もうすぐお盆です。「お墓参り」で帰省する人も多いのではないでしょうか?
ところが、連日続く猛暑がお墓参りに「縁起でもないピンチ」をもたらしています。
先日、SNSにこんな投稿が・・・。
「真夏の墓参りは1人で行かないでください。熱中症で1人きりで動けなくなると、発見も遅れて危険です。お墓で命を落とす危険があります」
お墓参りするにも厳しい暑さのこの夏、「清掃代行」や「QRコード参拝」など、新たなサービスが登場しています。
関西テレビ「newsランナー」では、変化する真夏のお墓事情を取材しました。
■「親父が呼んどるんかな思って」 暑すぎてお墓に行けない! 街の声から見えた現実
取材班が街でお盆の時期の「お墓参り」について話を聞くと、こんな声が次々と飛び出しました。
【街の方】「ちょっと厚さが、しんどいですね」
【街の方】「お墓参り行っていないですね・・・」
そして、30万円以上かかけて“墓じまい”に踏み切ったという人も。
夏にお墓参りした時のことを振り返り…
【墓じまいした人】「死にそうやった!墓行ってなんで死にそうになるやろなと思って。親父(故人)が呼んどるんかな思って」
と笑いながら話してくれましたが、先日、SNSのこんな投稿が話題に。
【SNSの投稿内容】「真夏の墓参りは1人で行かないでください。熱中症で1人きりで動けなくなると、発見も遅れて危険です。お墓で命を落とす危険があります」
お墓参りに縁起でもないピンチが迫っています。
■お墓の清掃を丸ごとお任せ! 代行サービスの現場に密着
取材班が向かったのは、奈良県大和郡山市にある霊園。
「非常にありがたいサービスがある」という情報をもとに秦アナが現地取材です。
そこに現れたのは、青い作業服を着た若い男性2人組。
【秦令欧奈アナウンサー】「ちなみにお二人ってご年齢、おいくつなんですか」
【スタッフ】「今年僕が27歳になりました」
この2人はなんと、高校の同級生。甲子園を目指して一緒に汗を流した仲間が、今はお墓の前で汗を流す会社を立ち上げたというのです。
彼らが提供するのは「様々な事情でお墓参りに行けない人のために、掃除を代行するサービス」です。専門の資格を持つスタッフが、大切なお墓をきれいにしてくれます。
猛暑などでお墓参りに行くのをあきらめる人が増えるにつれ、需要も徐々に増えているといいます。
■依頼者・松山さんが語る「行けない理由」
今回、代行サービスに依頼したのは松山さん。お父様やご先祖様が眠る「松山家之墓」を、気にかけながらもなかなか足を運べずにいたといいます。
【松山さん】「なかなかお墓参りに行けてないところに、お友達から代行でお掃除もしていただけるという話を聞いたので、それはぜひお願いできればなと思って、依頼させていただきました。
母もちょっと高齢になってまして、なかなか一緒に行こうと思うと…。お盆なんですけれども、暑すぎます」
【秦令欧奈アナウンサー】「ちょっと外出られるレベルじゃなくなってきてますもんね。ほんとに」
この日、温度を測ってみると、なんと40度超え! お父様への思いがあっても、40度の墓地に高齢のお母様と2人で向かうのは、さすがに無理というもの。
■4時間かけてピカピカに! プロの技に思わず見入る
清掃が始まると、スタッフは柔らかいブラシで力を込めてこすっていきます。
一見きれいに見えるお墓でも、流れ出てくるのは茶色く濁った水。細かい汚れが、ずっと積み重なっていたのです。
【秦令欧奈アナウンサー】「苔(こけ)出てきますね、中から」
【スタッフ】「そうなんですよ」
秦アナも負けじと草むしりに参加。ちなみに秦アナの父親は造園士で、雑草むしりは「得意」だと豪語していました。
お墓掃除で頭を悩ませるのが、こびりついた苔の汚れ。そこで登場したのが、石材用のプロ仕様洗浄剤「コケスカット」です。
■心を込めて清掃 利用者も「新品みたい」 事業としては“これから”
【スタッフ】「苔スカットって呼んでます」
