トランプ大統領が中間選挙に向けて打ち出した成人市民への5000ドルの「トランプ配当」をめぐり、与党・共和党からも批判の声が出るなど波紋が広がっています。
トランプ大統領は9日、テキサス州ダラスで開かれた共和党の党大会で、「共和党が上下両院で勝利すれば、すべての成人市民に5000ドルを支給する」と表明しました。
成人市民およそ2億4000万人が対象となれば、財源はおよそ1兆2000億ドル日本円で180兆円を超えます。

バンス副大統領はその後、関税による歳入を国民に還元すると示唆しましたが、ロイター通信によると、今年度の関税収入は1670億ドル(約26兆円)にとどまり、支給総額には大幅に届かないと指摘しています。
こうした中、アメリカメディアは実現性や経済への影響を検証しています。
CNBCは経済学者の見方として、巨額の現金給付が需要を押し上げ、インフレや金利上昇を招く可能性を指摘しました。
CNNも、インフレや政府債務をさらに悪化させる恐れがあるとの分析を伝えています。
ニューヨーク・タイムズは、政治活動の見返りに政府の給付を約束することは法律で禁じられている一方、政策公約は「票の買収」とは区別されるとの最高裁判例を紹介しています。

批判は民主党だけでなく、与党・共和党内からも出ています。
共和党のチップ・ロイ下院議員は政府による現金給付への依存を批判し、民主党のニューサムカリフォルニア州知事も、「納税者が資金提供した5000ドルで票を買おうとしている」と批判しています。
こうした中、9日FOXニュースに出演したバンス副大統領は「票の買収」との批判を問われ、「アメリカの労働者への配当だ」と反論しました。
そのうえで、関税が「多くの歳入を生み出し、債務の返済にも役立っている」と主張しました。
また「戦争がしばらく終わらず、ガソリン価格も高止まりすることを認めたうえでの負担軽減策なのか」との質問には、「この配当がイランと関係しているとは全く思わない」と否定しました。

