今年の台風の発生数は30個に達しました。これほど多く発生するのは2013年以来、13年ぶりです。大型で猛烈な勢力の台風30号は、週明けに西日本へかなり近づく見込みです。その背景には「モンスーンジャイア」という大きな渦と、過去最大の強さのエルニーニョがあります。台風が増えた理由と今後の見通しを村田光広気象予報士が解説します。
台風30号は週明けに西日本へ接近の見込み
台風30号は大型で猛烈な勢力のままフィリピンの東の海上を西寄りに進んでいます。予報図によると、中心気圧は900hPa、最大風速は60m/s、最大瞬間風速は85m/s、速度は西北西へ25km/hです。
週末に東シナ海へ進んだ後は、進路を東寄りに変える見込みで、週明け26日には西日本にかなり近づき、温帯低気圧に変わると予想されています。
ここで注意したいのは、温帯低気圧に変わっても安心はできないという点です。前線を伴うため、大雨になりやすい状況が続くとみられています。
台風多発の理由は「モンスーンジャイア」
台風が多発する大きな理由の一つが「モンスーンジャイア」という台風発生のもとになる大きな渦です。
フィリピンの南の海上では、モンスーンと呼ばれる南西風の季節風が吹いています。これは毎年見られるものですが、今年は特に強くなっています。この風が、太平洋高気圧の縁を吹く東風と激しくぶつかり合い、南の海上に大きな渦が生まれているのです。
今年はこの渦の勢力が強いうえ、夏から秋にかけて長く停滞していることが台風の増加につながっています。
台風が多かった13年前の2013年にも、モンスーンジャイアは長く居座りました。同年9月には台風18号が日本の南の海上を北上し、台風周辺の活発な雨雲が県内に流れ込み、運用開始後、全国で初めて県内に大雨特別警報が発表されました。嶺南地方を中心に記録的な大雨となり、甚大な被害が出ました。
海面水温が4度高い、過去最大のエルニーニョ
もう一つの要因が、過去最大の強さとなっているエルニーニョです。南米ペルー沖の海面水温が基準値より4度高くなっており、観測上、過去最大の強さだといえます。
海面水温の高い領域は太平洋の広い範囲に及んでいます。海からのエネルギーがさらに底上げされたことが、13年ぶりとなる30個というハイペースの発生につながったといえます。
今後の見通しとしては、モンスーンジャイアの勢力は弱まりつつあります。しかし、海面水温の高い状態はこの後も続くため、台風が2つ、3つ発生する可能性があります。
過去には11月に台風が上陸した例もあります。台風シーズンはまだまだ続くということです。
台風30号の接近を前に、最新の情報をこまめに確認してください。とくに週明けは、温帯低気圧に変わった後も大雨への警戒が必要です。
