近年社会問題となっているのが民泊をめぐるトラブル。
いま、問題となっているのが関西のリゾート地・淡路島です。
兵庫県の民泊施設などへの苦情は、今年度は9月末までの半年で30件を超え、そのうち29件が淡路地域に集中しています。
騒音を始め、ゴミ出しのルール違反や違法駐車など、トラブルの内容はさまざまです。
住民が撮影した映像には、夜の庭で大声で会話する宿泊客の姿が残されていました。
【周辺住民】「楽しいのはわかるんですけど、毎日続くとしんどいです」
人気スポットで起こる民泊トラブルを徹底取材しました。
■ 規制強化が進む関西、人気上昇中の淡路島にもトラブルの影
関西各地では、民泊をめぐるトラブルが相次いでいます。
京都市は来年、住宅地などでの民泊の新規営業を事実上禁止する方針です。大阪市も、特区民泊の新規受付をことし5月に停止しました。
各地で規制が強まるなか、人気上昇中のリゾート地・淡路島にもトラブルの影が見え始めています。
兵庫県の民泊施設などへの苦情は、今年度は9月末までの半年で30件を超え、そのうち29件が淡路地域に集中しています。
■ 好調な宿泊需要、ホテルの建設も相次ぐ
淡路島では2025年度、宿泊者数がコロナ禍前を超え、年間125万人を突破しました。
創業65年の歴史があるホテルでも、人気の高まりを実感しています。
【淡路島観光ホテル 上村早苗女将】「コロナ禍以降の(客足の)回復が、淡路島は関西圏でも一番早かったと言われている。(客室の稼働率が)10%ぐらい上がっている状況です」
訪れる客層にも特徴があります。
【淡路島観光ホテル 上村早苗女将】「淡路島はインバウンドが2~3%と少ない。日本の方ばかり。海外の方までお越しになると、もっとたくさんの方にお越しいただけるエリア」
宿泊が好調なことから、島内ではホテルの建設が相次いでいます。別の老舗ホテルは、1泊30万円程度の富裕層をターゲットにしたホテルや、宿泊料に食事代なども含む「オールインクルーシブ」のホテルを、来年以降に開業する予定です。
■ 兵庫県内の簡易宿所の半分以上が淡路島に
大型の宿泊施設が増える一方、洲本市内の住宅地では、家1軒を丸ごと民泊として貸し出す施設が複数見られました。
リーズナブルに利用できる宿泊施設の需要も高まり、現在、兵庫県内の民泊などの簡易宿所の半分以上が淡路島にあります。
騒音トラブルが相次いでいるのは、洲本市内の閑静な住宅街にある民泊施設です。
周囲には、洲本市による騒音を注意する看板が設置されています。
【周辺住民】「深夜まで(声が)聞こえることがあり、夜中は寝れないですね。非常に困っている」
住民が撮影した映像では、夜になっているにもかかわらず、数人のグループが家のすぐ横で大きな声で会話していました。
【周辺住民】「笑い声とか、男の子と女の子が来たときは、だいぶお酒が入っているとうるさいですね」
別の日には、利用客がバーベキューを楽しみながら踊り、夜にはコンロから白い煙が立ち上がる様子も確認されました。
■ 深夜の話し声、昼から始まるバーベキュー、住民の生活に深刻な影響
【周辺住民】「まともに洗濯物を外に干せない。いつ(バーベキューが)始まるか分からないので、普通に生活ができない。本当にストレス」
騒ぐのは大学生くらいの若いグループが多いそうですが、時には家族連れも訪れます。
声を出しながら手持ち花火を楽しむ子どもたちの姿や、家にかなり近い場所で花火をする様子も映っていました。さらに、人がいないにもかかわらずコンロに火がついたままという、非常に危険な場面もありました。
【近所に住む人】「ボール遊びで、平気で人の敷地に飛び越えて入ってくる。そういうのはちょっとあまりにも常識なさすぎるかなとは思う」
■ 通報しても改善されず 注意喚起の看板が破壊される
耐えかねた住民は警察に通報し、民泊を運営する事業者にも連絡しました。しかし、その対応は信じられないものだったといいます。
【近所に住む人】「すんなりとは聞いてもらえないってのが現状。最終的には電話を切られてしまったりする。(注意を呼び掛ける)看板を設置させてもらってたんですけど、事業者の方が来て看板を倒して、さらにのこぎりで切り刻むというようなことをして帰った」
事業者はトラブルを認識しているのでしょうか。利用者が騒ぐ動画について尋ねると、次のように答えました。
【住民がトラブルを訴える民泊の事業者】「動画を見ていないので答えようがない」
住民からの訴えに対応していないことについては、こう述べています。
【住民がトラブルを訴える民泊の事業者】「そういったことはございませんよ。事実であれば事実に基づいて適正に対応します」
しかし、別の民泊施設で騒音を注意した住民に対して「営業妨害やからやめろ。訴えるぞ」と言い放ったということです。
■ 兵庫県が条例改正へ 洲本市はさらなる強化を要望
こうした民泊トラブルの増加を受け、兵庫県も規制強化に乗り出します。これまで住民トラブルへの対策が義務づけられていなかった旅館業法の民泊について、条例改正に動いています。
【兵庫県・斎藤元彦知事】「民泊サービスについて、周辺住民への事前説明や、営業者等の連絡先を記載した標識の設置を義務づける」
そのうえで、違反した業者には改善勧告や命令もできるようにし、従わない業者は事業者名も公表する方針です。
しかし、洲本市の担当者は、さらなる強化を求めています。
【洲本市・市民生活部生活環境課 國芳俊宏課長】「現状では改正案は、事業者名の公表だけにとどまっている。悪質なところについては、営業停止や許可の取り消し、そこまでぜひ取り組んでほしい」
■ 専門家は「地域との交流」に解決の可能性を指摘
どうすれば、淡路島の民泊トラブルを減らせるのでしょうか。専門家は、淡路島特有の理由から、解決の可能性はあると話します。
【大阪観光大学 小野田金司特任教授】「“民泊=インバウンド”というイメージだが、逆に淡路島は日本人が多く、民泊に泊まって、地域の居酒屋で食事してもらうとか、地域との交流を入れてお互い分かりあえると、そんなに解決は難しくない」
ルールづくりと、地域との共存。住民も利用者も、気持ちよく過ごせる観光地にするために、早急な対応が求められます。
(関西テレビ「newsランナー」2026年11月5日放送)
