眞子さまの結婚について言及

秋篠宮さまは11月20日、30日に55歳になるのを前に記者会見に臨まれました。

会見に臨まれる秋篠宮さま
会見に臨まれる秋篠宮さま
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立皇嗣の礼を終えての感想、新型コロナウイルス感染拡大の中での皇室の役割や活動のありかたなど、事前に記者から出された質問の中で、11月13日に長女の眞子さまが公表された結婚へのお気持ちについて言及されました。

眞子さまが13日に公表された文書には前段で「両親の理解を得たうえで、改めて私たちの気持ちをお伝えいたしたく思います」と記されていました。この「両親の理解」について宮内庁は「お2人のお気持ちを尊重された」と説明しました。

20日の記者会見で「お気持ちの尊重」という言葉の意味を問われた秋篠宮さまは、「それは結婚することを認めるということです」と明言されます。

さらに「憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります」とも述べられています。実は、秋篠宮さまはこれまで一貫してお2人の「結婚」を認められていたと思われるのです。

眞子さまと小室さんの婚約内定会見
眞子さまと小室さんの婚約内定会見

眞子さまは小室圭さんと出会ったのは、平成24(2012)年6月、交換留学生の意見交換会で、翌年には、眞子さまはプロポーズを受けられたと、平成29(2017)年の婚約内定会見で述べられています。

その後、小室さんの母親に金銭トラブルがあると女性週刊誌などが報じ、翌30(2018)年、結婚に関する一連の儀式は、御退位・御即位の一連の行事が終わるまで延期することが発表されました。

2019年は「退位礼正殿の儀」、「即位礼正殿の儀」「大嘗祭」などが行われ、そして、2020年11月8日、一連の儀式の最後として「立皇嗣の礼」が行われました。この間、秋篠宮家の皆さまは、誕生日の記者会見など機会あるごとに気持ちを述べられてきました。

2018年11月記者会見で「結婚したい気持ちがあればそれ相応の対応をするべき」と述べられる秋篠宮さま
2018年11月記者会見で「結婚したい気持ちがあればそれ相応の対応をするべき」と述べられる秋篠宮さま

平成30(2018)年11月、秋篠宮さまは記者会見で、「今でもその二人が結婚したいという気持ちがあるのであれば、やはりそれ相応の対応をするべきだと思います」と小室家の金銭トラブルの解決をもとめられました。

さらに「やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」とも述べられました。

この年の夏、秋篠宮さまのお誕生日より前にアメリカのフォーダム大学に留学した小室圭さんは、「それ相応の対応」という意味もあったと思います。平成31(2019)年1月説明文を発表しました。

この中では、金銭トラブルに関し「解決済みの事柄と理解してまいりました」「今後は元婚約者の方からご理解を得ることができるよう努めたいと考えております」としています。

こうした中、姉を応援するかのように妹の佳子さまが、気持ちを示されます。

平成31(2019)年3月次女の佳子さまは国際基督教大学ご卒業の際、眞子さまのご結婚について文書で次のように綴られています。

「姉が結婚に関する儀式を延期していることについてですが、私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」

2019年3月ICUご卒業の際「姉の希望が叶う形になってほしい」と綴られた佳子さま
2019年3月ICUご卒業の際「姉の希望が叶う形になってほしい」と綴られた佳子さま

ご夫妻の想い

一方、ご夫妻はどのような思いを持たれていたのでしょう。

同じ年の令和元(2019)年9月、紀子さまはお誕生に際しての文書回答では、「延期のことも含め、現在、長女は、さまざまな思いを抱えていると思います。このような状況で、長女の気持ちを推測するなどして現状や今後についてお伝えすることは、控えたいと思います」と状況は変わらず、ご両親、眞子さまもお気持ちに変化がないことを暗に示されています。

