熊本地震の報告です。取材してきた大日方記者です。
私は8月10日から16日まで、FNN取材団の一員として、被害が大きかった八代市や氷川町などを取材しました。
断水や連日の暑さによる厳しい避難生活。被災した人たちの生活再建を後押ししようという支援の動き。被災地の現状をお伝えします。
■最大震度7 3万棟超の住宅被害
7月28日に熊本県で最大震度7を観測した地震。
建物の倒壊などが相次ぎ、これまでに39人が死亡、住宅被害は3万2000棟以上に。
今も約3000人が避難生活を送っています。
(記者リポート)
「最大震度7を観測した熊本県の氷川町です。こちらの住宅は元の形が分からないほど、建物が大きく崩れてしまっています」
私たちは、地震の発生から2週間ほどの8月10日から16日まで被害の大きかった八代市や氷川町などを取材しました。
避難生活に大きな影響を与えていたのが断水です。
八代市と宇城市、氷川町では、今も7000戸余りで断水が続いています。住民たちは、給水車からもらった水を分け合ったり、風呂を控えたりして過ごしていました。
■涙が出るほどうれしい散髪
住民たちに、一日も早く落ち着いた生活を取り戻してもらおうと、支援の動きも。
八代市にある高齢者施設では、美容師の男性による散髪のボランティアが行われました。
美容師:
「どれくらい切りましょうか?」
女性:
「ちょっとね」
美容師:
「耳の半分くらい?全部は出したくないね」
女性:
「すっきりしました。ありがとうございます」
断水のためドライシャンプーで洗髪していました。
入居者:
「若くなったような気がする。かわいくなった。うれしい、何とも言えません、涙が出ます」
■仮設浴場「めちゃくちゃ気持ちいい」
氷川町の避難所ではお風呂の支援も。
入浴した男の子:
「めちゃくちゃ気持ちいいですね、温かいです」
小布施町に本部のあるボランティア団体などが協力し、校庭にテントを建てて、仮設の浴場を作りました。
お湯は、ろ過や消毒機能がある専用の機械で循環させて再利用していました。
八代市から:
「快適でしたね、本当によかったです。ありがたいですね」
町内から:
「この季節、すぐ汗かくので流して一日を終えたいというのはある。まだ水が全然出ない状況なので、非常にありがたく毎日使わせてもらっている」
日本笑顔プロジェクト・小林温子事務局長:
「一時でもほっとした時間を過ごしていただければと思います。お風呂に入って、皆さんほっこりされて帰られる顔はいつもうれしく思っています」
■つぶれた1階から貴重品を
八代市では、倒壊した住宅から貴重品などを取り出す作業が行われていました。
災害救援NGO代表・吉村誠司さん:
「バッグがこのあたりから出てきたじゃない。もう1個のカバンはどこにあるの?」
住人:
「見るからないのよ」
住民から依頼を受けたのは、長野県信濃町在住で、災害救援NGOの代表を務める吉村誠司さんです。
2019年の台風19号災害や2024年の能登半島地震、10年前の熊本地震でも支援活動を行ってきました。
こちらの住宅は、地震の影響で1階部分がつぶれるかたちで倒壊し、住宅の中は、物が散乱していました。
吉村さんは、ボランティア仲間と訪れ、住宅の中に残る貴重品を探し出していました。
■免許証あった!感謝の握手
ボランティア:
「あ、印鑑。印鑑(あった)」
住人:
「印鑑、大事です」
壊れずに済んだエアコンの回収も。
免許証が入った財布や非常時用の現金が入ったリュックなどを持ち出すことができました。
住人:
「免許証、マイナンバーカード出てきた。ありがとう」
「下(つぶれた1階)から入るのは私たちにはできないので、(貴重品を)取ってもらえたのはすごく助かりました」
■「支援の人手が足りない」
支援の輪が広がる一方で、吉村さんは、課題も感じていました。
災害救援NGO代表・吉村誠司さん:
「役場とかボランティアセンター、社会福祉協議会の方とか、みんなもう働き続けているので、交代してあげる方とか、もっと来ていただけるといいかな」
連日の暑さもあり、被災した住民はもちろん、自治体職員やボランティアにも疲労がたまってきていると言います。
支援の人手の必要性を訴える声は他にも。
日本笑顔プロジェクト・小林温子事務局長:
「マンパワーですね。一番必要なんじゃないかと。この暑さなので、私たちも一日中外に出ているわけにはいかない。ローテーションを組みながらやっているんですけど、ぎりぎりの人数。運営する側も休む時間もあってできればいいのでは」
■「いざという時」への備えを
地震の発生から3週間。断水や暑さが続く中、被災地では、これから復興や生活再建に向けた動きが本格化します。
アナウンサー:
「被害の爪痕が生々しかったですね」
大日方記者:
「宿泊した熊本市内は、被害も少なく、日常を取り戻していました。ただ、被害が大きかった地域では、爪痕がそのまま残っている場所も多く、生活が一瞬で大きく変わる地震災害の怖さを感じました」
アナウンサー:
「断水と暑さの影響も大きかったですね」
大日方記者:
「停電が早めに復旧したため、避難所の暑さは解消されましたが、住宅の片付けは、暑さで思うように進まず、支援の人手が必要だと感じました。飲料水は物資で届いていて、避難所の住民たちにも渡っていましたが、車中泊や在宅避難の住民もいて、そこへ物資を届ける人手も必要だと感じました」
アナウンサー:
「大地震は県内でも起こる可能性があるので、私たちもいざという時の備えについて考えたいですね」
