8月15日の「終戦の日」を前に平和について考えます。
長年にわたり、戦争の記憶を伝え続けてきた県遺族会の取り組みと直面している課題についてお伝えします。

(河野亜耶記者)
「戦後81年。戦争体験者が減少する中、記憶をどう次の世代へつないでいくのか。思いを聞きました」

宮崎市末広にある県遺族会館。
ここには県が2001年に設置した平和祈念資料展示室があります。
県遺族連合会が運営していて保管されている遺品や写真、遺書など約2300点のうち約300点が展示されています。
一つ一つの資料に込められているのは、戦争で大切な人を失った遺族の思い、そして二度と戦争を繰り返してほしくないという願いです。

(宮崎県遺族連合会 鎌田伸次事務局長)
「実際県内の遺族から提供されたものですが、全国的に実物が残っているのは、非常に少ないということで非常に貴重な遺品かなと思っております」
「遺族の方の思いを伝えるという「千人針」というものでございまして、(縫われている虎は女性が)どんな遠くに行っても必ず生きて帰るんだという思いが込めてあります」

「当時は決して口で帰ってきてねと言えなかった。ひと針ひと針にその思いを込めて戦地に向かう夫や子どもに託した資料」

また展示室には旧陸軍の従軍カメラマンが撮った写真や、宮崎出身の兵士の遺品などが並びます。

(宮崎県遺族連合会 鎌田伸次事務局長)
「かつて日本でもこの宮崎でも悲惨な戦争があって多くの方々が犠牲になったということを、ぜひ今だからこそ知っていただきたいなと思います」

遺族連合会では、学校などで平和への語り部活動や、実話をもとにした朗読劇を続けています。

(県遺族連合会 時任眞由美さん)
「使命感って言ったらおかしいのかもしれませんけど、(朗読劇を)20年近くやってるんですけど毎回やるたびに涙が出るんですね」

長年朗読劇の指導をしている時任眞由美さん。
戦時中、父親が少年飛行兵だった時任さんが大切にしているのは、「事実」を伝えることです。

(県遺族連合会 時任眞由美さん)
「平和であることを一番願ってるんですけど事実のみを伝える。作りごともしない・何がいけない・何が良かったということを決して言わずに『こんなことがあった』ということだけを伝えてるかな」

しかし戦争の記憶を伝える側にも大きな変化が起きています。
高齢化に伴う遺族会・会員の減少、ピーク時に約2万人いた会員は現在3300人余りに減りました。
そしてもう一つの課題が遺族会館の老朽化による平和祈念資料展示室の移設です。
県は先月遺族連合会などと移設先についての検討会を開きました。

(県福祉保健部・指導監査・援護課 長谷恵美子主幹)
「(県も)大事なものをお預かりして平和の尊さを伝えていきたいという思いはありますので、県民の方々に平和の尊さがしっかりと伝わるような施設にしていきたいと思っております」

移設先の候補には、県庁5号館などがあがっていて、県は年内に決定し来年、移設することにしています。

(宮崎県遺族連合会 鎌田伸次事務局長)
「戦争犠牲者に対して思いをはせて、平和を祈念するそういう場として、移設して理念を継承していただけるといいなと思います」

戦争の悲惨さと平和の尊さを未来に伝える貴重な資料には、戦争経験者や犠牲者の遺族の思いが込められています。

テレビ宮崎
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