紀子さまお誕生日会見に公開された映像より
紀子さまお誕生日会見に公開された映像より

この年の誕生日に際する記者会見で秋篠宮さまは、「この次の2月で2年たつわけですね。やはりその、昨年(2018年)の2月に今の気持ちというのを発表しているわけですので、何らかのことは発表する必要があると私は思っております。それから長女との話し合いですね。それについては、結婚のことについては話をする機会はありません。最近ですと、この即位礼の一連の行事についての事柄については話をいたしました。また、小室家とは連絡は私は取っておりません」そして、「以上です」とこの質問に対する答えを締めくくられています。

この年まで、眞子さまと小室さんに対して、何らかの行動を求められていたのですが、令和2(2020)年のご夫妻のお答えには少々変化が見られます。

令和2(2020)年9月の紀子さまの誕生日に際しての文書回答では「長女の結婚については、対話を重ねながら、親として娘の気持ちを受け止め、一緒に考えていくことが大切だと考えています。その中では、共感したり意見が違ったりすることもありますが、お互いに必要だと思うことを伝え合いつつ、長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」と、行動を求めることはなく、「理解」の気持ちを示されたのです。

眞子さまのお気持ち表明

2020年10月眞子さま29歳お誕生日に
2020年10月眞子さま29歳お誕生日に

眞子さまは、秋篠宮さまが令和元(2019)年に「何らかのことは発表する必要がある」と述べられたことに対し、眞子さまが対応されます。

「11月8日に立皇嗣の礼が終わった今、両親の理解を得たうえで、改めて私たちの気持ちをお伝えいたしたく思います」とした上で、「私たち2人がこの結婚に関してどのように考えているのかが伝わらない状況が長く続き、心配されている方々もいらっしゃると思います。また、様々な理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しております。しかし、私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」

立皇嗣の礼は、当初4月19日に予定されており、眞子さまは、直後にお気持ちを示せるように文書を用意されていた節はあります。

しかし、立皇嗣の礼が11月8日に延期されたことにより、この文書は11月13日、秋篠宮家の事務方トップ、皇嗣職大夫の定例記者会見で発表されました。その中で、皇嗣職大夫は「両親の理解」とは「お2人のお気持ちを尊重された」ことと説明していました。

注目の秋篠宮さまお誕生日会見で

こうした中、注目を集めた秋篠宮さまの記者会見。

秋篠宮さまは眞子さまの文書にあった「両親の理解」について問われると次のように答えられたのです。「それは結婚することを認めるということです。これは憲法にも結婚は両性の合意のみに基づいてというのがあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだというふうに考えています」

2020年11月お誕生日会見にて
2020年11月お誕生日会見にて

その一方で、「多くの人が納得し喜んでくれる状況」については、「あくまで私の主観になりますけれども、感じとしては決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではないというふうに思っています。で、そのことは娘も恐らく同じ気持ちを持っていると考えております」と率直に述べられています。

また、関連して記者から問われると、「私は、特に結婚と婚約は違いますから、結婚については本当にしっかりした確固たる意志があれば、それを尊重するべきだと私は思います。これはやはり両性の合意のみに基づくということがある以上、そうでないというふうには私はやはりできないです」

秋篠宮さまのお考えが良く伝わってきた会見でした。

私が感じるのは、秋篠宮さまのお考えは、今回「結婚を認める」と述べた記者会見を含め、これまで一貫しておられたと思います。平成30(2018)年のお誕生日の記者会見でも、秋篠宮さまは「婚約に当たる納采の儀というのを行うことはできません」と述べ、実は結婚について否定的な考えは示されていません。今回は憲法にも触れられています。

憲法二十四条では「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」としています。

上皇ご夫妻は、憲法の遵守を強く心に刻まれ、天皇皇后としておつとめを果たされてきました。ご両親の憲法遵守というお考えはお子様方にも受け継がれていると思います。

秋篠宮ご夫妻も、憲法二十四条を心にとめ、両性の合意に基づくなら眞子さまのご結婚を妨げる気持ちは持つことは一貫してなかったと思います。秋篠宮さまの思慮深く論理立てるぶれないお人柄の一端を知ることができます。

