乗務員不足に対応するため、高知県のとさでん交通が新車両を導入。“免許の壁”を下げることで、事務職員がハンドルを握ることができるようになった。
新車両は長さ6.25メートルのコンパクトな「マイクロバス」。
乗車定員は18人で通常のバスの約3分の1だ。
「中型2種免許」を活かした人材確保
マイクロバス導入の背景には、全国の交通事業者を悩ませる慢性的な乗務員不足がある。
通常の路線バスの運転には「大型2種免許」が必要で、人材確保のハードルとなっていた。
そこで同社が着目したのが、より取得しやすい「中型2種免許」で運転できるマイクロバスだ。運転技術や免許取得の壁を下げることで、人材の裾野を広げる狙いだ。
この取り組みで短時間勤務の乗務員を社内の事務職員6人と社外から1人の計7人確保できたという。事務職員は週に1日、4時間ほど乗務員を兼務する。
事務職から憧れのドライバーに
人事課に勤務する中矢明里さん(25)も、新たにハンドルを握る一人だ。彼女はもともと、バス乗務員に憧れて入社した経緯を持つ。
「実際にバスに乗って運転手さんを見ると、安心安全の運転はもちろん、優しく対応している姿がかっこよくて、『私もやりたい』という憧れがあった。今回応募があってうれしかった」という。
マイクロバスは、高知駅とイオンモール高知・高知赤十字病院を結ぶ直通便として、10月1日から平日に1日10便が運行されている。
料金は定額制で大人240円、子ども120円。ICカード「ですか」とPayPayも利用できる。
地域の足を維持するための柔軟な試みと、夢を叶えて新たな挑戦を始めたドライバー。新しいバスが、高知の街を走り始めている。
