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病院で処方される「OTC類似薬」の負担増 患者から悲痛な声「負担が増えたら治療を続けることができるのか」|FNNプライムオンライン

病院で処方される「OTC類似薬」の負担増 患者から悲痛な声「負担が増えたら治療を続けることができるのか」

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来年3月から病院で処方される「OTC類似薬」の患者負担額が増える。
※OTC類似薬=医療機関で処方されるが、薬局でよく似た成分のものが買える薬

保険給付の見直しによるもので、負担増となる薬のなかには、多くの人に身近な、解熱や痛み止めの「ロキソニン」、花粉症の「アレグラ」、いわゆる湿布の「ロキソニンテープ」なども含まれている。

厚労省の試算では、この見直しによる国の医療費削減効果は年間約900億円で、これにより、現役世代が納める社会保険料は1人あたり年400円(月33円)安くなるとされる。

一方で、例えば花粉症で受診し、内服薬、点眼薬、点鼻薬が処方された場合、患者の負担は月1500円程増えるという。(3割負担の場合)

こうした状況に慢性的な疾患を抱えた人たちからは不安の声が上がり、反対を訴える全国保険医団体連合会のオンライン署名は11万筆を超えた。17日の午後、厚労省に「負担増の中止」を求め、署名を提出した。

リウマチやアトピーで長年治療を続ける当事者の声を詳しく聞いた。

■全身にアトピー 数種類の薬を使って治療を続ける女性

小沢真由さん(45歳)会社員:
15歳からアトピー性皮膚炎の治療を続けています。全身に症状があり、これまで軟膏やクリーム、ローションなど数種類の薬を使ってきました。

アトピー性皮膚炎の多くは、年齢や成長によって症状が出る場所が変わります。
私の場合、今は頭皮が一番ひどく、強い痒みにかきむしってかさぶたができます。

特に季節の変わり目がツラいので、1年に4カ月程、皮膚科で処方薬(リンデロンローション)を出してもらっています。症状のひどい時だけ薬を使うよう我慢しています。

以前は耳の付け根のところが切れたり、肘やひざの内側に症状が出たりした時期もありました。背中のかゆみは繰り返し起こります。指先が切れることはしょっちゅうです。

リンデロン軟膏
リンデロン軟膏
この記事の画像(6枚)

■治療薬が変われば「負担増にしない配慮対象」から外れる…

小沢真由さん:

厚労省は、長期治療を行っている患者への配慮として、「年間50週(350日)以上使う薬は負担増にしない」方針を設けようとしています。

しかしアトピー患者の場合、長期治療を行っていても、使う薬が途中で変わる人は多いと思います。その場合は「配慮対象」から外れ、負担増になってしまうのです。

厚労省の「配慮」は、治療の実態を把握していないと感じてしまいます。

私は30年間ずっと治療を続けてきて、今はかなり回復しています。
頭皮のかゆみのつらさはありますが、全身にリンデロン軟膏をぬっていた時期もあったので、比べるとかなり楽になっています。

背中など広範囲に症状が出た時は使う薬の量が多くなりますが、症状に応じた薬を安価で使えてきたおかげです。

ずっと積み重ねてきた治療が意味のないことにならないよう、すべての患者が治療を継続できるような社会保険制度にしてほしいです。

薬(イメージ)
薬(イメージ)

■“配慮しなくていい患者”などいない

渡辺義久さん(64歳)建設業:
34歳の時にリウマチを発症し、30年間治療を続けています。
最初の頃は部分的な痛みで、痛み止めを飲めば和らいでいましたが、進行し症状が全身に広がるにつれて痛みが増していきました。

あまりの痛さに入院かとなった時、ステロイドを処方されました。この薬が非常によく効いて「今までの痛みは何だったのか」というぐらい楽になったのです。

ただし、飲むステロイドは副作用も大きい。もちろん最初にきちんと説明を受けましたが、10年以上服用を続けた結果、私の腰骨はボロボロ、スカスカ状態になってしまいました。
脊柱管狭窄症と診断され、現在は背中や腰の強い痛みと足のしびれがあります。

