震度7の揺れを耐え抜いた熊本県氷川町の特産物『吉野梨』を被災地の希望として全国に届ける。氷川町では8割以上の梨が落下するなど、ほとんどの梨農家が被災する中、被災を免れた梨を余すことなく届け、生産者を助けようという支援の輪が広がっている。
震度7の地震で特産の梨が8割以上が落下
氷川町にある『きのみ農園』代表の木野孝義さん。

7月28日に震度7の揺れに襲われたときは収穫の真っ最中だったという。

たわわに実っていた地域の特産『吉野梨』は8割以上が落下。
2025年8月の記録的大雨でも農園に土砂が流れ込むなどの被害があり、乗り越えた矢先の出来事だった。

きのみ農園 木野孝義さん:
横揺れがすごくて、立っていられないというか。
妻の美香さん:
(梨が)いっぱいボトボト降っている状態を見て…『別の仕事を探さないとな…』と思った。

「梨農家を続けられないかもしれない」そんな不安がよぎるほど、大きく落ち込んでいた木野さんを救ったのは農家仲間の存在だった。
「震災直後の木野さんの投稿を見て『大丈夫かな…』って。そこから2日間くらい電波も悪かったから連絡が取れなかった」

こう話すのは、八代市で晩白柚などを育てる八代サニーサイドファームの桑原健太さん。
隣の氷川町の梨農家のほぼ全てが被災しているという現状を知り、「残った梨だけでも販売して生産者を応援できないか」と考えた。
農家同士が支え合う「希望の梨」
そして立ち上げたのが「希望の梨」プロジェクト。

落下を免れたわずか1割程度の梨を被災地支援としてインターネットで販売するというものだ。
ウェブサイトは知り合いにボランティアで制作してもらい、箱のデザインは梨農家の子どもたちがひとつひとつ手書きした。

生産者を支援するため、3個入りで1万1000円と通常の5倍ほどの価格設定にしたが、あっという間に注文は1000件を超え、農家仲間などが梱包や発送作業を手伝っている。
きのみ農園 木野孝義さん:
支援も込みの価格設定なので、本当に成功するのかと不安な気持ちもありながら、活動が進んでいくうちに、自分も前に進もうという気持ちが生まれてきた。
八代サニーサイドファーム 桑原健太さん:
自然災害は起きてしまうからそういう環境にあっても柔軟に対応していくための考え方を常に持っていないといけないと思う。支援活動をやれる人でやって、助け合って。とりあえずしのいでいければいいのかなと。
桑原さんによると、梨の収穫は9月初めごろまで続く見込みといい、希望の梨は引き続き注文を受け付けている。

