原発で出た「使用済み核燃料」を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設について、施設の親会社である東京電力などは関西電力と東北電力の使用済み燃料を受け入れる新たな計画をむつ市に説明しました。
青森県むつ市の中間貯蔵施設は、2024年11月から操業を開始していて、当初は施設の親会社である東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料・計5000トンを一時保管する計画でした。
しかし、この2社の搬入だけでは計画する数に至らない恐れが高いことから、むつ市からの要望も踏まえ、東電などが他の電力会社との連携も含めた計画の再検討を続けてきました。
そしてきのう=18日、東電の小早川智明社長らがむつ市の山本知也市長に関西電力と東北電力の使用済み核燃料を新たに搬入する計画を示しました。
新たな計画では、2028年ごろ2社の使用済み燃料の受け入れを開始し、中長期的には関西電力の使用済み核燃料を500トン・東北電力の使用済み核燃料を100トン保管するとしています。
東電の小早川社長は「安全最優先・地元の理解が何より大切だ。事業者として誠心誠意、説明を尽くしたい」と話しました。
これに対し、むつ市の山本市長は新しい計画について「直ちに判断することはない」としたうえで「単なる事業者間の都合による融通策や場当たり的な数合わせに留まるものであっては、断じてならない。電力を享受する消費地と、電力を作る地域だけではなく、使用済み燃料という貴重な資源を保管しているむつ市のような地域が持続的に発展できる仕組みであるのかなど、厳しく見ていかないといけない」と応じ、議会や市民向けの説明会での議論を踏まえて判断する考えを示しました。
関電は原発7基“フル稼働” 一方で敷地内に溜まり続ける使用済み核燃料
関西電力は福井県で原発7基を稼働していますが、その前提となるのは使用済み燃料の貯蔵容量を原則増やさず県外に確実に運び出す工程表=「ロードマップ」を福井県が容認していることにあります。
ただ、工程表に記載されている青森県六ケ所村の再処理工場の完成が繰り返し延期となっていることに加え、関電としての中間貯蔵施設の建設も見通せず、この状況が続けば原発の敷地内にある使用済み核燃料は早ければ数年でいっぱいとなることが懸念されています。
また、東北電力もおととし、女川原発を再稼働していますが関電と同様、使用済み核燃料の貯蔵量がひっ迫しています。
今回の計画は関電と東北電の状況と、中間貯蔵施設が当初の予定通り稼働できない状況が続くと、国の交付金などの税収減や地域振興などが進まないことを懸念する地元の思いが一致した形ともいえます。
むつ市の要請に基づき策定した新たな計画案 今後の市と青森県の対応は
ただ、むつ市の施設をめぐっては、過去にも関電を含めた共同利用の計画が持ち上がったものの地元の反発でとん挫した経緯があります。
また、青森県の宮下知事は六ケ所村の再処理工場が完成していないことを理由に2026年度についてはむつ市の施設に使用済み核燃料の搬入を容認しない考えを示しています。
今後のむつ市と青森県の対応が注目されます。
