高市内閣の内閣広報室が、来年度の予算概算要求として今年度の約7億円から“10倍超え”の約72億円を要求していることが明らかになり、SNSなどで賛否の声があがっています。
FNNの世論調査では、高市内閣の支持率は61.6%と先月から0.9ポイント下落しながらも「6割台」を維持。
食料品の消費税減税や不記載議員の入閣問題など、賛否が割れるテーマが相次ぐ中、この「広報予算の急増」が新たな議論の焦点となっています。
元毎日新聞でノンフィクションライターの石戸諭氏は「いままでの日本政府は、届けていこうという発想が乏しすぎた」として、広報発信の重要性を強調しました。
また、『ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)』が代表曲の「ピコ太郎」のプロデューサーとして世界的な“バズり”を生み出した古坂大魔王氏は「使っている音楽や小道具が古い」と、現状の内閣広報動画を批判しました。
■なぜ今年度の「10倍超」予算要求?
来年度の予算について、今年度の10倍超となる『72億円』を要求している内閣広報室。
内閣広報室は、内閣の方針や政策を国内外に伝える役割を担っています。
首相官邸の公式YouTubeでは、高市総理が熊本地震の被災地を視察する動画や、農水大臣が農作物をPRする動画などを公開しており、こうしたコンテンツ制作の費用は税金から賄われています。
木原稔官房長官は増額の理由について、「若い世代をはじめとしてネットによる情報収集が浸透し、動画視聴やAIの活用など、情報収集の方法も絶えず変化している状況の中で、従来のやり方で幅広い世代の方々に十分な情報を届けることは困難だ」と述べ、政府広報のあり方を改革する必要性を訴えました。
■海外を見ると日本は意外と控えめ?
いったいなぜ今年度の10倍以上の予算が必要なのでしょうか?
元NHK記者で政治ジャーナリストの岩田明子氏は「動画じゃないとなかなか伝わらないという意識が非常に特徴的だと思う」と述べました。
テレビ局の番組のようなクオリティの動画を毎週のペースで上げていくという発言もあり、「動画の場合、制作会社などのプロに委託しなければ見やすい動画を作ることが難しいため、予算要求が跳ね上がったのではないか」と推測しました。
一方、海外各国の政府広告費と比較すると、カナダ政府の2024年度支出総額は約86億円、ドイツ政府の2025年度は約105億円、イギリス政府の2024年度概算額は約924億円、アメリカ政府の2014年度から2023年度の年間平均は約2700億円となっています。
ただし、海外の数字は各省庁を合わせた政府全体の広告費を示しているのに対し、日本の72億円は内閣広報室の広告費のみで、単純な比較はできないものの、『日本の政府広告費は意外と控えめなのではないか』という見方もあります。
■「政府は『届けていこう』という発想が乏しすぎた」と石戸氏
政府広告費の増額要求について、ノンフィクションライターの石戸諭氏はこれまでの日本政府の姿勢を指摘しました。
【石戸諭氏】「『国会でどんな法律が制定されたとか、どういう意味で成立させました』ということに関して、いままでの日本の政府は、『届けていこう』という発想が乏しすぎたと思うんです。政治に対する不信感そのものが高まってきている中で、透明性を高める意味での広報発信は極めて重要だと思います」
■「使っている音楽や小道具が古い」古坂大魔王氏が痛烈批判
また、「ピコ太郎」のプロデューサーとして世界的な“バズり”を生み出し、YouTuberとしても活躍する古坂大魔王氏は“費用対効果の可視化”を求めました。
【古坂大魔王氏】「必要な予算だけれど、何に使ったかを出すというだけでは古い。『これを使ったからこうなりましたよ』という数字が欲しい。いまのネット広告では、どの地域でどの層が何回見たかまで全部分かる。それを毎年出してほしい」
また既存の公式動画についても「(クオリティが)5、6年前のYouTubeですよ。使っている音楽や小道具が古い」と批判。「いまの最先端のYouTuberにお金を使えばもっと安くできる」と持論を展開しました。
「個人クリエイターは団体と比べてコストが低い場合があり、個人クリエイターをまとめる事務所を通じた契約も選択肢になり得る」と提案しました。
一方で、情報公開についての懸念も示されました。
【関西テレビ・江口茂解説デスク】「『政府としては十分お金を使って広報しています』ということで、報道機関の取材に応じる必要なく、『伝えたいことはここに全部載っています』という態度になると、都合のいい情報しか出てこなくなる」
■内閣支持率は3か月横ばい 消費税減税は「効果なし」が半数超
また、FNNが2日間にわたって実施した世論調査では、高市内閣の支持率は61.6%、不支持率は32.2%となり、ここ3か月は60%台前半での横ばいが続いています。
食料品の消費税減税については、賛成が58.3%と反対の35%を上回りました。
一方で、物価高対策としての効果については「効果あり」が46.6%にとどまり、「効果なし」が52.6%と半数を超えました。
また、消費税率引き下げの際に政府が財源を明確に示すべきだと答えた人は8割を超えています。
■内閣改造は17日にも 今後の動きに注目
不記載議員の入閣については、反対が71.6%と、賛成の20.9%を大きく上回りました。
石戸氏はこの数字について、「高市さんが適材適所だと思ったらやってみて、その上で国民の反応を見ながら決めていくのが大事なのでは」という見方を示しました。
内閣改造は17日にも行われる見通しです。
(関西テレビ放送「旬感LIVE とれたてっ!」2026年9月14日放送)
