きのう=10日、大阪府と兵庫県がインフルエンザの流行期に入ったことが明らかになりました。
8月末には、厚生労働省は過去2番目の早さでインフルエンザの流行期入りを発表していて、神戸市などでは、学級閉鎖や学年閉鎖をする学校も出ています。
冬に流行するイメージのインフルエンザがなぜ、この時期に流行りだしたのか。
「猛暑の中で換気もマスクも徹底しにくい」と専門家が指摘する夏ならではの理由も。
そして下水に含まれるインフルエンザウイルスから、流行中の「型」までリアルタイムで把握できるという最新研究が明らかになりました。
■ 「インフルっていう存在自体を忘れてた」 夏ならではの困惑
まだ残暑が続く9月初めにインフルエンザにかかったという、神戸市の小学4年生は「インフルっていう存在自体を忘れてた。インフルなんか考えてもなかった」と語りました。
家族は「マスクをしてもらうしかなかった」と話しますが、暑さの中で「嫌だった」と振り返ります。
まだ暑いこの時期に、なぜ流行したのか、渡航医学に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授は、「今が冬の南半球がインフルエンザの流行期で、その中の夏休みで南北の行き来が増えている時期だ」と解説。
さらに、ことしならではの「猛暑」も関連していると指摘します。
【勝田教授】「日本も含め世界的に猛暑で、換気がしにくい状況、『密』ができる状況というところも、大いに関係はある」
■ 手洗いのプロが教える“正しい3ステップ” 20秒から30秒で完了
流行期入りすると重要になってくるのが対策です。その1つ「手洗い」について、ハンドソープの研究を20年以上続けるサラヤ総合研究所の松村玲子部長に、効果的な方法を教えてもらいました。
ポイントは3つあります。
1つ目は、指と指の間。手の甲と手のひらを合わせ、指の間をしっかり洗います。左右5回ずつこするのが目安だということです。
2つ目は、指先を手のひらでこすり洗いすること。
食事などでも使う指先は、感染症対策において特に重要な部位です。指先を手のひらとこすり合わせて入念に洗う必要があります。
3つ目は、意外と見落とされがちな親指。親指の付け根まで、反対の手で包み込むように洗うことがポイントです。
松村さんの指導の下、洗った記者の手を見てみると…
【記者】「めちゃくちゃきれいになってますね」
【サラヤ総合研究所 松村玲子部長】「手のひらの部分とか、先ほどは(汚れが)残っていたが、その辺がきれいに(汚れが)とれてますね」
教えてもらう前の手洗いでは、汚れに見立てた蛍光剤が所々に残っていましたが、その差は一目瞭然!指先に残っていた汚れもきれいに取れています。
【サラヤ総合研究所 松村玲子部長】「全ての手順をやると大体20秒から30秒ぐらい。慣れてくるとそれぐらいの時間で、(手洗いが)できるようになるので、毎日毎日意識して、先ほどの洗い方で手を洗ってみてください」
■ 下水からインフル流行をリアルタイムで把握 大阪大学の最新研究
残暑の中での「流行入り」に、流行を見極める最新研究が明らかになりました。
大阪大学感染症総合教育研究拠点の村上道夫教授による、下水処理場で収集した下水に含まれるインフルエンザウイルスの量を計測することで、今どの型が流行しているかをほぼリアルタイムで把握できるというものです。
村上教授は「(感染者は)病院に行かなくてもトイレには行くので、全体像を把握できる」と説明します。
現在、感染者数の公表には1週間かかります。この研究が実用化されれば、その遅れを大幅に縮小できます。
【大阪大学感染症総合教育研究拠点 村上道夫教授】「流行が1週間早いことが分かっただけでも、(医療機関が)病床確保のタイミング判断に使える。市民が、そろそろ流行するから感染対策を気を付けようという形で役立てることもできる」
■ ピークはいつ 専門家は“長期化”を予測
そしてこの流行は、今後どのような経過をたどるのでしょうか。
勝田教授は「(患者の)増え方も比較的緩やか。急に(感染の波が)ドンと立ち上がって短期間でピークになるということではない。むしろ(流行の)期間を長く伸ばすことになるかもしれない」と見通しを示しています。
急峻な山ではなく、なだらかな丘のように長く続く流行。その中で、手洗いの徹底と換気の習慣化が、感染を防ぐための現実的な手立てとなりそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2026年9月10日放送)
