浜岡原発の再稼働審査でのデータ改ざん問題で、中部電力の勝野会長と林社長が9月14日、辞任を表明しました。
■「隠ぺい工作ともいえる」中電トップ2人が辞任
14日午後2時から始まった、中部電力の勝野会長・林社長の会見。
林欣吾社長:
「基準地震動にかかる不適切事案をはじめ、度重なる不適切事案の発生により、多大なるご心配とご迷惑をおかけするとともに、広く社会の皆さまからの強いご不信を招いたことにつきまして、改めて深くおわび申し上げます」

浜岡原発3号機・4号機の再稼働審査をめぐるデータ改ざん問題の責任を取るとして、9月末で揃って辞任し、再稼働の申請を取り下げることを表明しました。
林欣吾社長:
「組織風土や業務プロセスの改善を着実に進め、信頼回復を最優先に取り組んでまいります。決して諦めることなく、再申請に向けた取り組みを進めてまいります」
静岡県御前崎市、南海トラフ巨大地震の想定震源域に位置する浜岡原発。
東日本大震災の直後、当時の菅直人総理の要請で稼働を停止し、新たな規制基準に基づき、原子力規制委員会に再稼働に向けた審査を申請しましたが、不正はその審査が長引くなかで明らかになりました。

原発の耐震設計の基準となる地震の揺れ「基準地震動」のデータを改ざんし、意図的に小さく見せていたことがわかったのです。
14日公表された外部の弁護士による調査報告書は、全部で253ページ。中電の担当部門が、都合の良い地震波への調整を「チューニング」と呼ぶなどした生々しい実態を示し、正しい方法で地震波を選んだように見えるデータを後から作り、規制委にウソの説明をしていたことを「隠ぺい工作とも言える」などと指摘しています。
■不正の原因に「独自の正当化理論」?
原発の安全性を確認する仕組みを根底から揺るがす前代未聞のデータの改ざんは、なぜ起こったのか。
報告書では、経営陣の直接的な関与はなかったとしつつ、勝野会長らが審査の遅れを巡って担当の原子力土建部を叱責し、担当者を不適切な行為に駆り立てる要因になったとしています。

林欣吾社長:
「原子力土建部を叱責したことが圧力として作用し、不適切行為の要因の一つになったとも指摘されており、深く反省しております」
さらに調査委員会は、問題に通底する原因として、中電社内に「浜岡原発の安全性に問題はない」「何としても早期再稼働を実現しなければいけない」などの「極めて特異な考え方」が存在していたと指摘しました。

自分たちは正しいことをしているという「独自の正当化理論」に基づき、不適切行為を確信や信念を持って実行していたと見受けられる者までいたとしています。
林社長は、原発の重要性を改めて強調し、一旦取り下げる再稼働の申請を「決して諦めない」と述べましたが、信頼回復には抜本的な体質改善が求められます。

