじゃない分、自分で操っているっていう感じはおもしろい。欲しいですね

公道を走れる電動キックスケーターの条件

電動キックスケーターにはどんな種類があるのか?向かった先は家電量販店。

ココ調スタッフ:
店頭の一番前に電動キックスケーター置いてありますね。

ビックカメラ池袋本店・柏木直樹さん:
こちらは公道を走れないタイプのものになっております

電動キックスケーターには公道を走れるタイプ走れないタイプのものがある。

例えば「minebot KickScooter」5万9800円(税込み)は公道を走ることができないタイプ。ブレーキなどの部品を追加しても「道路運送車両」の保安基準を満たせないからだという。

一方こちら、電動モビリティの専門店にあったのは…

ココ調スタッフ:
これが電動キックスケーターですね。けっこう色んな種類があるみたいですね

eBike代表・曽我雄亮さん:
こちらの2種類が公道走行仕様の車両になっています。月に多いときで50台から100台くらい売るときもあります

紹介してもらった「eBikeR L1」13万2000円(税込み)は公道を走れるタイプの電動キックスケーター。最高速度は25km/h、約3時間の充電で約28km走ることができる。

では、公道を走れるものと走れないものは、いったい何が違うのか?

eBike代表・曽我雄亮さん:
公道を走るには原付免許が必要になります。例えばウインカーですとか、ブレーキランプですとかこういったものをカスタムして、原付と同じ仕様にすることで日本では公道を走ることができます

日本では「原動機付自転車」いわゆる原付扱いになる電動キックスケーター。

そのため、スピードメーターヘッドライト前後ウインカー前後ブレーキバックミラーテールランプナンバー灯警音器後部反射器など原付と同じ保安基準を満たす車体装備が必要となっている。専門店などでは、これらのカスタム装備をすべて行ってくれるところもある。

もちろん、免許証、ナンバープレート、保険への加入なども必要で、走行時はヘルメットをかぶる必要がある。

電動キックスケーターの乗り方を解説

そんな電動キックスケーターの操作は難しいのか?

国と実証実験をすすめる岡井さんによると…

LuuP代表取締役社長CEO・岡井大輝さん:
かなり乗るのは簡単で、皆さん乗っていただいた方の99%以上の方が1分以内に乗れるようになっています。乗り方としては、こちら(ハンドルの右手)がアクセルになっていまして1、2回蹴っていただいた後にアクセルを押すとサーッと電動で進みます

アクセルは、誤作動防止のため、停止した状態では発進しないようになっている。

LuuP代表取締役社長CEO・岡井大輝さん:
もし危なくなっても両方にブレーキ、自転車と同じようなものがついています。地面との位置が近いのですぐ降りることができるのが一つ大きな特徴になっています。

果たして、その乗り心地はどんなものなのだろうか…

ココ調スタッフ:
あ!乗れた!乗れました。何か自転車とはまた違う感覚で楽しいですねコレ

初心者のスタッフも1分ほどあればスムーズに乗れるようになり、カーブも曲がれるようになった。

しかし、公道を走る際は細心の注意が必要だという。

LuuP代表取締役社長CEO・岡井大輝さん:
現状この電動キックスケーターは日本だと原付バイクの扱いになっているので、自転車レーンだったり歩道に入ることは許されてはいないんですね。そうすると車との距離が近いので、ご自身がとても注意して乗って頂く必要があると

電動キックスケーター出勤に密着

実際に去年11月に「電動キックボード」を購入したという男性は…

尾川直史さん:
マンションなので玄関に置けるようなものが欲しいなと思っていて、これだったらちょうどいいかなと思って買ったんですね

通勤用に購入したという電動キックスケーターは、最高速度60km/hまでOKの「原付二種」タイプのもの。

公道を走れるように車体を整備したのはもちろん、信号待ちで座れるようにイスを設置。

さらに、ハンドル部分に水筒などのちょっとした荷物が入る箱も取り付けて、お値段約16万円。

充電も自宅の玄関先で行っている。

そんな尾川さん、実はこの日…

尾川直史さん:
今日、電動キックスケーターで初出勤なんですよね

自宅がある品川区から勤務先の新宿区まで、約12kmを初めて走るというので、同行させてもらうことにした。

すると道中に現れたのが…

ココ調スタッフ:
この坂かなり急勾配ですけど上れるんですかね?

都内でも有名な急勾配の「行人坂」。平均勾配は約11%と、かなりの坂道だ。

ココ調スタッフ:
きました。きました。尾川さんが今乗ってきました。えー!あんなに早く上れるんですか!

急勾配の坂だったが、スイスイと難なくクリア。あっという間に上り切った。

さらに…

ココ調スタッフ:
きました。電動キックスケーターがこの渋谷の街を颯爽と走り抜けています

人通りの多い場所を通過するたびに…

ココ調スタッフ:
あ~見てますね、やっぱり注目を浴びているようです

見慣れない乗り物に振り返る人が続出。

その後も都心を走り抜け、無事に勤務先に到着。

約12kmの距離を走行してもバッテリーはほとんど減っていなかった。

ココ調スタッフ:
乗り心地はどうですか?

尾川直史さん:
快適です。自転車通勤とかされている方であれば、同じような感覚でいけるんじゃないかなと広がってほしいですね

(「めざましテレビ」1月6日放送分より)