朝晩が少しずつ涼しくなり、秋の深まりを感じる季節になった。鹿児島県日置市では今、特産の「月日貝」が最盛期を迎えている。ホタテに勝るとも言われる弾力と甘さを、砂浜の景色とともに味わえる店もある。県内の秋の味覚を紹介する。
出荷作業に追われる江口漁港
午前8時すぎの日置市・江口漁港では、漁協の職員たちが出荷作業に追われていた。いま最盛期を迎えているのが、まん丸とした形の紅白の二枚貝「月日貝」である。貝殻の色を月と太陽に見立てたことが、その名の由来だ。
この時期は、日置市沖で底引き網漁により採られたものが水揚げされている。身も丸々と詰まっているという。
2026年から禁漁期間を見直し、通年で味わえるように
月日貝(ツキヒガイ)は、2026年からこれまで夏場に設けていた禁漁期間が見直された。年間を通して味わえるようになったのである。
それでも、産卵前に身が大きくなる今の時期が旬であることに変わりはない。漁師たちもその味に自信をのぞかせる。
漁師は「秋は貝柱も大きくなって、卵なんかもちょっとした風味があっておいしい。例年と変わらず、秋の味覚としておいしく食べてほしい」と話す。
別の漁師は「水温の高低で身の入りが変わるが、今のところ貝柱も大きくて良さそう。天ぷらにするのが好き」と、今年の出来に手応えを語った。

砂浜を眺めながら自分で焼く「ツキヒテラス」
旬の月日貝を砂浜の景色とともに味わえるのが、漁港近くにある「ツキヒテラス」だ。営業は日曜限定で、月日貝を自分で焼いて楽しめるのが醍醐味となっている。

ホタテに勝るとも言われるプリプリの弾力と甘さに、思わず客からも笑顔がこぼれる。
来店客からは「潮の香りが味に乗っておいしい。あっさりして」「他の貝よりもとても甘くプリプリして身も上品でおいしい」といった声が聞かれた。

ツキヒテラスの伊牟田孝弘さんは「生きた状態のものをすぐ焼いて一番おいしい状態で食べられる。秋は浜焼きの絶好のタイミングだと思う。ぜひ良い景色を見ながら食べてほしい」と来店を呼びかけている。
11月1日には「月日祭」を開催
江口浜では11月1日、地元の漁師らが月日貝の魅力などをPRする「月日祭」が開催される。当日は、月日貝を使ったメニューも販売される予定だ。
通年で味わえるようになった月日貝だが、旬は今である。秋の深まりとともに、日置市の海の恵みを味わってみてはいかがだろうか。

