「イット!」の取材班が訪れたのは大分県内の海岸。
そこに広がっていたのは、まさしく異様な光景でした。
海岸には見渡す限り松林が広がっていますが、よく見てみると枯れて変色してしまっている松があります。
海岸沿いで起きた“異変”。
なぜこのような状況に陥っているのでしょうか。
大分・国東市の黒津崎。
美しい海岸線と雄大な松林が織りなす景色が、古くから親しまれてきた景勝地です。
しかし今、美しい“緑の景色”が失われようとしていました。
異様な光景を目にした観光客は「茶色」「緑の方がええわな」「緑の方がいい、勝手に紅葉してるのではないか、あっち」とポツリ。
松は本来、1年を通して鮮やかな緑の葉を保つ「常緑樹」。
にもかかわらず、この地域の松は、まるで“紅葉”したかのように真っ赤に染まっていました。
国東市 農林水産課・川井翼さん:
奥に見えるところが茶色になり枯れてしまっている松。白っぽくなっているのは、枯れすぎて死んでしまっています。完全に切り倒すしかない。
いわゆる「松枯れ」に見舞われたこれらの木々は倒木の危険があるため、市は多くの松を伐採せざるを得ない状況に追い込まれています。
静岡からの観光客:
結構赤くなっていて、向こう側も結構すごくて。これ全部切るしかないのかなと。
この地域では枯れてしまう松が年々増え、市は2025年、ついに3300本以上もの松を伐採。
さらに2026年は既に1900本以上が伐採されていて、2025年を上回るペースとなっています。
その結果、以前は松林が広がっていたとみられる場所が今は切り株だらけになっていました。
市の担当者の話では、これほど多くの松が枯れてしまったのは初めてだということです。
一体なぜ、これほど広範囲にわたって松は枯れ果ててしまったのでしょうか。
最大の原因は虫です。
松の木がある種類のカミキリムシにかまれると、そのかみ跡から小さな害虫が入り込み木の中で増殖。
その結果、地面から水分を吸収できなくなり、枯れてしまうのだといいます。
一方で松林の大量伐採は、潮風や砂、塩害などから地域を守る「保安林」としての機能低下につながる恐れもあります。
近隣住民:
風がもろに、防風林もなくて。この下の水田全部、塩が入ったら枯れるもんね。
本来の絶景を取り戻せる日は来るのでしょうか。
