木原稔官房長官は、7月31日に発足した「国家情報局」についてFNNの単独インタビューに応じた。

8日に実施したインタビューの一問一答は以下のとおり。

Q.「国家情報局」とはどういう組織なのか。これまでの「内閣情報調査室」から「局」に格上げすることにより、どのようなことが変わったのか。

木原官房長官:
これまでも「内閣情報調査室」という組織があり、防衛省、警察庁、法務省、外務省など各省庁にもそれぞれ情報を収集する機関があった。しかし、国際的に非常に情勢が厳しい時代において、もう少し政府が同じ方向性で情報収集をしなければいけないという結論に至り、まず「内閣情報調査室」を格上げし「国家情報局」とし、さらに新たに関係閣僚で構成する「国家情報会議」を設置することで、政治のリーダーシップを発揮していくこととした。「国家情報局」が「国家情報会議」の事務局を務めると同時に、そもそも「国家情報局」自身も各省庁に対する総合調整を行う。つまり、各省庁の持っている情報収集機関の司令塔機能をさらに強化していく組織にするという意義があった。そのことにより各省庁から「国家情報局」にはより質の高い、そして、より多くの情報が効率よく収集されることになる。そして、その上で総合的に分析をすることで、政治部門に対して適切な情報提供ができる組織に生まれ変わるという意義があった。

Q.日本は今、具体的にどのような情報的脅威にさらされているのか。国会審議では外国から見て日本は諜報活動がしやすい「スパイ天国」だという指摘もある中で、この組織が必要な理由を聞かせてほしい。

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木原官房長官:
政府としては「スパイ天国」とか「スパイ」という言葉は使っていないが、我が国を取り巻く昨今の安全保障環境が大変厳しい状況にあるのは確かだ。具体的には、例えば、官民の重要情報を狙ったサイバー攻撃、これはもう民間にもよく聞く話で、政府側にもそういうことがあった。サイバー攻撃によって重要な情報を盗まれる危険にさらされているということもあった。さらに私たちの日々の生活や、我が国の経済活動に欠かすことのできないレアアースなどの重要鉱物の輸出制限。自国に有利になるように世論を誘導しようとする「偽情報」や「誤情報」をあえて拡散して世の中を混乱させようとすることもあった。また、私がいま話したことを複合的に組み合わせて世の中を混乱させようとする、「ハイブリッド型」の脅威とも表現することができるが、我が国に対する脅威がこれまで以上に複雑になってきている、目に見えにくい形になっているということが現実的にある。こういう分野は外交、防衛、技術、経済など複数の政策領域にまたがっている。一つの分野ではなく、いろいろな分野にまたがっている課題でもあるので、各国の情報機関はある意味秘密裏にそういった諸工作を活発に展開しているということだ。我が国もそのターゲットにされているということは間違いないことだろう。まさにそういった厳しい状況の中で国民の安全、国益を確保していくのが政府の務めだ。そのために何をすればいいかを考えた時にインテリジェンス機能の強化を施策として推進していく必要性を感じ、まずは「国家情報会議」と「国家情報局」を設置した。しかし、これはあくまでもインテリジェンス改革の第一歩であり、まだまだこれからやらなければいけないことはたくさんあると思っている。

Q.情報収集の強化をめぐっては国民の監視、国民の監視が強まるのではないかといった指摘がある。不安に思う国民もいると思うが、この点をどう考えているのか。

木原官房長官:
今回の組織改正は先ほど申し上げたように、昨今の厳しい状況の中において真面目に生活をしている国民の安全や国益をしっかりと守らなければいけない。そこで政府においてインテリジェンスの司令塔機能を強化したものだ。真面目に生活している国民への監視が強まるという懸念は全く当たらない。この点は心配して頂く必要はない。私どももそういった懸念を国民が抱くことのないように丁寧に説明をしていきたい。

Q.自民党と日本維新の会は連立合意書の中で2027年度末までに「対外情報庁」を創設することを盛り込んでいる。日本版CIAにあたる機関の設立を目指していくのか。また、こうした組織はイギリスなどでは外務大臣の管轄下にあるが、「対外情報庁」創設の際は外務大臣の管轄下に置くことも選択肢として考えるのか。

木原官房長官:
あらゆる危険を未然に防ぎ、国民の生命と財産をしっかりと守っていくことが政府の務めだ。そのために何をすればいいかという一つの手法として、国家の情報力を高めることが今回の法改正、組織改正の目的でもある。こういった観点から政府における対外情報機能の充実も検討を進める必要がある。現在、その課題や論点を整理しているところだ。お尋ねいただいたような組織のありよう、諸外国の例なども参考に今まさに検討しているところであり、今、ここでこういう組織になる、ということは一概には申し上げることはできない。また、我が国では従前から外務省に「CTUJ」という国際テロ情報収集ユニットが置かれており、一定の成果をあげてきたところだ。こうした基礎の体制や、これまでに蓄積されてきたノウハウも我が国は持っている。それらは今後の政府の対外情報機能を充実させるにあたっての基盤になっていく。ゼロから立ち上げていくのではなく、いまあるものを基盤としてさらにそれを進化、発展させていくことも一つの考え方だ。いずれにしても今度新設された「国家情報会議」の下で、我が国にとって真に必要となる対外情報機能の充実について様々な意見を専門家の方や有識者に伺いながら、組織づくりに着手していきたい。

Q.情報収集衛星について。内閣官房の「内閣衛星情報センター」による人工衛星を通じた情報分析は、24時間体制がとられていないことから、自民党内にも24時間体制にすべきだとの声がある。24時間体制にするなどの変更点があればうかがいたい。

木原官房長官:
内閣衛星情報センターが運用している情報収集衛星は、先日、私の地元の熊本でも地震が起こったが、こういった時に活躍をする。つまり、どのエリアで、土砂災害が起こっているか、いないかなど、いち早く察知することができる。また、中東情勢などでも大変大きな役割をこれまで果たしてきている。衛星画像情報の収集と分析の重要性はこれからも極めて高いと言える。自然災害にせよ、あるいは時差がある外国での重大事案にせよ、曜日も時間も選べない。夜間でも休日でも即時に対応できる体制を整えていくことが重要だ。現在も緊急事態の発生時には職員が参集するなどして迅速に対処態勢を整えてきているが、今後より即時性を高めていく観点から、さらなる対処体制の充実を図っていきたい。また、衛星画像情報の自動識別の分野では、すでにAIを活用している。AIが日進月歩、日々進化しているというのは言うまでもないが、AIをはじめとする先端技術の利活用をさらに進化させ、人工衛星や関連するシステムの能力向上に取り組んでいきたい。

(聞き手:フジテレビ政治部 官邸キャップ 木村祐太)

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