触るとキュッキュッと音が鳴る不思議な砂「鳴り砂(鳴き砂)」。なぜ砂から音がするのか?8月11日の「こどもまなびてれび」は、鳴り砂の謎と貴重な砂浜を未来に残そうとする人たちの活動について学びます。
気仙沼市の唐桑半島。青く澄んだ海が広がる半島の西側には、小さな白い砂浜があります。 ここは「九九鳴き浜(くくなきはま)」。何とも面白い特徴があるんです。それが…。
記者リポート
「こちら九九鳴き浜の砂は、このように踏んだり触ったりすると音が聞こえてくるんです」
どんな音なのか、耳を澄ませてみると…キュッキュッと音がします。気仙沼市教育委員会の幡野寛治さんが教えてくれました。
気仙沼市教育委員会生涯学習課 幡野寛治さん
「九九鳴き浜は唐桑半島の付け根にある“鳴り砂”の浜です。この白い砂浜がキュッキュッと音が鳴るので、有名な砂浜になっています」
九九鳴き浜のような触ると音が出る砂は「鳴り砂」と呼ばれています。九九鳴き浜という名前は「キュッキュッ」と鳴ることから名付けられたのだそう。
気仙沼市には「十八鳴浜(くぐなりはま)」という鳴り砂の浜もあり、どちらも国が大切なものとして守る天然記念物に指定されています。
気仙沼市教育委員会生涯学習課 幡野寛治さん
「みんなの宝ということで、今後とも地域の方々と一緒に、この鳴り砂の浜を大事に守っていきたい」
もっと詳しく鳴り砂について知りたい!訪れたのは地下鉄東西線の荒井駅にある「せんだい3.11メモリアル交流館」。ここでは9月30日まで、鳴り砂に関する企画展が開かれています。
おととし5月に亡くなった早川紘之さん。「ハヤカワ博士」と呼ばれています。鳴り砂が大好きで「仙台湾鳴り砂探究会」というグループを作り、鳴り砂のことをたくさん調べていました。
企画展では「ハヤカワ博士」の活動の記録を通して、鳴り砂について知ることができます。
この日、企画展にいたのは、ハヤカワ博士の友達で、「仙台湾鳴り砂探究会」の吉川理香さん。鳴り砂が鳴る仕組みを教えてくれました。
仙台湾鳴り砂探究会 吉川理香さん
「鳴り砂の条件は、まずひとつは石英というガラスなどと同じような物質なのですが、石英が6割以上含まれていること。それから、その石英が、角が取れて丸い粒子になっていること」
そもそも、砂は岩が砕かれてできた鉱物の集まりです。その集まりの中に「石英」という粒が多く含まれていることが、鳴り砂になるためのひとつの条件です。
仙台湾鳴り砂探究会では石英などの砂の層に力が加わると、砂の粒が振動して音が出ると考えています。
こちらは全国の鳴り砂を集めた展示。鳴り砂によって音色も違うんです。
仙台湾鳴り砂探究会 吉川理香さん
「まず亘理・吉田浜。いい音だね。次はいわきの豊間海岸だよ。あ!もっと高い音が鳴るね」
子供たちも夢中になっていました。
小学6年生
「砂によって個性が出ていて、なんか面白いなって」
「いつも砂浜では無音だなと思って、つまらないなと思って歩いていたけど、これからめっちゃジャンプして砂浜を行こうかなって」
鳴り砂がある砂浜は全国でも30カ所ほどしか見つかっていません。砂浜が乾いていることやきれいなことも大切で、鳴り砂は非常に珍しいものなのです。
その中でも、亘理町の「わたり吉田浜海岸」は長さ約4.5キロと国内で最大級の鳴り砂海岸です。
しかし、2011年の東日本大震災で砂浜にがれきや土砂が流れ込み、音が鳴らなくなりました。さらに、防潮堤の建設で周辺は一時、立ち入り禁止に。入れるようになったのは2015年。「ハヤカワ博士」はさっそく調査を再開しました。詳しい原因は分かりませんでしたが、一部で鳴り砂が復活しているのを発見したといいます。
吉田東部地区まちづくり協議会 福本眞会長
「砂が乾いている時に来てもらうと、自分の足で蹴っていくと、ここが鳴るなとかよく分かると思う」
住民の福本眞さんです。復活した鳴り砂を未来まで残そうと、中学生など地域に住む人と一緒に毎年、海岸を清掃しています。
吉田東部地区まちづくり協議会 福本眞会長
「小学生も含めて震災知りませんけど今の小さい子は、そういう子たちが大きくなった時に、どんどん引き継いでもらって、自分たちの宝として海岸をきれいに保っていくことをしてもらうとありがたい」
自然がくれた宝物、鳴り砂。その音を守っていくために、砂浜をきれいに保ち、受け継いでいくことが大切です。
