長崎県内の巨木・名木を紹介するシリーズ「樹は見ている」です。
長崎市の山王神社といえば、被爆した大きなクスノキがよく知られていますが、実は神社の奥にさらに19本もの「被爆クスノキ」があり、この夏も青々とした葉を茂らせています。
1945年8月9日に投下された原子爆弾。
爆心地から約800mにある山王神社も壊滅的な被害を受けました。
しかし、原爆投下後に上空から撮影された写真には神社の奥に見えるかすかな影。
山王神社のクスノキ群です。
専門家は、爆風で社殿などが跡形もなく失われた中、木は倒れずに残ったと見ています。
長崎平和推進協会 写真資料調査部会 松田斉部会長
「(被爆から3年後の)1948年(昭和23年)に撮影された航空写真には、明らかに樹木と思われるものが写っているものがある」
「社殿を取り囲むように影が伸びているが、この影の根元の位置に木が生えているということになる」
被爆から3年後の写真と比べてみると、木の位置がほぼ一致していて、19本のクスノキは原爆の被害を受けながらも再び、葉を茂らせたと見られています。
長崎市はこうした原爆の被害を受けた木も後世に残すべき被爆遺構だと「被爆樹木」に認定していて、年に1度、県樹木医会が木の大きさを計測したり、葉や幹の状態を確認したりしています。
長崎平和推進協会 写真資料調査部会 松田斉部会長
「建物と違って木は有機物生命体ですから、傷つきながらも現在も生きているということに関しては人と同じように命がつながっているという思いを受ける。われわれに訴えかけてくるものは強い」
山王神社の大クスとともに原爆被害を今に伝える被爆クスノキ群。
枝葉を焼かれてもなお、芽吹き、静かに命をつなぎます。
