アメリカでは、トランプ政権への審判となる中間選挙の投票が始まりました。
最新情報を首都ワシントンから、フジテレビ・FNNワシントン支局・阿部桃子記者がお伝えします。
東海岸の各州から順次、投票所が開いていて、現在40を超える州で投票が行われています。
トランプ大統領は支持者に、自分が投票用紙に載っているつもりで、共和党の候補者に投票するよう呼びかけてきました。
物価高など、暮らしへの不満が票にどう表れるかが焦点です。
地元メディアなどによる世論調査によりますと、下院では、民主党が多数派を奪還するとの見方が強まっています。
一方、上院も多数派を失いかねないとの危機感が共和党内には広がっていて、共和党が議会の主導権を守れるか、正念場を迎えています。
ただ、過去には共和党が世論調査を上回った例もあり、予断を許しません。
投票の締め切りは早い州では日本時間の4日午前8時ごろから始まりますが、大半の票が通常、締め切りから1時間ほどで集計されます。
一方、激戦州のミシガン州やメーン州では、集計に時間がかかる見通しです。
序盤の数字だけでは全体像は見通せず、結果が判明するまで時間がかかりそうです。
ここからはフジテレビ・松山俊行解説委員長に聞きます。
――トランプ大統領率いる共和党の苦戦が伝えられていますが、上下両院それぞれどのような情勢でしょうか。
フジテレビ・松山解説委員長:
全議席が改選となる下院ですが、そちらの方は民主党が優位で過半数を取る可能性が高いとみられています。一方、焦点の上院ですが、35の州で改選となっています。伝統的に共和党が強い州が多いですが、そこで共和党が苦戦している状況です。特に9つの州で接戦となっていまして、そのうち4つを民主党が共和党から奪えば過半数となる見通しですが、世論調査などを見ると、各州で民主党候補がやや優位な展開となっている状況です。民主党が勝利すれば、94年ぶりといわれているカンザス州でも激戦州となっている状況です。
――ここまで共和党が苦戦している理由は何でしょうか。
フジテレビ・松山解説委員長:
アメリカ第一主義、いわゆる“MAGA派”といわれるトランプ大統領の岩盤支持層が、徐々に離れつつあるということが背景にあります。トランプ大統領は新たな戦争はしないと言っていましたが、それなのにイランで戦争を始めた。それに伴うエネルギーの価格の高騰ですとか、物価高などに対応できていないのではないかという批判が強まっています。そのため共和党では選挙戦で、トランプ大統領が不人気なので前面に出さないほうがいいのではないかという意見も出る中、戦略面で党内で分裂している状況です。
一方で民主党の方は、オバマ元大統領が応援に入って“チェンジ”、“トランプ大統領の政治からのチェンジだ”と呼びかけているという状況も見られます。
――仮に両院で民主党が過半数を獲得した場合、トランプ政権の政策に変化はでますか。
フジテレビ・松山解説委員長:
議会で政府や共和党の法案が通らなくなるということになりますので、トランプ大統領や周辺はこれまで汚職があったのではないかという疑惑がありますので、その辺りにメスが入る可能性があり、この対応にトランプ大統領が追われてくる状況も考えられます。そうした中でトランプ大統領が、議会を通さないでいい外交や安全保障に特化してレガシーづくりに突き進んでいくという可能性も高まってくると思われます。
――外交・安全保障政策となると、日本への影響も少なくないですよね。
フジテレビ・松山解説委員長:
トランプ大統領がたびたび言及してきた、例えばキューバに対する攻撃を突然仕掛けたりとか、あるいはロシアに急接近してウクライナへの支援をやめてしまったりとか。日本にとって影響が大きいという点では、北朝鮮とのディール、直接会談で核の保有を認めてしまったり、国交正常化をしたりする可能性としてはでてきます。台湾問題を棚上げにした形で、中国と経済的なディールを行ったりということも想定としては考えられます。
――日本にとってはなかなか歓迎しがたい話ですよね。
フジテレビ・松山解説委員長:
悪い話ではなく、民主党が議会を握るということになると、関税については、トランプ関税を修正するという動きが、今後出てくる可能性が高いとみられています。
また、イラン戦争の追加の戦費が議会を通らなくなりますので、どこかでこれを終結しなければいけなくなるという状況が生まれてくる。そうなってくると、ホルムズ海峡が開放されるということになれば、原油の価格が安くなりますので、それは日本にとってもメリットになる可能性があります。
日本時間の4日午後にも大勢が判明する見通しです。
