わいせつ行為で実刑判決…総長に返り咲き

部下の女性5人へのわいせつ行為で実刑判決を受け、総長を辞めた東京福祉大学の創設者が11月、再び総長の座に戻っていたことが明らかになった。

アメリカ有名私立大学のガウンに身を包む一人の男性。
東京福祉大学の総長・中島恒雄氏(73)。

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当時東京福祉大学関係者の会見:(2008年1月)
中島総長はこのたびお騒がせしたことに責任を感じて、務めている学校関係の役職は退任する意向を示しておられます

中島氏は2008年 警視庁に逮捕され、実刑判決を受けたため総長を辞任していた。

しかし、11月20日付で総長へ復帰していることが、大学のホームページ上で発表された。

女性部下5人にわいせつ行為

東京福祉大学は社会福祉専門の大学で、現在は東京都、群馬県、愛知県に計4カ所のキャンパスがあり、4400人ほどの学生が通う中規模の大学だ。

その大学のトップに立つのが中島氏だが、かつて実刑判決を受けた際に裁判長からは「教育者としてあるまじき犯行」と指摘されている。

中島氏は部下の女性職員5人を「土産物を渡す」などといって相次いで総長室などに呼び出し、無理やり抱きついたり胸を触ったりするなどして、2008年に懲役2年の実刑判決を受けていた。

中島氏の実刑判決に対し、大学側は再発防止を発表。
さらに、大学側は「今後中島氏を運営に関わらせない」と文科省に報告していたそうだ。

「授業にいきなり来るように…」

しかし文科省によると、その後も中嶋氏が大学の運営に関与していたという。
一体どのように関与していたか、東京福祉大学の卒業生から詳しい状況を聞くことができた。

東京福祉大学の卒業生:
去年、おととし、その前ぐらいの年に、授業とかにいきなり来るようになったんですよ。顔を出すみたいな感じで。王子のキャンパスに通っている友達も「今日、中島さん来たよ」って話をして

大学運営に関わらせないと報告されたはずの中島氏。
卒業生によると、2018年ごろから突然授業に顔を出すようになったという。

東京福祉大学の卒業生:
教壇に立っている先生たちの教え方がよくないみたいなのを、学生がまだ教室に残っている時間にやり始めたり。中には、中島さんからそういう話を学生の前でされるのが嫌だったから、授業を早く切り上げて帰る先生もいたり。

文科省は、総長復帰の経緯を学校側に説明を求めているところだという。
FNNでは大学側に取材を申し込んだが、これまでのところ回答はない。

教育現場は”再犯の恐れ”の場に

加藤綾子キャスター:
刑期満了を10年過ぎたからといって、複数の女性への強制わいせつで実刑判決を受けた人が教育現場に戻ってきていいというのは、私は受け入れられないですし、学校の体制・あり方にも問題を感じてしまいます

住田裕子 弁護士:
犯罪者が更生することは大事なんですけれども、あの事件自体がパワハラ・セクハラの最悪の事件ですから、できれば再犯になるような場は絶対許せないわけです。
やはり、こういう権限を用いるところにいるのは望ましくないですし、文科省も問題視していますから、さらに強い処分はやむを得ないと思いますね

(「イット!」12月23日放送)