岡山県内で初めて高梁市が手話言語条例を制定して10周年を迎え、手話やろう文化の魅力を伝えるイベントが行われました。OHK・佐藤理子アナウンサーも司会として参加しました。
〇手話劇で
「こちらにおわすお方は今、松山城で一番偉い、猫城主 さんじゅーろーさまじゃ」
(猫城主・さんじゅーろー役)
「わし見たさに観光客がひっきりなし」
10月、高梁市で開かれた「手話劇祭」。手話やろう文化の魅力を全国に広めるため、手話の普及に取り組む自治体で作る全国手話言語市区長会が年に1回、全国各地で開いている催しです。会場では東京デフリンピックの閉会式で披露された日本舞踊のパフォーマンスやろう者と健聴者のコンビによる手話漫才など7組による多彩なステージが繰り広げられました。
高梁市は、2017年に県内で初めて「手話言語条例」を制定。手話を言語と位置づけ市の職員や消防職員に手話講座を開くなど手話の普及や使いやすい環境の整備を進めていました。中でも力を入れたのが小・中学校への出前講座です。
富家小学校。全校児童は28人で総合学習の時間で地域の手話サークルと連携し、1年生から6年生まで一緒に手話を学習し1年に1回、学習発表会で手話歌を披露しています。
(富家小学校 福田知子校長)
「外国人だったら英語などで伝えるように、手話も一つの言葉ということでその言葉の意味や表し方を大事にしながら表現できるようになってきた。そうすると(ろうの)講師に対してもなんとか伝えたい、講師が言っていることをなんとか分かりたいという気持ちが芽生えてきた」
この日は出前講座でろう者と手話通訳者が小学校を訪れ、手話を使って自己紹介するなどコミュニケーションに挑戦しました。
(児童)
「電話する時はどうしてる?」
(講師:木村智子さん)
「電話はできない。隣の家にお願いする」
(佐藤理子アナウンサー)
「今何年生ですか?」
(児童)
「4年生」
(佐藤理子アナウンサー)
「上手」
富家小学校は高梁市での手話劇祭でもオープニングを飾る大役を任されています。手話が分からなくても身ぶりや表情を使って気持ちを伝えることの大切さを学びました。
(児童は…)
「新しいことが知れて楽しかった」
「手話の練習でたくさん教えてもらえたので覚えていきたい」
「手話で話したり、(手話が分からない時は)口や表情で伝えて話したい」
(講師:木村智子さん)
「子供たちが伝えようという気持ちを持って一生懸命伝えてくれてうれしかった。お互いに伝えようという気持ちが一番大切だと思った」
(全校児童)
「手話でがんばるぞ!」
そして手話劇祭の当日。イベントには約500人が訪れました。
初めて立つ大きな舞台に子供たちの表情には…緊張の色がくっきり。
(児童は…)
「緊張しているけれど練習通り完璧にいこうと思う」
「備中の魅力を頑張って伝えたい」
「手話で頑張って伝えたい」
いざ、本番です。
(児童)
「皆さん、こんにちは」
(観客)
「こんにちは」
(児童)
「備中牛、柔らかくてジューシーです」
「食べてみてください」
初めて高梁市に訪れた人にも魅力が伝わるようにと特産品や観光地を手話で紹介しました。
〇手話歌「あしたははれる」
歌声と手話で会場に元気と感動を届けました。
(観客は…)
「かわいかった。手話をたくさん覚えて、とても感動した。練習も頑張ったんだなと思い、とてもうれしかった」
「手話歌がとても上手で、きれいだった」
大役を終えて、戻ってきた子供たちの表情には、ほっとした安どの色が浮かんでいました。
(児童)
「先生、ちょっとあそこは意外だった。「皆さんこんにちは」って言ったら、皆さんが「こんにちは」と返してくれた」
「伝えるを目標にできてよかった」
「(会場の皆さんを)笑顔にできたり、先生のアドバイスをしっかりできたのがよかった」
「聞こえない人に会った時に知っている手話があったら、使って会話ができたら」
聞こえる人も聞こえない人も会場がひとつとなって手話が持つ豊かな表現力や魅力を共有し高梁市での手話劇祭は幕を閉じました。
(高梁市福祉課 金島康成課長代理)
「手話をする人もしない人もろう文化の魅力、手話の魅力を深く知り、お互いに通じ合える世の中になってほしい」
(手話劇祭実行委員会 高橋和男会長)
「いろんなところに行って手話を広めていきたい。今後は高梁市が手話で一番盛り上がって、もっと手話通訳者が増えたらいいと思う」
手話言語条例の制定から10年たって手話は様々な場面で広がっています。
一方で、たとえ手話が分からなくても「伝えたい」という思いがあればコミュニケーションをとることができる。イベントを通じて聞こえる人も聞こえない人も互いが歩み寄る第一歩は「伝えようという気持ち」だと感じました。