この痛みを救ってくれたのが、今回負担増の対象の1つとなっている消炎鎮痛薬の湿布「ロキソニンテープ」でした。

現在、治療をしないと仕事や日常生活に支障がでます。歩くのがつらくなるので、携帯用の杖は必ず持ち歩いています。

それが、ロキソニンテープを貼ると痛みがかなり和らぎます。建設業の現場仕事もできるほど効果があります。

厚労省は「痛みは客観的評価が難しい」として、「配慮する(負担増にしない)人」から外そうとしているそうです。

ですが、私のように“痛み”によって仕事や生活に影響が出る人は大勢います。

そもそも「配慮」ってなんでしょうか。配慮しなくていい患者などいません。

渡辺義久さん
渡辺義久さん

■病院処方は「7枚130円」がOTCなら「7枚1800円」

渡辺義久さん:
また、今は「4分の1の負担増」と言っていますが、いずれ割合が増えていき、最終的に「OTC類似薬はなくしてすべてOTC市販薬にしましょう」となる不安もあります。

今、病院で処方されるロキソニンテープは1袋7枚入りで130円程度。(3割負担/薬価38円のほか診察料や調剤基本料含む)

しかし病院の処方は1日1枚。私の場合は痛みの範囲が広いので、処方された分では足りず、市販のロキソニンテープ(OTC市販薬)も購入しています。
市販のロキソニンテープ(OTC医薬品)は1袋7枚入りで1800円です。

処方薬のロキソニンテープと市販薬のロキソニンテープは、見た目も効果も同じですが、価格差はおよそ14倍。

私の場合、リウマチの治療もあります。今は2週間に1回の自己注射でリウマチによる痛みはかなり軽減されていますが、治療は死ぬまで続きます。

今でも年間40~50万円の医療費がかかっています。今後、さらに負担が増えたら、治療を続けられるのか。普通に仕事をして生活を続けることができるのか、不安はつきません。

左:処方薬のロキソニンテープ 右:市販のロキソニンテープ
左:処方薬のロキソニンテープ 右:市販のロキソニンテープ

■負担増は1.25倍ではなく1.6倍以上

そしてこのOTC類似薬の負担増について、全国保険医団体連合会の本並省吾事務局次長は「増える負担額の計算について、誤解している人が多い」と指摘する。

全国保険医団体連合会 本並省吾事務局次長:
来年3月から実施予定のOTC類似薬(処方薬)の見直し(負担増)について、現在、窓口で支払っている金額が1.25倍になると思われている方は多いのではないでしょうか。

しかしこれは誤りです。 
実際は、3割負担の方は約1.6倍の支払いになります。
2割負担の方は2倍に、1割負担の方は3.3倍になるのです。

なぜかー。
政府はよく「4分の1の“特別料金”をご負担ください」という言い方をしていますが、この4分の1は、「窓口での負担額」ではなく「薬価」に対してかかるものだからです。

例えば、薬価1000円の薬を3割負担の人が使う場合、現在の自己負担は300円です。
それが、見直し後は475円に膨らみます。

計算式は少々ややこしく、1000円の4分の1の250円を保険除外=“特別料金”として徴収。残り750円が保険対象分なので3割だと225円。250円+225円=475円になるのです。

2割負担の人は200円が400円に、1割負担の人は100円が325円になります。

おそらく、見直しが実施されてから「なぜこんなに高いの?」「負担増になる人とならない人がいるのはなぜ?」などと疑問に思う患者さんが続出し、医療現場や調剤薬局は説明のために混乱が生じると予想されます。

厚労省の担当者と話しましたが、国民への十分な説明が不足していることは自覚しているようです。しかし今のところ、どのように周知していくのか不明です。

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