結婚について否定はしていない一方で、「婚約に当たる納采の儀」については難しいことを変わらずおっしゃられています。

皇室ではご結婚までには、様々な行事が行われます。

「納采の儀」のほかにも、結婚式の日取りを女性側に伝える「告期の儀」、結婚式前に宮中三殿へのご報告、天皇皇后両陛下に挨拶する「朝見の儀」などなど・・・つまり、皇室の行事はこのままでは行えないことも、秋篠宮さまはずっと述べられているのです。結婚はできるが結婚に至るまでの皇室の行事はできませんよ、ということを今回も示されたのではないでしょうか。

小室さんと秋篠宮ご夫妻との間に信頼関係ができなければ、皇室の行事は進められません。

信頼関係

しかし、秋篠宮さまは未だに信頼関係ができていないことも示されています。

「長女の結婚について反対する人もいますし、賛成する人もいますし、全く関心の無い人もいるでしょう。どれをもって多くというふうに客観的に言うことができるかというとなかなかそれは難しいわけですけれども、あくまで私の主観になりますけれども、感じとしては決して多くの人が納得し喜んでくれている状況ではないというふうに思っています。で、そのことは娘も恐らく同じ気持ちを持っていると考えております。以上です」

秋篠宮さまご自身が今の状況では、多くの人が納得し喜んでくれないということを感じ、さらに邪推すれば、秋篠宮ご夫妻も納得されていないと読むことができます。

秋篠宮さまは、小室さんの対応についても触れられています。

「(多くの人が納得し喜んでくれる状況に向け)対応を全くしていないかと言えばそんなことはないと思います。そうですね。ただ一つ言えるのはそれはいろいろな対応をしているとしてもですね、やはりそれが見える形になるというのは必要なことではないかなあというふうに思っております」

「実際に結婚するという段階になったら、もちろん、今までの経緯とかそういうことも含めてきちんと話すということは、私は大事なことだと思っています」

この言葉が小室さんにとって、今後するべきことではないでしょうか。

秋篠宮ご夫妻との間に信頼関係が築けたとき、娘の幸せを祈る父親・母親として全てを許してくださることでしょう。

皇族というお立場もありますが、これまで眞子さまお一人が矢面に立たれている様に見えています。眞子さまがどんな思いでご両親と話し合い、小室さんとの相談はあったとは思いますが、どんな思いで文書をまとめられてきたのか・・・・。

眞子さまがお気持ちを示された今、今度は、小室さんが眞子さまを守る行動をとるべきではないでしょうか。

眞子さまを本当に大切にしたいなら、孤立されないよう小室さんがご夫妻を安心させるための行動をとることが必要になっています。

「ワンチーム」

ご自宅でくつろがれる秋篠宮ご一家
ご自宅でくつろがれる秋篠宮ご一家

秋篠宮さまの55歳の誕生日の11月30日、宮内庁が撮影したご家族の映像も公開されました。11月14日に赤坂御用地で撮影されたものです。11月14日は、眞子さまがお気持ちを表明された翌日です。秋篠宮ご夫妻も眞子さまのお気持ちを理解していたのでしょう。

ご一家が肩を寄せ合われる映像は「ワンチーム」という言葉を思い起こさせました。

今回の件では、これまで家庭内でもいろいろ口げんかのようなものはあったと推察されます。眞子さまに幸せになってほしいという思いを伝えたい、そんな家族の思いがこめられたようなご家族の映像でした。

【執筆:フジテレビ 解説委員 橋本寿史】

橋本寿史
橋本寿史

フジテレビ報道局解説委員。
1983年にフジテレビに入社。最初に担当した番組は「3時のあなた」。
1999年に宮内庁担当となり、上皇ご夫妻(当時の天皇皇后両陛下)のオランダご訪問、
香淳皇后崩御、敬宮愛子さまご誕生などを取材。