【秦令欧奈アナウンサー】「スカットって“スカッと”取れるからですか?」
【スタッフ】「多分…」
名前の由来も「多分」。それでも実力は本物で、頑固な汚れをスカッと落としていきます。さらに、きれいな状態が長持ちするコーティングも施して、4時間にもわたる作業が終了です。
仕上がりを見た松山さんの一言が、すべてを物語っていました。
【松山さん】「新品ですね。もう新品みたい。うわー、きれい。暑いしとか寒いし、もう1回ここでってぐらいにやっちゃうところ、全部ありがとうございます」
気になるお値段は、4時間の清掃で2万5000円。秦アナ、さっそくお金目線で計算し始めます。
【秦令欧奈アナウンサー】「4時間近く働かれて、2万5000円。ですから一人当たりで時給で換算すると、まあ3000円程度になるわけ。儲かってはいるんですか」
【スタッフ】「儲かってるかって言われたら…まだまだ。やっぱ認知がされてないんで。1日2、3件ぐらいだったら私たちも可能ではありますので、単価を上げるよりかは、件数増やしていこうかなというところではあります」
夢を持って立ち上げた会社。まだまだこれからです。
■QRコードでお墓参り!? 400年の古刹が始めた最先端サービス
続いて取材班が向かったのは、京都市の西寿寺(さいじゅじ)。約400年の歴史を誇る古刹で、「まったく新しいお墓」があるといいます。
高台にある境内からは、京都市内が一望できる絶景。しかし、秦アナが案内された場所には墓石が縦横にずらっと並んでいました。
そして、墓石にはあるものが付いていました。
【秦令欧奈アナウンサー】「QRコードですか。さすがに異色の組み合わせですね」
【西寿寺副住職・黒宮海大さん】「お墓にQRコードって、まあまあびっくりされる方多いですね」
QRコードを読み取ってパスワードを入れると、故人の写真や名前、戒名、亡くなった日などが画面に現れます。
QRコードとパスワードを家族で共有すれば、離れた場所からでもスマートフォンを通して手を合わせることができます。昨年スタートしたばかりの、最先端のお墓参りです。
西寿寺の副住職・黒宮海大さんは、お墓にQRコードを付けることには「最初は抵抗があった」と話します。
ただ、もともと『遠方でお参りに行けないんです』という声があったことで…
【西寿寺の副住職・黒宮海大さん】(今では)「こういうものがあれば『お参りしたい』という気持ちを大事にしていただけるかなと思っています。
特にこの暑さでお年寄りは小さいお子さんは特に危ないですので」
取材中も頭から汗が流れていました。
■利用者が語る「1日1回は見ている」
実際に利用している本多さん(大阪在住)に話を聞くと、その愛用ぶりに驚かされました。
【利用する本多さん】「私も大阪なんですよ。で、お墓は京都で。しょっちゅうお墓参りって行けないじゃないですか」
QRコードを導入したのはお父様のお墓。遠方であることに加え、高齢のお母様の足が悪く、このサービスをとても重宝しているといいます。
費用は、諸費用込みでおよそ80万円。一般的な墓石が数百万円することを考えると、選択肢のひとつとして十分に検討できる金額かもしれません。
【本多さん】「このサイトになってから、1日1回は私は見てるって感じです」
【秦令欧奈アナウンサー】「えー、毎日ですか」
毎日、画面越しにお父様に手を合わせる。その姿は、形が変わっても「しのぶ」という気持ちに変わりがないことを伝えてくれます。
【西寿寺の副住職・黒宮海大さん】「写真であったり、いろんな思い出をですね、思い返していただいて、そしてまたスマートフォンを介してお参りしていただくというのも、亡き人をしのぶご供養される形には、ぴったりかなというふうに思っております」
お墓参りのカタチは変わっても、故人を大切に思う気持ちは変わっていないようです。
(関西テレビ「newsランナー」2026年8月7日放送)
