サイバー攻撃による被害が止まりません。大手企業が相次いで個人情報漏えいの恐れがあると発表。
その影響は私たちの生活にも広がりはじめています。
異例の事態に国も動き出しています。
大切な個人情報が流出した場合、企業にどう責任を問うことができるのでしょうか。
元大阪地検検事の亀井正貴弁護士が解説しました。
■システム障害で休講となっていた大阪公立大は1週間ぶりに授業が再開するも…
サイバー攻撃によるシステム障害で授業が休講となっていた大阪公立大学。
9日、1週間ぶりにキャンパスには日常が戻ってきました。
ただ、教材の共有やメールなど障害が発生したシステムはいまだに利用できない状態で、全面復旧の目途はたっていません。
今回のサイバー攻撃で在学生や教職員、受験生など少なくとも13万件の個人情報が流出した恐れがあります。
【大阪公立大学に通う学生】「まさか自分が関わっている大学でなる(サイバー攻撃を受ける)と思ってなかったんでめっちゃびっくりしました。学生証の写真が漏えいとか、写真とか使われたら怖い」
【大阪公立大学に通う学生】「情報漏洩してないことを祈るばかりです」
先月から今月にかけて多くの企業で相次いだサイバー攻撃による被害。
■ブックオフやローソンなどで相次ぐ漏えい
9日、ブックオフでは会員の名前や住所などの個人情報が最大643万件流出した恐れがあることが判明。
8日はローソンで215万件以上、カラオケ店を運営する第一興商は約872万件の流出の恐れがあることが明らかになりました。
こうした事態を受けて、政府も対策を急いでいます。
【高市総理】「政府としては高度化巧妙化する攻撃手法への対策を強化するため、まさに本日、関係省庁による対策会議を実施することとしております」
対策会議では、各省庁で情報を収集し、国家サイバー統括室に集約するよう要請。
企業に対してはシステムの脆弱性への対策や認証機能の強化、流出した情報の悪用防止などを要請する方針です。
■生活への影響は
異例の事態に国も動き出す中、生活への影響も出始めています。
食品大手ニッスイのグループ会社「日水物流」で7日、不正アクセスが原因とみられるシステム障害が発生。一時、一部の冷凍食品などの入荷や出荷ができない状態となりました。
【スーパーことぶき小阪店 中瀬肇店長】「この辺なんか、まるまる。これがずっと入ってこないと大きいと思う」
東大阪市のスーパーでは、「日水物流」が扱う冷凍食品が半数近くを占めていて、今の状態が続くと、営業にも影響が出る可能性があります。
【スーパーことぶき小阪店 中瀬肇店長】「いまはまだ(在庫が)あるが、今後システム障害が回復しなければ売り場も欠品が起きる。お客さんに迷惑かかって、売り上げが下がるので早いこと解決してほしい」
冷凍食品を毎日のように利用する客からは、戸惑いの声も聞かれました。
【客】「本当に困ります。家族が多いので重宝している。流通している間にストックしようと。前よりも冷凍食品を買っておくのが多くなったと思う」
■パスポート情報が流失した可能性も
サイバー攻撃の魔の手は私たちのすぐ近くに。
関西テレビの記者にもこんなメールが…
「お客様の情報が外部に流出したことが判明いたしました」
旅行サイトの「スカイチケット」を運営する「アドベンチャー」は9日、不正アクセスによって個人情報、1400万件あまりが流出したと発表しました。
記者に送られてきたメールには、パスポート表記の氏名や住所などが流出したと書かれています。
旅行大手のエイチ・アイ・エスは、最大627人分のパスポート情報が流出した可能性を発表しました。
本人確認に必要な重要な情報まで流出するという異常事態。
企業側にはどこまでの責任と備えが求められるのでしょうか。
■個人情報が流出した場合、企業はどう責任を負うのか
個人情報が流出した場合、企業はどう責任を負うのか。元大阪地検検事の亀井正貴弁護士が解説しました。
個人情報を取り扱い、管理する立場にある企業は、情報が流出した場合に賠償責任が生じる可能性があり、流出した情報によって補償額が異なると説明します。
もし、住所が流出した場合、補償額は5000円ほどが相場ではないかと話します。
【亀井弁護士】「昔と比べたら(個人情報の)価値は上がってますから、5000円ぐらいはいくだろうかと思います」
その上で、運転免許証やパスポートといった公的書類の情報が流出した場合の補償額は、「1万円から5万円ほどになるのではないか」と亀井弁護士は話します。
【亀井弁護士】「運転免許証だと悪用されるリスクは高まりますから、そのリスクの高まりに応じて精神的ショックも上がっていきます。その分を加算するとこれぐらい(の額)ではないか」
■2次被害が出た場合の補償額は「5万円から10万円」が相場か
さらに、流出した個人情報が悪用されて2次被害が生じた場合はの補償額は5万円から10万円になるのではないかと亀井弁護士は話します。
その上で、実際に金銭的な被害が生じた場合については、より高額の賠償が認められる可能性があるといいます。
【亀井弁護士】「例えばお金を使われて借金を背負わされてしまったとか、だまし取られてしまったという実額が出れば、因果関係を証明すればその実額は数百万であろうが数千万であろうが賠償金を取れる可能性はあります」
ただし、因果関係の証明は容易ではないとも指摘します。
【亀井弁護士】「実際に(個人情報が)流出することによって、どのような形でだまし取られたのかということを立証することは、なかなか難しいなと思います」
■タイムズカーの個人情報流出問題をめぐっては、集団訴訟の動きも
タイムズカーの個人情報流出問題をめぐっては、集団訴訟の動きも出ています。
【亀井弁護士】「少ない人数で訴訟をすると弁護士費用や訴訟費用がかかり、その分コストが非常にかかってくる。大人数なら弁護士の費用なども割安になってきますから、もし私が相談受けたら、被害者を集めた上で提訴すると思います」
(関西テレビ「newsランナー」 2026年10月9日放送)
