「地球上最悪の侵略的植物」!こう表現される水草が外来種のナガエツルノゲイトウ。
想像を絶する繁殖力によって日本でも分布を広げ、農業被害をはじめ洪水など災害リスクも懸念されています。
山陰でも今、じわじわと広がりを見せていて、関係者は対策に追われています。
その実態を取材しました。
「ゾンビみたいな植物」、「世界最悪の植物」、「史上最悪の侵略的植物」。
全国の水辺で深刻な被害をもたらす植物が「ナガエツルノゲイトウ」です。
福村翔平記者:
島根にも蔓延っています。
その脅威はすぐそこにまで迫っています。
出雲市平田町。
こちらの川で行われていたのは…水草の除去作業です。
この水草こそが「地球上最悪の侵略的植物」と呼ばれるナガエツルノゲイトウです。
恐ろしい呼び名の由来は、爆発的な繁殖力。
水生植物の専門家・辻井要介さん:
根っこが少しでも残っているとそこから再生します。
一度根付いて定着したら根絶は難しい。
南米原産の多年草で、環境省によると、国内では1989年に兵庫県で初確認されて以降みるみる分布を広げ、今では30府県に生息しています。
島根県内では2019年に出雲市内で定着しているのが見つかりました。
分布の広がりとともに各地で問題を引き起こしています。
千葉県では9月の台風25号による記録的な大雨で、印旛沼の堤防が決壊したことで、大量のナガエツルノゲイトウが沼から流出し、周辺の水田や河川へと拡散し始めました。
決壊場所からおよそ650メートル離れた田んぼは、一面に水草が広がる異様な光景に…。
農家の男性:
「田植えをした時に、こっちもだんだん育ってくるので、せっかくの栄養が雑草に取られてしまう」
「(農機を)入れたとしてもうまく刈れなくて、結局収量も減ってしまうと思います」
島根県内ではまだ農業被害は確認されていませんが、生息地は、ここ平田地域の複数の河川に加え、宍道湖西岸にまで拡大しているといいます。
農業被害のほかにも生態系への影響や、川の流れを止めることで洪水などの災害を引き起こす要因にもなりかねません。
そこで宍道湖周辺の環境保護に取り組むホシザキグリーン財団が、5月から独自に除去作業を始めました。
取り除くのはすべて手作業。
単純に刈り取るだけでは意味がないといいます。
水生植物の専門家・辻井要介さん:
茎の切れ端で節が残っていれば、そこから根が出ます。
浮いている状態でも根が出るので、流れ着いて土に根付くのが簡単にできてしまう。
最後はどんな小さな断片も残さないよう、放水をして川底深くに張る根を取り除きました。
この日は、半日で100メートルほどの範囲を駆除しましたが、さらに下流へ行くと…。
水生植物の専門家・辻井要介さん:
このあたりはこんなに生えてなかったですけど、今年で一気に広がりました。
半島状に張り出した部分はすべてナガエツルノゲイトウ。
暑さに強いこともあり、この夏の猛暑で生息域を一気に拡大、駆除してもまた生える「いたちごっこ」が続いています。
ホシザキグリーン財団・三浦 憲久さん:
被害が出てから駆除を進めると莫大のコストが掛かってしまうので、規模が小さいうちに対処できるうちにしておきたい。
特定外来生物のナガエツルノゲイトウは、生きたまま運ぶことが禁止されていて、乾燥させてから焼却処分する必要があります。
深刻な被害を引き起こす前に抜本的な対策が必要になっています。
