「小学1年生の壁」

保育園に通っていたときよりも、仕事や子育ての両立が難しくなるなど、さまざまな問題を突きつけられることを指す言葉。

日本の放課後を安全で豊かにするために

小学生の子どもを持つ共働き家庭は、「学童保育」に頼らざるを得ないが、多くの学童は狭いスペースに子どもたちがギュウギュウ詰めで、職員の数も足りず、“ほったらかし”の状態。

その結果、子どもは「つまらない」と学童に行かなくなり、親が仕事を辞めなくてはならなくなるのだ。

こうした状況を受け、「放課後NPOアフタースクール」の事務局長・島村友紀さんたちは立ち上がった。

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児童連れ去り事件などの多くは放課後に起きていることも踏まえ、企業・行政と連携して次世代育成に取り組んでいる。

「放課後を安全で、豊かな時間にしよう」と、島村さんたちは小学校と協力して、多彩なプログラムを提供する学童を関東で20カ所運営している。

そのうちの一つ、東京都台東区立忍岡小学校では、放課後、校内の施設を自由に使い、百人一首など様々なプログラムを開催。教えているのは“市民先生”と呼ばれる地域の人たち。

小学1年生から6年生まで、親の就労にかかわらず、すべての子どもたちが利用でき、夏休みの長期休暇なども夕方5時まで開いている。

公立校の場合、アフタースクールの運営は自治体から委託されるので、保護者が支払う利用料も、自治体が定める他の学童の料金体系と同じ。世帯収入に応じて月額数千円程度で、忍岡小は無料。私立は全額保護者負担のため月額数万円の支払いとなる。

この学童を利用する保護者は「“小学1年生の壁”にぶち当たって、会社を辞めるかの瀬戸際でどうしようかと思っているときに、アフタースクールが今年から始まったと聞いて、大変助かっています」と明かした。

島村さんは「子どもたちが思いっきり遊べる放課後を作りたいと思っていて、それを地域の大人が支える社会を作っていきたいと思います」と話した。

子どもの豊かな育ちの為だけでなく、安心して子どもを預けられる場所があれば、親も心置きなく働くことができる。より多くの学校に「アフタースクール」の制度を導入したいと、島村さんたちは学校や自治体に協力を呼びかけ続けている。

放課後NPO「アフタースクール」
https://npoafterschool.org/

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SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
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