10日までの10日間の降水量を平年と比べたデータでは、平年よりも降水量が多くなった場所を青で示していますが、全体的に青で埋め尽くされています。
記録的豪雨に見舞われた千葉では平年の3倍から7倍、東京でも2倍から3倍多くなっています。
こうした長雨の影響は新米や農作物など実りの秋に及んでいます。
私たちの食卓への影響はどこまで広がっているのでしょうか。
根元から倒れた木々に地面に落ちた果実。
これは9月7日、長野・上田市の農園で撮影された映像です。
倒れていたのはリンゴの木。
その数は50本ほどに上ります。
農園の担当者は木が倒れた原因をこう話します。
果実の森・中村悠基代表:
9月に入ってからずっと雨が降り続いていて、地面が緩んでいるところに風が吹いて倒れた。(だめになったリンゴは)1トンくらい。
11月に収穫予定だったリンゴの王様「ふじ」。
被害額は約50万円に上るといいます。
倒れた木は重機などで復旧したものの、切れた根っこが元に戻るのか不安は拭えません。
長雨による被害は、ほかの果物にも。
果実の森・中村悠基代表:
ナガノパープル(ブドウ)っていう品種。雨が続いちゃって実が割れるというのが多発。それもすごい苦労。もう雨はいらない。
東京都心では16日連続で雨が降るなど、雨が続く日本列島。
実りの秋に大きな影響が及んでいます。
静岡・富士市では、収穫のピークを迎えているイチジクに異変が。
イチジク農家・望月和宏さん:
水分がありすぎて、実ばかり割れてしまい、ここから腐り始める。
長引く雨によって完熟前にひび割れが発生。
割れてしまうと実が腐りやすくなるため、市場への出荷はできないといいます。
イチジク農家・望月和宏さん:
悔しい、本当にここまで育ててきて。つらいです。早く雨やんでもらいたい。
さらに、冬の定番にも影響が。
群馬・藤岡市のミカン農園。
少し黄色くなり始めていますが、どれも実が小ぶりです。
木村観光みかん園・木村正徳さん:
今年はお盆後から天気が悪いので、小ぶりなんですよね。
群馬県で1200本以上のミカンの木を育てる木村さん。
毎年11月から始まるミカン狩りは、時間無制限の食べ放題で持ち帰りもできることから多くの人が訪れます。
そのミカン狩りが11月から始まるのを前に不安をにじませていました。
木村観光みかん園・木村正徳さん:
肥料あげても大きくならないし、お客さんに「小さいな」と言われたら心配。
園内を見て回ると異変が。
大きくひび割れたミカン。
大雨の影響で水分を吸収しすぎた実に皮が追い付かず割れてしまう「裂果」という現象が起きていました。
木村観光みかん園・木村正徳さん:
(“裂果ミカン”は)かご、バケットひとつぐらい、一回りするととれる。今までこんなことなかった。
次に「イット!」が向かったのは、埼玉・川口市のスーパー。
今が旬のイチジクは、例年より入荷が少なく、残り1パックとなっていました。さらに…。
新鮮市場東本郷店・飯田智成店長:
(Q.野菜の価格に影響がでているものは)葉物ですね。雨でやられたというのもあるけど、通常より100円ぐらい高い。
特にホウレンソウは入荷量が例年の5分の1程度に減少し、100円ほど高くなっているといいます。
生育環境が似ている小松菜も通常は1袋100円以下で販売しているところ、30円から40円ほど値上がりに。
野菜を買いに来たという60代の女性客は「ホウレンソウとかが高いと思うけど、平均して高いのかな。(Q.値段見てちゅうちょすることありますか)あります。献立が変わることあります」と話しました。
店からは9月下旬に迫るシルバーウィークに向けて不安も聞かれました。
新鮮市場東本郷店・飯田康弘青果チーフ:
シルバーウィークが絡むと他の野菜も入荷が緊迫する。連休中やっている農家もあるけど、やっていない農家もあるので、(連休前の)18日19日で押さえられるものはガンと買わないとライバルが多くなる。(Q.入荷にあたって不安な野菜は)変わらず葉物は買いだめできないので、そこはすごく心配。
さらに長雨の影響は日本の主食・コメにも。
コメ農家・仁藤丈也さん:
このところ続いている雨と風で完全に(稲穂が)倒れてしまっている。今晩天気が悪くて心配しているのが、(田んぼに)水がたまる。
連日の雨で想定外の量の水が田んぼにたまり、収穫用の機械を入れられず、稲刈りができないといいます。
コメ農家・仁藤丈也さん:
去年までは実が入っていないものがあった。“カラざや”といって、それが今年はほとんど実が入ってパンパンです。どの農家も急いで刈りたい。そしたらこうやって(雨が)降ってくる。もうどうすることもできない。
2026年は順調に育ってきましたが、あと1週間ほどで刈り取らなければ、コメ粒の内部に亀裂が入る「胴割れ」を起こし、品質低下につながる恐れがあるといいます。
コメ農家・仁藤丈也さん:
心の中ではどうしていいのか自分でも分からない。まだ3分の2(の稲穂)が残っている。その後のスケジュールも考えると、これから(天気が)厳しくなるという中、お天道あまとにらめっこしながら、そわそわしているような状況。
榎並大二郎キャスター:
別の田んぼでは、長引く雨で稲が水分を含むと、収穫用の機械が故障する場合もあって、完全に乾くまで刈り取り作業ができないということでした。
遠藤玲子キャスター:
生育がいいだけに雨で収穫ができないことにもどかしさを感じていらっしゃる農家さんもいましたね。
榎並大二郎キャスター:
すでに店頭に並び始めている新米について、大手コメ卸の関係者によりますと、大手スーパーなどの店頭価格は5kg3000円前後になるといいます。
さらに今後、価格が徐々に下がっていく可能性もあるということです。
流通経済研究所の折笠俊輔氏によりますと、「昨今の雨がすぐに価格に影響するとはいえないとしながらも、今後も雨が続いて出荷量が減ってしまうと、じわじわと価格が上昇することは考えられる」と話していました。
今後の影響を注意深く見ていく必要がありそうです。
