北海道内で8月6日、7日と2日連続の真夏日となる中、22度ほどだった釧路市。涼しい気候を逆手にとった観光客や長期滞在者の獲得作戦が加速しています。
ギラギラとした日差しが照りつけた8月7日の札幌市。
まさに夏真っ盛りですが、7日朝の釧路市は霧に包まれました。
7月の最高気温の平均はなんと21.2度。
今シーズン、30度以上の真夏日は一度もなく、25度以上の夏日ですらわずか1日しかありません。
「暑い暑い夏。いえいえ温度計は17度を指している釧路なら真夏でも快適に過ごすことができます。いまの温度計は17℃です」
”霧のマチ”として知られる港町の釧路。
沖合の海流の影響で気温が上がりにくく、7月の最高気温の平均は札幌市よりも5度以上、東京よりも10度以上も低いんです。
釧路を訪れた観光客は、地元の人も「別世界」の涼しさを実感しています。
「想像を上回る、涼しさというか、寒さ…」(東京からの観光客)
「信じられないくらいです。東京だと秋という感じ」(東京からの観光客)
そんな釧路の気候を逆手に取った長期滞在者の獲得作戦が市内で加速しています。
こちらのホテルでは2泊から10泊以上専用の連泊プランを10月末まで用意していて、1泊料金より割安になっています。
「避暑地としての釧路の認知度は上がってきている。より多くの人に知っていただいて、釧路全体を盛り上げていきたい」(釧路プリンスホテル 木谷太さん)
この企画は好評で、2か月以上にわたって宿泊する人も。
宿泊者数は8月2日時点の2か月間で、すでに2025年のキャンペーン期間4か月分の宿泊者数を上回っています。
中にはホテルの想定外の予約も…
「チェックアウトの際に来年の予約をする人もいる」(木谷さん)
このホテルで初めて釧路で10日間滞在する東京在住の土田信子さん(85)です。
釧路の涼しさにほっとしたといいます。
「空港に着いた瞬間に『ああ良かった』と思いました。生きていく上で気温は本当に大事で、今の東京は正常な生活が私の年齢だとできなくなってきている。こんな極楽みたいなところは、ないと思っています」(東京在住 土田信子さん))
同じく長期滞在の友人と夕食に向かうときは長袖を羽織っていました。
「半袖になる気がしません」(土田さん)
夕食に選んだのは、釧路名物の炉端焼きです。
北海道産の新鮮な野菜などを目の前の炭火でじっくり焼き上げました。
炭火の熱さも涼しい釧路ならへっちゃらです。
「来年は考えよう。(今回より)もっと長期滞在するように。この涼しさを知ったら釧路は忘れられない」(土田さん)
北海道の体験移住事業では滞在者数、延べ滞在日数ともに釧路は14年連続1位です。
長期滞在する人もほぼ右肩上がり。
釧路市によりますと、2024年度は過去最多の2797人で10年間で約10倍になりました。
7月から9月にかけて集中していて、8月の滞在日数が最も多くなっています。
「クールステイ釧路~♪」
釧路商工会議所が釧路の涼しさをアピールするこちらの動画。
2025年5月の公開以降、再生回数は24万回以上で、制作会社によると、北海道内の地方都市の観光PR動画としては異例の多さです。
さらに2026年からはこの動画を見た人向けの特典もできました!
「クールステイ釧路みました」
「ありがとうございます。ご用意します」
「お待たせしました生ビールでございます」
その名も「快適気温Uー25℃キャンペーン」
道外の人を対象に市内の7店が行っているもので、午後2時までの最高気温が25度以下の日、「クールステイ釧路みました」と合言葉を伝えると、生ビールなどのドリンクを1杯無料でもらえます。
「多い日では20人ぐらいの来店につながっている」(くし炉あぶり家 平田美枝子店長)
釧路ならではの大自然も「ひんやりスポット」です。
雄大な原野が一面に広がる釧路湿原。
ここを縦断する釧路川ではカヌーを楽しめます。
「耳に入ってくるのは自然の音のみ。360度、湿原の景色が楽しめて最高のカヌー日和です」
「(オジロワシが)いた、いた」「シカが水草を食べています」
カヌー体験を提供している業者によると、川の上の温度は風が吹いていると陸よりも5度ほど低く感じるということです。
利用客は年々、アジアや道外客を中心に増えています。
「タンチョウが飛んでいるところを見られて、とてもきれいでした」
「夏とは思えないぐらい涼しくて」(いずれも観光客)
暑さを我慢する夏から、暑さを避ける「クールな夏」へ。
釧路の夏は心も体も休まる環境がそろっています。
