群馬県の草津温泉を長年支えてきた観光名物の「湯もみ」。
歴史ある舞台で今、「スキマバイト」を活用した新たな観光の形が生まれています。
草津温泉の中心部「湯畑」のそばにできた長蛇の列。
江戸時代から続く風習「湯もみ」は、源泉の温度を下げるために行われる名物ショーで、“湯もみ娘”と呼ばれる女性たちが草津節の音頭と共に披露します。
湯もみ娘の1人・坂田利恵さん(50代)は湯もみを始めて25年、今では運営にも携わっています。
坂田利恵さん:
常に椅子は埋まってるようなイメージが強いです。今年で一番多かったショーの回数は11回です。
草津町を訪れた観光客は2025年度、約405万人で過去最多に。
活気を取り戻す一方、現場では深刻な人手不足が。
坂田利恵さん:
(以前は)10人でやってたんですけど、コロナの時に人の接触を極力減らそうと6人で回すようにした。午前中3回、午後3回という公演をやっていますが、午前中1時間半、午後1時間半の時間帯で働いてくれる人があまりいない。
そこで導入したのが、いわゆるスキマバイトです。
年齢や経験を問わず、舞台に立つことができます。
本業のリゾートバイトのかたわら、半年前からスキマバイトで参加している日下みゆきさんは「草津といえば湯もみみたいな位置づけだったので、伝統に参加してる感じがして、とてもすてきだなと思った」と話しました。
この日も1階、2階ともに満席に。
その舞台裏では、緊張した面持ちの日下さんの姿がありました。
すでに半年ほど舞台に立っていますが、この日はある思いを抱いていました。
日下みゆきさん:
最後大きく湯もみをする場面があるんですけど、私、そのタイミングを今まで失敗してるので、一度はちゃんとその場面を成功させたい。
そして迎えた本番。
いよいよ大詰め、最後の湯もみの場面では…。
日下みゆきさん:
最後のタイミングがずれてしまって。(Q. 次はリベンジを?)はい、次は締めを飾れるように。
坂田利恵さん:
せっかくだから楽しんで帰ってもらいたい。私はものすごく湯もみという仕事が大好きなので、来てくださった方もそう思っていただけるような環境づくりはしたいなと思っています。
湯もみを見た人は「すごく面白かった。(Q. スキマバイトで入るのは?)体験型の観光という意味ではすごく楽しそうだなと」と話しました。
人手不足に悩む現場と、伝統に触れたい働き手。
観光名所の草津では、そのスキマが湯もみを支えています。
