今週明らかになったユニバーサル・スタジオ・ジャパンの敷地拡張計画。年間の来場者数が1600万人を突破し絶好調のUSJがある一方、同じ近畿でも「8000万円投資したが、修繕しきれなかった」と閉園が発表されるテーマパークもあります。
実は、日本の遊園地やテーマパークは1993年の254カ所をピークに減少し、2020年には74カ所と、最盛期の3分の1以下になっているのです。
奮闘する各地のテーマパークは、「人気バンドや学生など若者とのコラボ」、「愛犬と回れるサファリパーク」、「“レトロさ・自虐”を逆手に取ったSNSでの“バズリ”」など工夫を凝らし、生き残りを狙います。
■絶好調USJの裏で閉園するテーマパークも
閉園が決まっている兵庫県淡路市の「淡路ワールドパークONOKORO」は、1985年の開園以来、有名建築の「ミニチュアワールド」などで多くの人に愛されてきました。
親子で20年以上来園していた人は「あるのが当たり前だったのが、急になくなると知って悲しい気持ちになった」と嘆きます。
清水浩嗣支配人によると、「観覧車が1年半前から止まっております。約8000万円投資してきたが、それでも修繕しきれなかった」といい、建物の老朽化などから41年の歴史に幕を下ろすことを決めました。
テーマパークコンサルタントの清水群さんはこうした閉園について、「メリーゴーランドやジェットコースターを入れると、億単位のお金がどうしてもかかる」と指摘。
生き残りには、「今後残っていくのは10年、20年先を見据えて動いている施設」と分析します。
■自虐的な投稿で「バズ」コロナ禍からV時回復「須磨浦山上遊園」
その「動き」を取材すると“山の上”というアクセスの悪さと、“レトロ”を逆手に危機を脱却した「ご当地遊園地」がありました。
1957年開園、来年で70年を迎える「須磨浦山上遊園」では、山の上に移動するための「カーレーター」が“日本一乗り心地が悪い”と言われ注目されています。
そして「サイクルモノレール」は、標高およそ250メートルからの絶景を一望できます。
近年は利用客が減少傾向だった中、自虐的な投稿や山上の景色などを“SNSで発信”したことがきっかけで、V字回復したといいます!今では訪れた“若者たち”の投稿も増え、“令和を生き抜く戦略”となっています。
【須磨浦山上遊園 田村将樹主査】「2年ぐらい前に若い人の間でSNSでバズリまして、コロナの時は一番最低の時で乗降者(入園者)7万2000人だったのが、2025年度で32万人まで回復しました。うれしい意味での想定外です」
■インベーダーにエアホッケー…昭和レトロは大人世代にも人気
そして、ウケているのは若い世代だけではなく…昭和の時代に作られた「ジュークボックス」。50円を入れると往年のヒットソングをレコードで聴くことができるのです。そのレパートリーはおよそ3000曲。
他にも「エモさ」満載!ゲームセンターにはインベーダーゲームにエアホッケー。
展望台の喫茶店では、およそ60分かけてゆっくりと周りながらクリームソーダなどを楽しめます。
この“昭和レトロ”の空間が、大人世代にも人気です。
【50代】「“超昭和”やから安心感があります。大人やから楽しめるのかもしれない」
【60代】「(遊園地と)同じ年や!来年70歳!」
■日本で唯一!愛犬とサファリパーク「姫路セントラルパーク」
兵庫県の「姫路セントラルパーク」では、近年、500円で愛犬も一緒に入場できる「ワンワンパスポート」というサービスを提供していて、機関車などは、一緒に乗ることもできるのです!
【大阪からの客】「いつも家で(犬を)お留守番させているんで、色んなところに連れて行ってあげたいと思って」
取材中出会った、コーギーの“みつりちゃん”が車の中から一生懸命吠える先にいたのは、生涯、おそらく出会うことがなかったであろう、サバンナの猛者たち。
日本で唯一!サファリパークを愛犬と車でまわれる場所となっています。
【姫路セントラルパーク広報 幸崎誠さん】「繁忙期は1日100人くらいの(犬連れの)お客さんがいらっしゃっているので、大変喜んでいただいていてうれしく思っています」
■100年以上営業を続ける「ひらパー」 アーティストとのコラボイベントを展開
さらに大阪にある日本で一番長く営業を続けている遊園地・「ひらパー」の通称で親しまれている、「ひらかたパーク」。
100年以上続くワケを探ると、アトラクションだけではない秘策が見えてきました。
人気バンド「オレンジレンジ」とのコラボイベント。来場者の半数以上は、小学生の子供を連れたファミリー層のため、普段は来ない若者たちに、知ってもらおうと企画されました。
その狙い通り、30代の人からは「普段は全然遊園地に行かないですけど、きょうはこれ(コラボイベント)目当てに来ました」という声が聞かれ、グッズ目当てにやってきたというファンもいました。
■Z世代を意識 大学生とコラボ商品を開発
また、Z世代を意識した取り組みも行われています。
京都芸術大学とひらかたパークのコラボの商品で、8月に発売された「メリケンサック」は人を攻撃するのではなく、指にはめておしゃれな写真を撮るためのアイテム!
大学生の感性で魅力を発信し、客層を広げようとするのがひらパーの戦略です!
営業チームの田中さんは悩みながらも「newsランナー」だけに今年度中にも、学生が考えたアトラクションを発表する予定だと明かしてくれました。
【ひらかたパーク営業チーム 田中逸馬さん】「期待していただいていいと思います。ワクワクします」
■キャラクターの世界に没入「ニジゲンノモリ」
ご当地遊園地が生き残り策を展開する一方、開業9年とまだ新しいテーマパークの戦略は「没入感」です。
淡路島にある「ニジゲンノモリ」は、地元出身の堀井雄二さんが生みの親の「ドラゴンクエスト」など、日本を代表するキャラクターのテーマパークです。
中へ入ると、宿や武器の店があったり、壺の中に「メダル」が隠されていたりと、まさにゲームの世界。訪れた人からは、「原作に沿った世界で楽しかった」という声が聞かれました。
【ニジゲンノモリ 貞松宏茂社長】「自分たちが主人公になって自ら動いていく、“この世界”に入ったと感じていただけるか、それを提供できるかということが、これからのテーマパークに必要なんじゃないかなと思います」
テーマパークサバイバル時代を生き残るために!その進化は、訪れる人の笑顔をさらに広げていきそうです。
(関西テレビ「newsランナー」2026年9月3日放送)
